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続・羊を数えても眠れない。2020.4.26

日曜日の朝7時に起床。
なぜこんなに朝早く起きるかというと、
できるビジネスマン並みに朝の時間を有効活用するべきでは、
もちろんない。

豆に給水させるためだ。

本日作るカレーに豆を使ったものがあり、豆の給水には3時間程度とある。
ない頭で考えても豆の給水から調理を始めると、
調理に7時間くらいかかってしまう。

そのため、一度7時に起床し、豆を給水させ、再び眠りにつくのである。

私の段取りは完璧に思えた。
だが、大きな落とし穴があったことにこの時は気づかない。

豆を水につけ、安心して再び布団に。

8時半、目覚ましがなる。
すぐに起きようと思うが、布団のやつが体から離れない、
磁石のS極、N極ごっこをしていたら、9時。

慌てて起床する。

得意の日曜日のだらだらを決め込み、
気づくと1時間がすぎていた。

午前10時慌てて調理開始。

豆は1時間ほど煮込み、マッシュ状にしなければならない。
この料理ではとろみづけとして豆を使うのだ。

豆を煮込み始め、調理を始める。

最近はラジオを聴きながら、調理している。
ピーターバラカンのラジオのいとうせいこうの国境なき医師団や
ダブポエトリー、さらには大好きな仏像の話に耳を傾ける。

圧巻の東寺の立体曼荼羅、せいこうさんお勧めの奈良の福地院の話に興奮。
最近は忘れかけていたが、卒論に仏像のことを書いたくらい仏像が好きな私。
こんな時だから仏様の顔を拝みたいなと考えていると、ふと気づいた。

冷凍マトンを解凍してなかったことに。

冷凍マトン1KGを豪快に購入したが、今日使うのはその半分。
下ごしらえをしながら、自然解凍と思ったが、なかなか解凍されない。
しかも骨つきなので、包丁でもきれない。

その一つの塊となったマトン1KGを前に考える。
スパイスの乾煎りに使用したフライパンの上に乗せてみると、
なぜか袋から血が出て、「Oh My Buddha」 
キッチンが血まみれになり、パニくる。
突如、殺人事件、いや殺羊現場となったキッチン。
慌てながら、血を拭き取り、落ち着こうとする。

マトンに手がつかないので、豆を使ったカレーの調理を進める。

演歌のルーツが大正デモクラシーにあったという興味深い話を聴きながら、
煮込んでいる鍋の上に袋に入れたマトンの塊を乗せる。
漬物石のような存在感。絶妙なバランスで蓋の上に乗っかるマトン。
マトン on the pot.石の上にも3年状態。

もはやカレーを作っているのかマトンと戦っているのかわからなくなってきた。
この時点で調理開始から2時間が経っていた。
マトンの炒め物は、マトンを1時間煮込んでから、スパイスと炒め合わせるという
工程があり、先のことを考えると、頭がクラクラしてくる。

しょうがないので、ピーターバラカンから爆笑問題のラジオに切り替え、
気持ちも切り替える。

努力のかいもあって、少しづつ溶け始めるマトン。
頑固なあいつも丸くなったぜと無駄口を叩きながら、必要な分だけ取り出す。
マトンは、なめたらアカン!

一度マトンビリヤニを作ろうとして、雄ヤギを買ったこともあった。
一人暮らしの上で雄ヤギを調理することほどシュールな絵はない。
しかも38度の熱を出しながら。
一筋縄ではいかないマトン調理。いや、私が阿呆なだけなのか。

ようやく、マトンの調理を始める。
マトンを煮込みながら、セロリのアチャールを作り、ご飯を茹でる。

最後にマトンを引き上げ、スパイスと絡めて、調理終了。
時計は14時を回っていた。4時間かかってしまった。
その内の半分はマトンの解凍に費やした。

なめたらアカン。

これを書いている最中も部屋中にマトンな匂いが充満。

なめたらアカン。

あぁ、またもや羊を数えても眠れない。

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