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創作はインセプション=(アイデアの植え付け)

インセプションという映画を映画館で観てきました。

2010年に公開されたクリストファーノーラン監督の作品です。ノーラン監督の新作「テネット」公開に合わせて、現在劇場でリバイバル公開していたのです。

あらすじ…人の頭の中に侵入し、この世で最も価値のあるもの“アイデア“を盗み出す男が、実現不可能に近い壮大な犯罪計画に挑む姿を描く。(ネットよりもらったきた引用)

映画「インセプション」の設定


主人公は夢の中からアイデアを盗む仕事をしています。ですがとある理由から「アイデアを植え付ける仕事=インセプション」を依頼されます。アイデアを植え付けることは、盗むことより数十倍難しいです。

夢には階層があります。

第一階層:夢

第二階層:夢の中の夢

第三階層:夢の中の夢の中の夢

といったように夢はより深く潜ることができ、深い階層ほど潜在意識に近いとされています。アイデアを植え付ける場合より深い階層に植え付けたほうが予後がよい(自分で思いついたと思わせることができる)です。

創作もインセプションなのでは

ようやく本題に入ります。

創作して人に読んでもらうことも「インセプション=アイデアの植え付け」だなあと映画を見て思ったんです。

もちろん目が覚めているとき私たちは理性があるので、物語を読んでも夢の中ほどダイレクトに情報が入ってくるわけではありません。

ですが物語を読んでえらく感動した、とか感銘を受けるというとき私たちの精神はゆらいでいます。理性が弱まって涙したり快感を得ることもあります。創作物を読んでから何日もそのことが頭を離れず、しまいにはその人の行動を変えてしまうことだってあります。これはその物語がその人にインセプション=植え付けされたということではないでしょうか。


「物語」という形式は強い

私はテキストもエッセイ漫画もストーリー漫画も描きますが、この中で一番インセプションしやすいのは「ストーリー漫画」な気がします。つまり「物語」です。

例えば「人間にはときには孤独が必要だ」というテーマがあったとします。このテーマ(素材を)

①テキストで描く

②エッセイ漫画で描く

③ストーリー漫画で描く

ではそれぞれアプローチ方法が違いますし、表現するコストも違うのですが、うまくいった場合一番深い階層に響くのは③ストーリー漫画という形式な気がします。これは自分が受け取る側としてもそう感じます。

特に第三階層のように深い部分にいき、それこそその人の行動を変えてしまうレベルの情報伝達。それには箇条書きで伝えるよりもフィクションのような「物語形式」のほうがよく入り込む気がします。

そう考えると神話や古典がなぜ物語形式なのかがわかります。人類に一番深く一番覚えやすく伝える情報伝達の形式が「物語」という枠組みなのでしょう。面白い。

そういや私の大好きな「Dr.STONE」という漫画でも2700年もの間をつなぐ情報伝達は「百物語」という物語形式でしたね。

なぜ「物語」が強いか

物語は「解釈」をいくらでも込められるからだと思います。多面的に光る鏡のような。聖書も人によっては解釈が違う風に読める。つまり箇条書きで情報を詰め込むよりもさらに多い情報量を詰め込める。

同じ人物がAと読んだものも年を取ってから読むとBという側面が読める場合がある。この多面的な構造が物語にはある。(逆に言えば1種類の解釈しかできない物語は経年に耐えられない。複数の解釈の幅がある物語はより強い)



こんな記事もありました。

https://gigazine.net/news/20150119-stories-change-hearts-and-brains/


はじめに言葉ありき。次に物語ありき。ですきっと。

物語ってほんといいものですね。


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