『幸福な監視国家・中国』(梶谷懐、高口康太、NHK出版新書、2019年8月10日)

気になっていたけど、手を出していなかった『幸福な監視国家・中国』(梶谷懐、高口康太、NHK出版新書、2019年8月10日)を拝読した。

監視社会と言われる中国の実態を社会信用システム、監視・検閲システムから明らかにし、我々が抱いているネガティブな監視社会のイメージが、そうではないかもしれないと気づかせてくれる良書。

中国の監視システムや社会信用システムについての説明はとても参考になり、欧米型の政治的平等を目指す民主化に対して、中国は経済的平等を目指す民主化だという指摘は目からウロコでした。

本書でも指摘されていたように中国の社会信用システムの全体像について、正確に紹介した資料はきわめて少なく、私自身も資料をまとめる時に困ったことがあります。その時まとめたものが本書の内容とだいたい合っていたので安心しました。しかも本書はもっと細かいところまで紹介してくれていたので先に読むべきだった。その時に作ったおおざっぱな表が下記。

監視システムの紹介も具体例が多く参考になりました。以前、一般論として下記のような図を作ったことがあります。中国でもインフラ化進んでますね。


刊行されたのは3年前ですが、基本的なことを知るにはうってつけだと思います。これを読んで、さらに最近の事情を記事などで補完するとよさそうです。



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