社会的に支持された誤・偽情報に対する感情予防接種の効果の検証を行った論文
Counteracting socially endorsed misinformation through an emotion-fallacy inoculation
https://doi.org/10.56296/aip00017
人は感情的な時に誤・偽情報の影響を受けやすくなる。さらに感情は誤・偽情報の拡散に役割を果たす。おうおうにして、ネット上の誤・偽情報は正しい情報よりも感情に訴える。
また、人は他者、社会的な合意に影響を受けやすい。この論文で言うところの説得力のある社会的に支持を受けていると思われる誤・偽情報を信じてしまう可能性がある。
この論文では、感情と社会的支持のふたつと、それに対抗する感情予防接種の効果を検証している。
下記は実験で使われた感情予防接種。
結果は、感情予防接種を受けた個人の間で誤情報の信頼性の認識が大幅に低下し、参加者自身の判断に対する自信が高まり、真実の識別能力が改善された。
感情予防接種を受けた人々においても、社会的支持は、誤情報の信頼性と正確性に対する認識を高めることが明らかになった。しかし、感情予防接種の影響は変わらないため、社会的支持は誤情報の説得力を高めるものの、感情予防接種の介入効果を低下させないことになる。
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