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バチカンの異端審問所が奇蹟の認定を開始 神のファクトチェック?

ローマカトリック教会の総本山バチカンの教理省(Dicastery for the Doctrine of the Faith、旧異端審問所)は、ローマカトリック教会においてバチカンのみが超自然的な出来事を奇蹟と認定できると発表した。

Vatican tightens rules on supernatural claims in the digital age
https://www.washingtonpost.com/world/2024/05/17/vatican-supernatural-divine-manifestations/

●概要

14億人の信者を擁し、奇蹟が起これば巡礼地となり、その土地に莫大な利益をもたらす。これまでは司教が判断してきたが、簡単に誤った主張をうのみにしたり、後任の司教がそれを否定することがあった。バチカンが一手に認定を引き受けることで教会の判断の一貫性や継続性が担保されることになる。
現在、奇蹟は6つのカテゴリーに分類されており、最上位は奇蹟として認められる。逆にもっとも低いものは公式に奇蹟として認められないことがアナウンスされている。最上位のカテゴリーと認められたものはごくわずかだ。

超自然的な奇蹟は教会の権威に対する挑戦となることもあり、時には教会の教えや福音の言葉よりも重要視されてしまうことがある。今回の仕組みによって、こうした問題を防ぐことにもつながるが、奇蹟は強烈であるため、低く評価されてもそれを無視して広がる可能性もある。

●感想

宗教にはくわしくないで、なんとも言えないが、「真実の裁定者」という意味では、妥当なような気もするけど、こうした裁定組織は逆効果になる可能性も高いので今後の反応が気になる。

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