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メモ:日本の特殊性 格差とデジタル影響工作

あくまでもメモ書きなので、そのうちちゃんとまとめます。私の場合、「メモ」と書いた記事はオンラインでそのまま入力して確認せずに公開しているものがほとんどである(所要時間およそ20分)。したがって、誤字脱字、おかしな文脈もある。指摘いただければ直すので遠慮せずに指摘してほしい。意図的にエキセントリックな表現をしているわけではない。
この記事をもう少し整理したものをニューズウィーク日本版に寄稿しました。
陰謀論とロシアの世論操作を育てた欧米民主主義国の格差
いくつかの記事で格差とデジタル影響工作の関係について書いた。

新しい階級闘争』の感想もしくは世界の格差について 分断と混乱を起こすのではなく、悪化させ、可視化することがデジタル影響工作の効果

影響工作の終焉 プーチンがライターを貸すとアメリカが燃える

これらは元となっている資料やデータが欧米のものであった。日本はどうなのかというと、日本は特殊らしい

欧米では主要政党の支持層が格差上位=エスタブリッシュメントになったが、日本ではそうならなかった。野党の支持層は格差上位になったが、自民党の支持者は必ずしもそうなっていない。
たとえばアメリカは下図のような状況になっている。グラフの赤は学歴、青は所得、緑は資産で、高学歴、高所得、高資産(いずれも上位10%)から低学歴、低所得、低資産(いずれも下位90%)の投票割合を引いたものになっている。数値が増加することは高学歴、高所得、高資産の人々の投票数の増加を示す。民主党支持の中心は、投票者の90%を占める低位の人々ではなく、上位10%の人々に変化しているのがわかる。同様の傾向は他の欧米の民主主義国でも見られる。

出典:Thomas Piketty、2018年3月、Brahmin Left vs Merchant Right:Rising Inequality & the Changing Structure of Political Conflict (Evidence from France, Britain and the US, 1948-2017)より

一方、日本はそうなっていない。下図は日本の有権者の支持率のグラフだ。グラフの黄色は富裕層、黄色は持ち家で上位層。赤色は賃金労働者、青色は組合員。支持率は脱政治化しているようだ。

Political Cleavages and the Representation of Social Inequalities in Japan 1953-2017、Amory Gethin、2021年3月、https://wid.world/news-article/political-cleavages-and-social-inequalities-in-japan/

欧米の民主主義国とは異なる状況である以上、異なるアプローチと対策が必要になりそうだ。
個人的な感覚としては自民党は陰謀論者なども取り込んでいるような気がする。

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