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言葉"でしか"会っていないわたしたちは 言葉"だけでさえ"会うことが出来る


午前4時。
わたしはいつもの時間に起きる。
どこか背伸びしているわたしは、いつもより高級な煙草に火を付ける。恋をする瞬間を今か今かと待っているようだった。窓から流れてくる風と、扇風機から流れてくる風のようなもの。感傷の色に酔っては酒を注ぐ。いつも読んでいるその本のタイトルは誰にも教えたくなかった。遠くから聴こえてくる音楽に心が無抵抗に雲へ攫われる。

青白い光を点々と並べる。
大人になったばかりの頃は、夜の方が胸を膨らませていた。今はちょっとだけ朝、それも日が昇り始めるその瞬間の朝。別に人によって1日の始まりは違うかもしれない。午前0時でも昼でも夕方でもいい。けれど"一番の朝"が緩やかな坂を下る時のように、どこかわたしの足取りを早くしてくれたのだ。


わたしはこうして言葉をずっと書いていて。
それって意味のないことだった。
何も生み出せない、それは殆どの人間に言えることだった。それでも見えている人たちがいるせいで、自分の塵のような才能など無いに等しかったのだ。薄っぺらい言葉は甘い蜜だけ吸わせてくれる。けれどお腹が一杯になることはなかった。鳴き叫ぶ自分の身体を騙すように、わたしはSNSに言葉を並べている。本当に書きたくて書いたことほど読まれなくて、でもそんな時ほど「あれは書きたいことではなかったんだな。」なんて酷い納得をしてしまうのに伸びていく数字にわたしは欲で作られた人形のよう。


わたしは女の子ではない。
けれどわたしはこれからも女の子だった。SNSと現実で錯総するわたしの性は誰も見てくれない。ただわたしと現実で向かい合った人は優しかった。どうして?と疑うほどにだ。こんな泥みたいな人間と手を繋いでくれる。汚いから大丈夫だよとわたしが言っても君は気にせずわたしの手を両手で握ってくれたのだ。そんな甘い蜜の"せいで"、"おかげで"わたしはまだ生きてしまえている。



今日わたしが早起きをしているのは、特に意味はなかったけれど意味はあった。

こうしてわたしは毎日noteを書いていて、初めてだった。猛烈な音を立てていた土砂降りから、わたしの身体を洗い立ての太陽みたいな言葉で繋いでくれた。

わたしはとあるハンドメイド作家さんたちの集まりに混ぜていただけることになった。きっとそれは妖艶なほど包まれた名前で、集う方達はもっと広義だった。

だからこそ今日の日を大切にすることと、自分のnoteを蔑ろにしないために初めて朝noteを書いて朝にnoteを更新している。

わざわざ今日にまで迫ったこの機会をわたしのnoteで説明は不要だと思う。


原口あゆみさんのnoteに飛んで記事を追っていただければ、どんなことをするか全く知らない人にも十分に理解出来ると思う。別にわたしのこの話に興味がない、あゆみさんたちのこの場に興味がないという人はここでわたしのnoteを閉じてもらっても構わない。けれど本心は興味を持って欲しかった。わたしが興味を"持たせたかった。" これは宗教ではない。ただ崇拝という言葉はそこまで悪くないかなと思っている。心の置き場に素面で向き合うのが大人だから。


「言葉で会いに行く。」

そんな心がわたしの胸をずっと掬ってくれた。
なんて事ないこの言葉にわたしはきっと縋っている。わたしたちは実際に顔を合わせていないから書ける事、感じる事だってある。それはわたしが"女の子になりたい"と思うその如何しようも無い生き方は、目の前の人に簡単に打ちのめされたりもするだろう。わたしたちが"繋がっていたような"このSNSでの関係も、嘘みたいに現実で通用しないこともあるだろう。だって人は偽れてしまうから、操れてしまうからだ。ただ極端な言い方をしてしまったら、賞賛を浴びている人は自分の心を偽り、操っているのだろうか。けれどそれでもいいのだ、大人だから。幸せというのはどうにもそんな片鱗を含んでいる。



そしてなんと言ってもこの企画である。
Kojiさん、手作りブックカバーのお店「心象風景」の店主の方である。

◉「ハンドメイド × 創作文芸」で一冊の本を作ろう!
ざっくり説明すると、「ハンドメイド」をテーマとする創作文芸作品を募集し、一冊の本にしておすすめ◯◯コーナーに置こう!という企画です。
小説やポエム、詩や短歌など、noteを通じて自分の創作物を発信している方は、私を含めたくさんいます。そんな方々にご協力頂き、一冊の本を作れたらどんなに素晴らしいだろうか。


これはどれほどの人の生命が入るのか。
想像しただけでわたしの小さな身体は原型を留められそうにない。

語り出したら止まれそうになかった。
このnoteと、またわたしは今日を受けてまたnoteを書くだろう。その繋がりや心や言葉の変化。わたしの女の子としての生き方を、どうか見ていて欲しい。そして携わってくださった全ての方に今日わたしは会いに行く。いやもう本当は会っているのだけれど。だってわたしたちは言葉"だけで"会うことが出来る。


8月25日、今日。

わたしは言葉で"愛"に行きます。


いちとせしをり。


書き続ける勇気になっています。