リレーで1走を走ってみよう!

拝啓 冷気に身の引き締まる季節となりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
 今年は「ホワイトアウトクリスマス」と呼ばれるほどの大雪と寒波らしいですね。北海道では雪が積もり、冬限定の圧雪された小径が公園や大学内に出現するようになりました。フォレストには入れませんが、道たどりが上手くなりそうです。
 まだまだ厳しい寒さが続きますが、体調を崩さないようにお気をつけてお過ごしください。                  敬具

追伸 北海道寒すぎ、、、むり。

テレインプロフィール
見通しは概してよいが通行可能度が低下するB~Cハッチの平らな地形に、複雑に入り組んだ
小径が発達しており、ルートチョイスによって大きなミスを計上することになる。


初めまして。
北海道大学オリエンテーリング部4年の髙木一人です。
(名前はイチトって読みます)

僕のことを知らない人がたくさんだと思うので、自己紹介します。

好きなものはリレー1走体幹トレーニングで、
苦手なものはラントレロング競技です。

そこそこな頻度で怪我をするので、
月間走行距離は平均してだいたい100kmぐらいで、冬は50kmぐらいです。

中学の陸上部で一緒に長距離をやっていた友達の
「なんで二酸化炭素出すために走るんだろう…
みんなが走るのやめたら地球温暖化止まると思うんだよなぁ」
って言葉を今でも鮮明に思い出します。

「俺はもっと強くなる!!」っていうジャンプの主人公みたいな熱血的な感じではなく、
「今日も楽しも~~♪」っていうサンリオのキャラクターみたいな感じで
楽しくオリエンテーリングをさせてもらっています。

「好きこそものの上手なれ」ってことなのか分からないですけど、
気が付いたら日本ランキング34位(記事書いたとき)になってたり、
C C7の1走で区間賞をいただいたりしました。
いつも応援ありがとうございます!

僕が勝手にライバルだと思っている「もとなりさん」から今回オファーをいただき、オリエンティア Advent Calendar 2022 24日目を担当させていただくことになりました。

連絡がきてからアドベントカレンダー見たら、
24日と25日以外全部埋まってて驚愕しました。

後半になるほどハードル高そうだな~って思ってたけど、内容的にも、
山リハリレーの前日でベストタイミングだったなと思います。


今回は僕の好きなリレー1走について書きました。
リレー1走をみなさんにただただ布教していく記事となっております。

今日まで毎日記事を読んできているような
目の肥えたみなさんからしたら途中で飽きてしまうかもしれませんが、
お許しください。

この記事読んだらきっとリレーの1走を走りたくなっていると思います。
たぶん。


リレー1走とは


まずリレー1走は、他のオリエンテーリングと比べてかなり特殊です。

僕の中では、
スプリント、フォレスト、スキーO、リレー1走、というような感じで、
1個の新しいジャンルとして分けちゃってもいいやんってぐらい違うと思います。

1走の特殊なところ

・一斉スタートで集団走
・前の人を抜けば順位が1つあがる
・ペナしたら犯罪
・チーム戦で白熱する
・リレーメンバーやいろんな人から応援される
・とにかくたのしい

ざっとまとめると、こんな感じです。


1走は一斉スタート

まず、1走は一斉スタートであり、
最初から集団走であることが一番違うポイントだと思います。

いつもなら1分間隔で出走するので、一緒にスタートするのは多くても10人程度です。
しかも、同じコースの人とは同時にスタートすることなんてありません。

でも、リレーなら30人や100人と一緒にスタートします。
しかも、その中には同じコースの人もいるのです。

僕はスタートで毎回、小中学校の持久走大会を思い出します。
一緒に走ろうって言ったのに...


ペナしたら終わり

リレーは隣接コントロール祭りです。
全コントロールの地図とか、もう一面の紫です。

しかも、デフケースを使えないので大変です。
コントロール番号の確認は、地図をひっくり返したり、広げたりしないといけません。

でも番号の確認をしないとペナに繋がってしまいます。

例えばスプリントでペナしたとします。
そのペナは1人分のペナです。自己責任ですね。

今度は、リレーでペナしたとします。
そのペナは3人分もしくはそれ以上の人数分のペナです。
当然、みんなは許してくれません。では、どうするか?

そうです。土下座です。誠意を示しましょう。

リレーの1走のペナなら、さらに罪が重くなります。
3走の人は、記録が残らないことを知ったうえで走らないといけなくなります。

つまり、どれだけ頑張っても順位はつかないのです。
虚無ですね。僕なら焼肉とかおごってもらわないと許さないです。

リレーでのペナは犯罪です。そこだけは守って楽しみましょう!

ペナは、ダメ。ゼッタイ。



リレー1走で必要なもの


リレー1走で重要になってくる要素が5つあります。

これは僕が個人的に思っていることなので、他の要素もあるかもしれないですが、これらの要素があるとリレー1走で有利になると思います。
(今回は1走を普及する記事ですが、もし1走が強くなりたいという方は、これらの要素をより究めていくと強くなれると思います)

ひとつでも満たしていたら、あなたにはリレー1走の隠れた才能がぐっすり眠っているのかもしれません。

リレー1走の五大栄養素(バランスよく摂取しよう!)
 1.体力
 2.スピード
 3.観察力
 4.精神力
 5.運

オリエンテーリング栄養素便覧より


1.体力

「いやいや、僕はゴリラじゃないので、体力そんなないんですけど…」
っていう方、安心してください。

ここでいう体力は最低限の体力のことであって、
マラソンとかトレランとか、ものすごい長い距離走れるかどうかではありません。

リレーの距離(最長でも7kmぐらい?)を走れるかどうかで、
オリエン中はずっと全力疾走しているわけではないので大丈夫です。

つまり、ロングのオリエンできてる人はこの体力をすでに持っています!

さらに、ロングのオリエンを完走したことがなくても、競技時間ギリギリを攻めたレースをしたことがある方は、それだけ山の中で動き回れるということで、体力はバッチリです。

「な~んだ、体力はオッケーじゃん」ってなりましたね。

これであなたもリレー1走に向いてるこちら側の人間です。


2.スピード

「いやいや、私は今まで運動部じゃないし、巡航芸人じゃないんですけど…」っていう方、安心してください。

ここでいうスピードは、自分の実力と近い実力の人と競っている時に、
置いてかれちゃわないようにするための、ある程度のスピードのことです。

自分の実力と近いというとこがポイントです。
憧れのめちゃつよ巡航芸人先輩とかに無理してついていく必要はないんです。
無理してついていって現ロスする方が大損害です。
あせらず、じっくり、コトコトと。

あと、オリエンってミスしなければスピードそんなに出てなくても勝てるじゃないですか。
だから、スピードはあったら有利になるけど、別にそこまで必要ではないんです。

ということは、もうすでにスピードの条件はみなさん満たしています。


3.観察力

こういう経験がある人はいませんか?

・人間観察をしたことがある
・人混みでは、人の動きを予測して人を避けながら歩く
・オリエン中に他の人の動きを参考にした
・コントロールから脱出するときに他の人が脱出した方向を真似した
・オリエン中に他の競技者を見たことがある

ひとつでも経験があったら、観察力は十分です。

リレー1走は集団走であるため、周りの人をいかに活用するかが重要になってきます。

周りの人がどのように動いているか、
どのコントロールに向かっているのか、
好きな食べ物はなにか、
といった様々なことを予測して上手く活用することができると速くなります。

ただ、オリエンテーリングしている時って、
地図読んだり、
地形見たり、
コンパス見たり、、、
大変ですよね。いろいろ考えたりするような余裕はあんまりないです。

だから、自分と同じルート選んでそうだなという人をなんとなく見極めるだけです。ほとんど直感です。
あとはその人をバディだと思って一緒に仲良くオリエンテーリングデートするだけです。

しかし、その人にナビゲーションをすべて任せてしまったらダメです。

なぜなら、これから一緒に歩んでいく将来について、パートナーにすべて任せては無責任ですよね。
自分も考える必要があります。
そうしないと、なにかあったときに一緒に路頭に迷うことになります。

もし相手が途方に暮れてしまった場合は、完璧なナビゲーションで差をつけてやりましょう。
この先も長いので、この人はダメだと思ったらその人のことはすぐ忘れて、自分の道を歩んでいく必要があります。
集団走はだいたいこんな感じです。

周りの人を意識しつつ、活用しながら、
自分でナビゲーションしてオリエンテーリングをする。


一見マルチタスクのすごいことしてるように見えるけど、
実はいつも通りのオリエンテーリングをするだけです。

なんか今日いつもより人多いな~、混んでんね~、このテレイン大人気やん、って感じ。人はあんまり気にしない。


4.精神力

集団走なので、いつもより人と競っていると実感すると思います。

そのため、競っている時にくじけないための精神力が必要です。
ただ、この精神力をもっていない人はいないと思います。

「同じリレーメンバーのために役に立ちたい」とか
「目の前にいるこの人に勝ちたいな~」とか
少しでも思えば十分で、2走の人の顔を思い浮かべるだけで大丈夫です。

元気してるかな~?
おなかすかせてないかな?
もしかして私が遅くて退屈して寝ちゃってないかな?
とか思うだけですね。

うっかり寝てしまわないように、急いで帰ってあげましょう。


5.運

いろいろ書きましたが結局、運が一番大事かもしんないですね。

正直、リレー1走なんて運さえあればなんとでもなります。
本番にどれだけ運をもっているかで結果は変わると思います。

もう一回大会やり直したら順位も変わるし、すべては運です。

でも、本番になってみないと運が良いかなんて分かりません。
じゃあ、運が良いタイミングを引くまで参加し続ければいいってこと!?

ゴミ拾いとか、おばちゃんが横断歩道を渡るの手伝ってあげましょう。
日頃の行いをよくしたらいいと思うよ。知らんけど。



リレー1走の魅力って200個あんねん


リレー1走の魅力はたくさんあるんですけど、全部紹介してたら2023年になってしまうので、3つで抑えときます。


1.チームに貢献できる

リレーってチーム戦なので、自分の頑張りでチームに貢献できます。

いつもお世話になっている人達に対して、
活躍を通じて日頃の感謝を伝えることができるのです。

「それだと、活躍できなかったら意味ないじゃないか」
と思った方、安心してください。


リレー1走にすごく強い選手は参加しません。


これ大事なので、もう一回言います。


強い選手はリレーで1走を走らないので活躍できます。


リレーって3人で1チームっていうことが多いので、
1チームは3人なんですよね。

つまり、1走を走れるのは3人のうち1人だけ!
選ばれし存在なのです。

さらに、強いチームっていうのは3人とも強いんですよね。

つまり、1走を走る強い選手は 1/3 !!

ということは自分の順位もいつもの 1/3 !!!

よって、いつも通り走っても活躍できちゃう! わ~い!!

実は、C C7だともっとすごいことが起きます。

まず1チーム7人なので 1/7 !!!!

そして、コースごとに難易度が違うため、
難易度が高くて距離も長いエース区間に、各チームのエースが大集結します。

1走はエース区間じゃないので、
エース以外の人達しか出走しないのです!!

つまり、ものすごい活躍ができちゃいます。お得です。
みなさん、C C7の1走を走るのです。


2.一斉スタート

みなさんはファシュタをご存知でしょうか。

そうです。あのファシュタです。

ファシュタについては、こちらの記事をオススメします。

ファシュタってすごい楽しいんですけど、ファシュタの大会ってないんですよね。合宿や練習会でしかファシュタはできません。

さらに、合宿や練習会だと人数も選手も限られてきます。
同じレベルの選手が集まらないと、楽しさが薄れてしまいます。
困りました。しかも、ファシュタをする機会が少なすぎます。

もっと良質なファシュタをしたいです。
そんなあなたに、この言葉を送ります。


「我々にはまだリレーが残されている。」


大会なら全国から選手が集まるので、自分と近い実力の選手もたくさん集まります。これで選手層の問題は解決しました。

しかも、リレーの大会は年に何回か行われており、合宿や練習会のファシュタと合わせれば、十分な回数を確保できそうです。完璧や。

なんと、リレーの1走はファシュタと同じ一斉スタート!!
これはあまりにも条件が揃い過ぎではないだろうか。

つまり、リレー1走はファシュタの大会であり、最高に楽しいオリエンテーリングなのです。

ファシュタができてただでさえ楽しいのに、活躍ができてみんなから褒められる。ええやん。リレー1走最高。


3.一緒に頑張れる

「みんなで走る」ってところが僕は一番好きです。

この人も頑張ってるんだから、もう少し頑張ろう!
一緒にこのコースを乗り越えていこう!

って感じで周りの人から元気をもらいながらいつも走ってます。

たまに、スタートからフィニッシュまでずっと一緒に走ってるときとかあると、一緒に冒険してる感じがしてすごいワクワクするんですよね。

初対面の人でも、その1レースだけで心が通じ合えた感じしていいですね。

逆に、リレー以外だとほとんど1人なんで、少し寂しいな~って思うようになってしまいました。
もうリレー以外受け付けない身体になってしまったんですかね...
ロングとか孤独の時間長すぎます。だから苦手なのかな?


さいごに

リレーの大会って、普通のフォレストの大会開くよりも大変なんですよね。

会場をテレイン内に作らないといけない問題、
競技時間長すぎ問題、
コース組むの少しめんどい問題
など様々な問題があります。

そのため、リレーの大会ってそんなにたくさんあるわけじゃないんです。

せっかくリレーの大会に参加するなら、リレーでしか味わうことができないことをした方がいいと思うんですよ。
1走とか、1走とか、1走とか。

でもみんなが1走を走りたくても、3人1チームなら2人は我慢しないといけません。
ケンカしないように仲良くじゅんばんこで1走をしましょう。

1走の取り合いによる争いを起こしたくてこの記事を書いたわけではありません。とりあえず、みんなが1走を1回以上経験してほしいのです。

もし1回経験してみて、「あっ、これ苦手なやつ」って思ったなら、
それはそれでいいんです。

次からは、1走が好きで好きでしょうがない人に譲ってあげてください。

でも実際に経験してみないと、好きか嫌いかなんて分からないので、
とりあえずリレーの大会に参加してみましょう!

そういえば、
「お前も1走を走らないか?」って知り合いの鬼も言ってました。


おまけ

文章長いのに、ここまで読んでくださり、ありがとうございます。


その時の状況だったりで結構変わるので、あんまり参考にならないかもしれないですが、C C7の時の僕の走り方・思ったことについて書いておこうと思います。


まず、スタートでみんなの走るスピードが速すぎて、いろんな人に抜かれる。いや、みんな速すぎ。TTじゃないんだから。
ゆっくり落ち着いて走ろうっていう気持ちで走る。

1ポ:
隣ポに引っかかって、「みんな、ごめん」って軽く絶望して、もうどうにでもなれって思って、みんなが走ってる方向にダッシュする。なんか知らんけど1ポ見つけて、今日の運勢が絶好調だと思う。

基本的にポスト着いたら、ポスト着く手前か、パンチ待ち行列で並んでる時に次のレッグ読む。余裕ない時は、概ねレッグ線通りに脱出しても大丈夫かどうかだけ1秒とかで考える。

脱出は基本的に目の前にいる人についていく。僕は脱出と直進が苦手マンなので、上手い人をとにかく信用する。上手い人かどうかはポスト付近の動きと走り方でなんとなく直感で分かる。わ~、みんな上手すぎ。
そして脱出しながらルートプランを考えたり、先読みしたり、とにかく止まらない。足をずっと動かし続ける。

だんだん前の人がいなくなってきたけど、10mほど前を走っているすごい速そうな人を発見。まじか、こんな速い人おるんかい。この人を見失ったら詰む。登りで頑張って、足の回転をさらに速くする。

とにかく前にいる人に追いつくことを考えて、頑張る。
でも、自分の地図に書かれたポストがどの方向にあって、前にいる人はどこに向かっているのか、ということだけは冷静に分析しまくりながら走る。

気付いたらフィニッシュの誘導。わ~い、帰ってきた。スキー場の下りたのし~~。最後の登りいらんやん。フィニッシュ!!


こんな感じでした。読みにくかったらごめんなさい。
ずっと走り続けて、走りながら地図読んで、周囲の人活用してれば、速く走れると思います。
これはあくまでも僕の走り方なので、他の人の走り方だったりをいろいろ聞いて、自分に合った走り方をぜひ見つけてください。



リレーの大会をいつも開催してくださる運営者様、いつもありがとうございます。
オリエンテーリングが上達するよう、僕にいろいろ教えてくださった方々もありがとうございます。

おかげさまで、今日までオリエンテーリングを続けることができております。うれしいです。


明日は山リハですね。出走する人は楽しんできてください!

山リハ行けないので、ラップセンターで記録見ます!
明日の1走は誰が一番速いんですかね~?

それでは、次はリレーのスタートでお会いしましょう。

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