すずめの戸締まり / 感想

ツイッターで書いた感想のまとめ直しです。散文。いつもと語調が違います。

ダイジンのすずめの子にはなれなかったよ、が心に刺さりすぎてダメです。
「うちの子になる?」と言われた途端のつややかっぷりがあまりに可愛くて大嫌いって言われてからシオシオになるの本当にもう 本当にもう 
ありがとうって言われてつやつやに戻ったのが唯一の救いというか…
すずめと遊ぶ…………………(大ダメージ
ダイジンは「人が死ぬよ」「いっぱい死ぬ」「すずめすき」と本当しか喋らないから……導いてただけなのに…
本当にすずめと遊んでいるという感覚だったのだろうなと思うと胸に迫ります

ダイジンの名前が名乗ったわけではなくて民衆の投稿で決まっていくのも今どきでしたね。実際たぶんダイジンという名前なのだろうけど。(ウダイジン、かな?)
ダイジンがあんな寒いところに戻ったかと思うと……
「常世」はやっぱり寒いのでしょうか。要石は冷たいというのは生きているモノでは無いという意味だろうし 死者の国 常世に住むミミズを封じる要石…
おじいちゃんの「あの子についていくのですか?よろしくお願いし申し上げます」と丁寧に頼んでいる姿をみて、ああ、「要石」はモノではなくて「神様」で信仰の対象なのだというのがよくわかりましたね。
サダイジンも可愛かったな…へこだよ…

危惧してたより話がトントン拍子で進んでよかったです。お財布描写がめっちゃ今どきでびっくりした スマホさえあればなんとかなる世界なんだよな…

地震の原因が常世の「みみず」という表現も面白かったです。みみず、なるほどな。蛇や龍が災害の表現だったように、蛇や龍って表現しなかったのがいいなあと

芹澤のこともゆるさないけど取り敢えず環さんと稔さんは幸せになって 頼む
環さんの「あなたがいなければよかった」があまりにリアルでキツかったですね。女性がかかえる苦悩そのままというか、子どもを産むってそういうことだよな。と
誰も家に呼べない コブ付きだから結婚もできない 姉のお金があっても割に合わない 私の人生を返して これ叔母だからこのくらいで済んだだけで、母親だったら見た人みんな立ち直れなかったと思う 

そりゃ未婚で子どもを抱えて、その子どもに「重い」なんていわれたら言っちゃうことないだろうか。
どれだけ心配したんだと思うんだ、私がいままでどんだけ気を遣ってきたと思うんだ、が全部出たんだろうな、と。サダイジンが言わせたのも当然あるでしょうけど、それに対しての答えが「確かに考えていたことではあるけど、それだけじゃなかった」の和解なのも。
具体的なマイナス事項をならべたてて、でも、悪いことばかりでは無かったを言葉にしないところが憎い演出だなと思います。

しかし40代の人に2ケツのチャリを漕がせて二十キロは死ぬから辞めてやれすずめ。まじで。

すずめがどうと言うわけではないけど、はじめから「死ぬのなんか怖くない」というのが311に繋がってるのは上手でしたね ただ考えなしの若者というわけでもないし、物語の都合で向こう水の勇者してるわけでもない。
生きるか死ぬかは運なんだ、というのも彼女を作ってきた根源なのだながよくわかって好きです。
その上で「死ぬことは怖くない」「草太のいない世界が怖い」という覚悟。ただ車の前には飛び出すな ドライバー目線で悲鳴でるから。
あとそんな簡単に飛び降りるな、心配になるから

あの地震の風景を描いて「常世」だというのも、逃げ惑う姿も、山の上を目指して走るのも…

「いってきます」も印象的でした。モチーフがモチーフなだけに結構ダメージにきますね 最後の締めが「お帰りなさい」でよかったとは思うのだけど、彼らは帰れたんだなあ、とも思ってしまいますね。いや良いことなんだけど。

芹澤は選曲が古すぎるけど大丈夫?(真顔
井上陽水の「夢の中へ」を流すなセンスが良すぎるよ芹澤
いかついスポーツカーが壊れかけの中古なのも、ちゃんと教師目指してるのも、車がボロボロになっても厭わずあそこで帰らず迎えにきてくれる男いい人すぎるし教師頑張ってね 草太が一年遅れて追いかけるからね(なんの目線)
2万かしてた、をさいご「借りてたのは俺」に持っていくのもうばか ばか お前なんなの芹澤 ふざけんなよ芹澤 会ったばかりの女の子探し回るな芹澤 心配のしかたも助け舟の出し方もどうしてあんなスマートなの芹澤 友達の心配して何が悪いっておまえ見ず知らずの女の子が従姉妹じゃないって調べ上げたんだろ芹澤 マジお前損するからな芹澤
おまえまじ損するからな芹澤(2回目
お前絶対草太に「おかえり」って言っただろ芹澤
あの修羅場で「ドアから乗れ」はもうどうしようもなかったんだよな芹澤わかるよ芹澤 女の子泣かせて悪い男だな芹澤(誤解)

すずめがあんなに草太を好きになる理由がいまいちと分からないし、すずめを手助けする人たちがいい人すぎない?と思うくらいには汚れちまった僕なんですが、それでもこれはボーイミーツガールのお話で日本神話なんだなと思うとわかる気もします。

ボーイミーツガールって恋愛では無いんですよね。恋でも愛でもなくて「ただ逢う」という「運命」なだけで。
ただ少女が青年と出会ったという物語で本当に良かったです。
もどかしいけど、あれくらいあっさりでよかった。いつだって物語はちょっとビターな方が好き。

視聴後の気持ちが「空色勾玉」を読んだあとにも似ていてまた読みたくなりました。日本古代ファンタジー。女の子が男の子の為にはしる小説。

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