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久保秋真「RudyではじめるWebアプリの作り方」

・本書は、モデリングツール「astah*」の開発支援、UMLやSysMLを使ったモデリングのコンサルティングや技術教育の開発・講師を担当する著者が、Webアプリの中身の作り方を学ぶことを目的に作成した1冊。

・Rudyはまつもとゆきひろ氏(ネットではMatzが通名)が、手軽にオブジェクト指向でプログラミングするための言語として、個人で開発を始めたプログラミング言語。誕生は1993年(最初のリリースは1995年)で、現在はら世界中のたくさんの人が利用しているよく知られた言語の1つになっている。日本発のソフトウェアということもあり、書籍やインターネット上に日本語の情報がたくさんあるので、プログラミング言語の老舗の1つに数えてもよい。

・Rudyは文字列を加工したり、他のプログラムと一緒に仕事をするのが得意なので、「手軽にプログラミングするための言語」という売り文句がある。また、標準的なライブラリだけでなく世界中の人が作った豊富なライブラリもあり、これらを使えば、短いプログラムを書くだけで、やりたいことが容易に実現できる。

・Rudyがプログラムを作るときの考え方の基本としているのは「オブジェクト指向」だが、その一方で開発者のまつもとゆきひろ氏は、「オブジェクト指向をあまり意識しなくてもプログラミングできる」ということも特徴に挙げている。

・プログラミング言語の文法やライブラリの使い方を学んでも、それだけではプログラムを作れるようにはならない。プログラムを作れるようになるには、文法やライブラリの勉強に加えて、プログラムを作るときにどんなことを考えればよいかについて知る必要がある。さらに、自分の書いたプログラムを他の人に見てもらうこと、作ろうとするプログラムがどのような構成や動作になるのかを考える方法を知ることなども必要となる。つまり、
□プログラムを作る方法を知る学習。
□プログラミング言語そのものを知る学習
は異なるものであるのだ。

・本書のRudyの学ぶためのストーリーとして、
①解決したい問題を発見する

②解決方法を考える

③具体的な用途を持ったアプリケーションを設計する

④作成するアプリケーションの開発の流れを計画する

⑤必要となる機能を実験する

⑥実験した機能をまとめてアプリケーションにする

⑦Webアプリに発展させ、Excel表も生成する。
という流れで、実験と開発を繰り返して理解を深めていく。

・本書は、「第一部 準備編」「第二部 実践編」に大きく分かれており、第一部では本書で作成するアプリケーションである、Amazonの注文履歴サービスの働きを把握し、どんなアプリケーションに仕立てるのかを検討して開発の流れを整理する。第二部ではアプリケーションの中心となるAmazonの注文履歴の取得部分を、コマンドラインから単独利用できるアプリケーションとして開発したり、テンプレートを使ったページ生成を使えるようにする。
※その他に、Webアプリとしての機能を整理し、段階的にWebアプリを開発したり、Excelのワークシートを作成する機能をWebアプリに追加するなどをおこなう。

プログラミング言語の文法はわかり、実際にどのように作ればよいか、アプリはどう作ればよいかという方向けに具体的なプログラムの作り方を解説した内容となっており、初心者脱出のための指南書となっています。

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