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下書きで終わるの終わり

文章を書いては完成できず、下書きのままボツにする。それをやめた話。

決めたのは今日。きっかけは、友達と星乃珈琲でお茶してたときのことだった。

「自分が少しずつでも曲作りが上達したコツがある」と友達が話してくれた。その友達は、音楽関係の仕事で食べていこうとしている。

それは、毎日机に向かうこと

だと友達は言った。
気が向かなくても、毎日机に向かって機材に触れる。1音だけでも出す。
そうしていると、どうにか1曲はできあがる、らしい。

短くても下手くそでも、毎日1曲作り続けることで、曲作りが上達したという話だった。

「文章を書くのも同じだ」と思った。

でも友達とは対照的に、わたしは最後まで書ききれず公開できず、下書きを増やすことばかりしてきた。

それで、以前ある先輩から聞いた言葉を思い出した。

***

締め切りが作品を作る

と、その人は言った。赤提灯のお店で飲んでいたときだった。

だから、ちゃんと完成させることが大切。そのときの自分のベストを作ることを続けて、作り慣れたらいいと思う

ほろ酔いの頭に、その言葉がぐっときた。
最近のわたしにとって、まさに金言だった。

「え、ちょっとメモっていいですか」

と言って、スマホのメモに文字を打ち込んだ。

わたしのスマホには、今もそのときのメモ書きがある。
こんなことも書いていた。

ひとつひとつ完成させるくせをつける
あとになると、ごまかしちゃうから

「あとになるとごまかしちゃう」というのは、改めて見ても本当にその通りだと思う。
後になって、それを書こうとしたときの気持ちを呼び戻すことはできない。
それでも無理くり書こうとすると、結局、とってつけたような言葉選びになってしまうのだ。

***

そのときの自分のベストを完成させる」という先輩の言葉が心にひっかかったままになっていた。
だから、今日友達の話を聞いて「今こそ……!」と思って書いた。

そういえば、宇野千代さんもその友達と同じことを言っていた。

書けないと思うときにも、机の前に坐るのだ。(中略)机の前に坐って、ペンを握り、さア書く、と言う姿勢をとることが大切なのである。
(宇野千代「私の文章修業」)

野村進さんの『調べる技術・書く技術』の孫引きで恐縮なのだけど、わたしみたいなビギナーの人には刺さるものがあると思う。

これからはまとまらないnoteの更新が増えそう。でも、下書きに残すのはもうやめた。

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