来世ちゃんの話

「来世ではちゃんとします」という漫画原作のドラマを再放送で見ていて、少し前に完結した。その内容もさることながら、タイトルも好きだった。略称が「来世ちゃん」なのも可愛い。

来世ではこうしたいとか、生まれ変わったら次はこうしたいとか。

そんな話をすると、「今世で頑張ればいい話じゃない?」と言われそうだし、同意する気持ちもあったけど、最近は、そういうことじゃないんだよな〜と思うようになった。

「来世では〜」という表現には、今世では無理だという惰性や諦めが垣間見える。自分ではどうしようもできない部分。今世では今の人生を選ばずにいられないという無自覚。それもひっくるめて、いいなぁと思う。

来世では、どうしたい?
生まれ変わったら、何をしたい?

想像するのは自由でちょっと楽しい。くだらないと言わないでくれる誰かと、そんな話をしたい。高校生くらいまでは、「生まれ変わったら、くらげか男の子になりたい」って言ってたけど、今はもう少しマシなの思いつけるはずだ。

話を戻すと、ドラマの「来世ではちゃんとします」には恋愛をこじらせた大人たちがいっぱい出てきて、登場人物それぞれ可愛かった。

5人のセフレがいる桃江ちゃん、風俗嬢にガチ恋の檜山くん、女の子をメンヘラにしちゃう松田くん、三次元で男性を好きになったことがない梅ちゃん、処女しか好きになれない林くん。

みんな同じ制作会社「スタジオデルタ」に勤めていて、薄給ながら泊まり込みもあったり
と多忙を極めている。だから、恋愛だけじゃなく仕事も大変そう。

でも最終回、大きなプロジェクト終わりに屋上にこたつを出してカンパイしてるシーンを見てたら、こういう今世も全然悪くないよねぇ、と思えた。寂しくなったり虚しくなったり、報われなかったりしても、そういう瞬間があれば、生きていける。それでいいんだ。

わたしは自分について、ちゃんとできないって意識がわりとあるから「今世でもちゃんとしたい……」なんて思うこともあるけど、できないことは来世頼みにして、今世はくだらないことでケラケラ笑っちゃう自分を生きていくのも悪くないかな。

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