言葉が生きる源になる。

私の人生は、ときめきとは程遠い。青春は部活に捧げたし、大学生活も勉強で終わりを迎えようとして。無味乾燥な現実に潤いを与えてくれたのはいつも、言葉だった。

美しい描写も、叱咤激励の言葉も、ときめきを与えてくれる。腐りそうな時は音楽を聴く。現実に希望が見つけられなかったら本を開く。孤独を満たしてくれる言葉がすくそばにあった。

壁ドンされたことも、イケメンに『お前が頑張ってるの、俺は見てるから』なんて言われたこともないけれど、私はこのタイプのときめきが恒常的に不足していても生きてこられた。

私は大学に入ってから、勉強でもサークルでも人と比べて劣等感を感じてしまっていた。どちらも自分が楽しくて始めたことなのに、心が死んだように動かなくなった。周りが皆、自信満々に見えた。

そんなとき、『Hey!みんな元気かい』というKinKi Kidsの曲に出会った。明るい曲調にだまされそうになるのだが、歌詞に耳を澄ませると、「♪悲しみの涙で育った大きな木をどこまでも登ってゆけば〜」、と始まる。曲調とは裏腹に『心を揺さぶることはほとんどない』と主人公が『心の友達』に語りかける。
これは助けを求めている主人公の叫びなのだ。無理をして笑う、主人公の様子が思い浮かんだ。

この曲を聴いて、このような孤独感を感じているのは自分だけではないのだと思えた。そして、感傷的な気分をプラスのエネルギーに昇華していこうと思えた。こうして主人公が歌にして訴えているように。

下を向いてしゃがんでいて、まだ跳べない時、言葉が私にもう一度上を向かせてくれる。それが次のジャンプにつながることを信じてやまない。



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