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【YNWA】18-19激闘UCL優勝決定号_前編 【待ったなし】
Q. で、プレミアはとれましたか?
A. とれませんでしたあああああああああああああ(血涙)
どうも。いまいち自分のことをKOPと呼んでいいのかわからないリバプールファン、お市です。普段はマリノスサポーターとしてTwitterの隅で息を潜めながら、RTといいねを主食にして生きております。
勝ち点97というやりこみすぎたサカつくのような成績を残しておきながら、同じような廃人プレイヤーがもう1人いたためプレミアリーグ優勝を逃した我らがリバプール。2013年以来となるギリギリでのV逸は実に「Vやねん」で今も順位表を見るとそこはかとない哀愁が漂う。
とはいえ、2011年以来のUEFAチャンピオンズリーグ(UCL)優勝を果たしたわけだし、十分成功のシーズンと言って差し支えないはず。そんなシーズンの形に残すべく、各選手+監督の寸評を偉そうに書いていこうと思う。
真面目な評価とかはLFCラボとかfootballistaの特集号を当たってください。
GK
No.13 アリソン・ベッカー(新戦力)
本誌選定準MVP。長い手足を利したセービングと、きっちり相手のシュートのタイミングに合わせきる洞察力、そのサイズ感には見合わない俊敏さで幾度となくリバプールの瀕死のピンチを救ってきた。リーグ戦第4節でエンタメ性溢れるやらかしをして、「リバプール名物・エンタメ系GK」かと思いきや、その後は安定。八面六臂の活躍のおかげで無失点試合はプレミアリーグのGKの中で最多となり、晴れてゴールデングローブ賞(最優秀GK賞)を受賞。けどリーグベストイレブンはエデルソンに譲った。なんでや!
また、カウンターの起点としても機能した。正確無比な高速フィードでサラーやマネへ一本のパスを通すド派手な一撃はもちろん、奪ってからすぐ周りに渡すショートパスや手での配給(ディストリビューション)も心憎いくらいに上手い。
獲得にかかった移籍金は6700万ポンド(約98億5700万円)とも言われているが、シーズンを振り返って思えば、適正価格いやさバーゲン価格ではなかろうか。クロップ先生も「こんなにやれるなら倍額払ってもよかったわ!」と宣うくらいだ。もっとも買った方は大喜びでも、買われた方はたまったものではないようで、ロマニスタの友達は恨めしそうな顔をしていたが気にしない。
趣味のアコギが高じて、公式でBOSS NIGHTの創始者である「マージーサイドの長渕剛」ことジェイミー・ウェブスター氏とのセッション企画が組まれた。この時ブラジルのナウなヤングにバカウケなジャンル、セルタネージョの曲を披露した。ウェブスター兄貴は「尺長えなおい」みたいな顔をしてたが気にしない。
No.22 シモン・ミニョレ
カリウスは出て行ったもののアリソンが開幕からずっと不動の正守護神だったため、第2GKとして過ごしたインテリ系GK兼コーヒースタンド「TwentyTwo Coffee」店主。めちゃくちゃ人格がいいので、ポジション争いの相手であるアリソンをべた褒めしたり、出場機会のなさに腐らず努力している様を語っているが、出場したのは2試合のみ。
それでもミニョレは腐ることなくトレーニングに励み、リバプールに貢献し続けた。ミルナーはその姿勢がチームにとって不可欠なものだったことを語っている。アリソンはその移籍金や前評判に違わぬ世界随一のGKだったが、ミニョレもまた世界随一の「第2GK」だったと思う。
とはいえ、31歳という年齢と今後のキャリアを思えば、第2GKという立ち位置に満足できないのも無理はない。今夏での移籍の噂もある。いくらやらかしが絶えず、クソコラ大好きだったとしても、クロップ・リバプールの黎明期のゴールマウスを守り、今に至ってもそのメンタリティで貢献したミニョレを無下に扱うことはできない。残るにしても残らないにしても、シモン・ミニョレに幸多からんことを。
Liverpool in the @premierleague this season:
— Simon Mignolet (@SMignolet) May 12, 2019
• 97 points
• Lost just one match
• Unbeaten at home
• Golden Glove winner
• Joint Golden Boot winners
• PFA Player of the Year
• Best fans in the country #YNWA pic.twitter.com/FsgwSlpSUk
No.62 クィービーン・ケレハー
アイルランドが輩出した若きGK。主戦場はU-23チームで、トップチームでの出場は結局なかった。無念。ちなみにファーストネームは、スペル的には「カオイムヒン」なんだが読み方としては「クィービーン」が正解らしく、リバプール公式サイトの選手名鑑でも読み方が案内されている。
とはいえUCL決勝のメンバーに入っているように、チームからの期待値は決して低くない。ミニョレの去就が不安定な中、第2GKへと昇格できるか期待したい。顔もかわいいし。
DF
No.4 フィルジル・ファン・ダイク
文句なしで本誌選定MVP、というかリーグ選定のMVP。攻撃陣の質で殴る前輪駆動型の「おんどりゃーサッカー©️五百蔵さん」だったリバプールが、「守備の確かな手堅いチーム」だなんて呼ばれてしまうようになった張本人。立てばラスボス、競り合えば無敗、繋ぐボールはほぼキーパス。もはや世界No.1CBと言って差し支えないだろう。何度「残念そこはファン・ダイク」と震え声で呟いたかわからないくらい、KOPは、リバプールは彼に助けられた。
どの辺が世界一なのか、とかはJリーグ屈指の海外サッカー通、ヴェルディの林陵平選手が解説してくれているのでそっちを読んでもらった方がいいと思う。
なぜファン・ダイクは、対人守備が圧倒的に強いのか。林陵平のマニアック技術論/林「ファン・ダイクは一番危険な場所を消すのが天才的にうまくて、常にそこにいるんです。」 https://t.co/LWQvHToLNi @Ryohei_h11 pic.twitter.com/ZbysdapUse
— footballista (@footballista_jp) June 7, 2019
蛇足を承知で付け加えるなら、そのコーチングも素晴らしかった。守備に難のあったアレクサンダー=アーノルドに檄を飛ばし、立ち位置や前に出るタイミングに露骨に悩むジョー・ゴメスに指示を授けるなど、悩める若いチームメイトにとっての「兄貴」であり続けた。その姿はまさしく、サミ・ヒーピア以降、長らくリバプールが求め続けたDFリーダーのそれだった。ぜひ先代兄貴同様、長くリバプールの守備を締め上げ続けていただきたい。
決してロヴレンのようなパリピではないが、ミルナーを年寄り扱いしたり、何気にロッカールームでも中心人物らしい。叱って育て中の「舎弟」ジョー・ゴメスとは結構仲がいい。
No.6 デヤン・ロヴレン
みんな大好き「世界最高のCB(自称)」ことロヴレンは、今年も精力的に(ネタ枠として)活動。W杯決勝で不審者をとっちめた時にやったのか知らんが、開幕前から「お腹(腹筋)いたい」と幸先よく負傷離脱をかます。さらに満を持して復帰したカラバオカップでは敗戦に関与したり、FAカップでは開始6分でハムストリングをやって16歳のフーフェルくんを意図しない形でデビューさせるなど、ネタに欠かさないシーズンを送った。
とはいえ、ジョー・ゴメス負傷後ファン・ダイクの相棒を勤め上げたのは誰あろうこのロヴレンである。どんなにサイドからのクロス爆撃を食らう時ボールウォッチャーになってマークを外そうと、どんなに「流石にそこはミスらないでほしい」な位置でパスミスをしようと、「堅守」を支えた1人であることに変わりはない。「世界最高のCB」は言い過ぎにしても、優秀なストッパーであることは(認めたくないけど)事実だ。ポルトのマレガやマンUのルカクといった業務用冷蔵庫みたいなゴツさを売りにするCFをねじ伏せる彼の姿に(悔しいけど)頼もしさを覚えたKOPもいるはずだ。
オフ・ザ・ピッチでは程よい輩っぽさでムードメーカーを勤め上げた。またコーヒー仲間のサラーとの仲は公式が認めたカップリングとしてフィーチャーされまくっている。
今やTIME紙にも扱われる存在となったサラーが、なぜかそんなに「雲の上の人」とならないのは、ロヴレンが素の顔を引き出し発信し続けているからこそ、、、なのか?
No.12 ジョー・ゴメス
ついにその片鱗をチラ見せした若き爆速CB(たまにRSB)。開幕スタメンとしてファン・ダイクの相棒の座を勝ち取ると、そのままスタメン定着、、、かと思いきやここぞのところで負傷。イングランド代表に招集されるなど飛躍のシーズンになりかけただけに、この足踏みは痛かった。その後代役を務めたロヴレンやマティプも大きな過失なく務めていたため、最後は守備固め要員としてバックアッパーの座に落ち着いてしまった。
ファン・ダイク兄貴に身振り手振りで叱られながらもその身体能力の使い道を探る姿は、今後の成長を予感させる。来季こそ無事故でレギュラー争いに絡んでいってほしい。
年次は下の方なので末っ子的な扱いを受けていたが、もっと若いブリュースターが加入したおかげでそこは脱却。クラブのブリュースターへのドッキリ企画では嬉々として仕掛け人役をやっていた。
No.18 アルベルト・モレーノ(今季で退団)
出場試合数は5試合、出場時間はわずか334分。ロバートソンが存在感を増せば増すほど、モレーノの立場は無くなっていった。そのロバートソンが欠場した試合もバックアップを務めたのは本職SBではないミルナーだった辺り、今季限りで契約満了につき放出の流れはごく普通のことに思える。
ただ、ミニョレ同様モレーノもその人格をもってチームに貢献した1人だった。クロップ先生はモレーノの退団に寄せてこうコメントしている。
"Alberto is a person whose personality is reflected in how he plays. Full of life, full of energy, always positive. An unbelievable character who is always willing to give all of himself for the team." 🙌
— Liverpool FC (@LFC) June 4, 2019
- Jürgen Klopp pic.twitter.com/C1qe6tXw2H
常に全力で取り組む姿勢だけでなく、陽気なキャラクターもチームにとってプラスに働いた。ファビーニョやアリソンがチームの輪に溶け込めたのも、モレーノがフィルミーノと共に男子校っぽいノリで絡んだことが大きかったと思う。バイヴスアゲめなだけでなく、CL優勝直後では、早逝したホセ・アントニオ・レジェスへのメッセージTシャツをカメラに見せたり人格者の側面もある。っていうかダチ公を大切にする程よいマイルドヤンキー感か。
そんな愛すべきマイルドヤンキー、モレーノ。新天地でも頑張って。
No.26 アンドリュー・ロバートソン
愛称はロボ。レジ打ちからいよいよ母国のナショナルチームのキャプテン、ヨーロッパ王者の主軸まで上り詰めたスコットランドの羽柴秀吉。個人的に自伝を書いて欲しい選手No.1。そんな立身出世っぷりはたしかに素晴らしいんだけど、各メディア下積み時代のロボの生々しい「仕事くれ」ツイートを晒すのは程々にした方がいいと思う(そういって載せる)。
life at this age is rubbish with no money #needajob
— Andrew Robertson (@andrewrobertso5) August 18, 2012
昨年「リーグ最高のお買い得」と称されたロボは、今季流石にトーンダウンするかと思いきや、むしろ凄みを増してLSBの位置に君臨した。現代SBに必要なスキルはほとんど兼ね備えてるのではないだろうかとさえ思う。フリーランで相手の穴を突いて良し、正確無比な高速クロスをねじ込んで良し、プレスかけさせて良し、逆サイドからのクロスに絞って良し、裏のスペース?残念そこはファン・ダイク。
前の3トップや後ろのファン・ダイクがあまりに凄すぎるため忘れられがちだが、ロボも十分ワールドクラス。しかも無事故でこそ済まなかったがあれだけ酷使されても大きな離脱はなかった。来季もどうか無事故で頑張って欲しい。
2年連続でミルナー課長とクラブ公式のお悩み相談室を担当した。
No.32 ジョエル・マティプ
パスを出す時、手のクセが強いことでおなじみのカメルーン人CB。シーズン当初こそジョー・ゴメスやロヴレンにレギュラーを明け渡すものの、終盤に定位置奪取。横のファン・ダイクほどではないが、デカくて速くて繋げるモダンなCBとして活やk…いやちょっと待てどこまで持ち上がる気だ。
稀にファン・ダイクがやらかした時にそつなくカバーリングできる位置取りを事前にしたり、「えいや」で何気に的確なフィード放り込んだりというところは、ゴメスやロヴレンと差別化できるポイント。最終的にレギュラーとなったのも決してフロックじゃないだろう。ある程度計算できるCBとして、来季も必要不可欠な戦力。
隙あらばインスタを更新する選手の多いリバプールにおいて珍しい、SNSをあえてやらない派。曰く「仕事とプライベートを分けたいから」だそう。
No.47 ナサニエル・フィリップス
若きタワー系CB。トップチームでの出場はなし。主戦場はU-23チームで主将も務めるが、今年で22歳。今季でお別れか、それとも来季トップチームで正念場を迎えるか。
No.66 トレント・アレクサンダー=アーノルド
通称TAA、またはルミ子のトラウマ。ホームバルサ戦で「家の鍵をかけ忘れた」的なドッキリコーナーキックから決勝点をアシストしたのは、誰あろうこのTAA。
自分が生まれ育った土地のクラブのサポーターとして育ち、やがてそのクラブに入り、20歳にしてそのクラブをヨーロッパ王者にまで押し上げる…脚本としてベタすぎやしないかと思うくらいのドラマを地でいった。
昨シーズンルカクやらロンドンやらベンテケに散々空中戦でカモられたり、裏のスペースを突かれまくって「守備に難あり」の烙印を押されたが、ファン・ダイク兄貴の怒号もといコーチングや周りとの連携をもって少しずつ改善。悪目立ちするどころか絶体絶命のピンチをいち早く嗅ぎつけカバーリングするなど、賢さを活かして守備でも貢献して昨シーズンからの成長を感じさせた。
攻撃面では前述のドッキリコーナーキックを始めとしたおびただしい数のアシストばかりがフィーチャーされるが、マージーサイドおじさん達を狂喜乱舞させたのはきっとホームワトフォード戦のこの一撃ではなかろうか。
ジェラードのごとく右足でとんでもないFKを叩き込む地元出身選手、しかもユース時代はジェラードに育てられたとくれば、エモさここに極まれり。精度の高いキック、そして位置どりやキックで的確に相手の穴を狙い撃つ判断スピードは今後もリバプールを牽引する武器になるはず。怪我だけは気をつけて来季も右サイドでチャンスを量産してほしい。
リーグ最終節やUCL決勝ではご両親が来場したり、ホームバルサ戦のあとのロッカールームでのリアクションを見ると、まだ未成年だったことを思い出させてくれる。
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