Kazue Nakata

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Kazue Nakata

読んだ本のメモなど。お仕事日記はこちらになりました。→ https://ki-ten.jp/category/diary/

最近の記事

夜の中でも霧の中でも、こころは保てる。 ―『夜と霧 新版』(ヴィクトール・E・フランクル,1977)

さざなみのように、伝言ゲームのように拡がっていく、この暗くて重い空気はどこからくるのだろう? ――なにを信じたらいいかわからない。どう行動したらいいかわからない。誰が悪いのかわからない。どう振る舞ったらいいのかわからない。どう受け止めたらいいかわからない。「正しさ」の在り処がわからない。わたし達の「正常な日常」はどこへ行ってしまったんだろう! そんな苦悶のうめきが聞こえる気がして、感染リスクよりも、不安の海から自主避難している気分の今日このごろ。 ふと思い出して、本棚か

    • 人生で一番の難題は?―『愛するということ』(エーリッヒ・フロム, 1959)

      「あら、一会も読んだの? わたしも読んだわ、その本」 普段は娘の読書になんて興味を持たない母が、ある日、我が家の本棚を眺めて言った。彼女が指差した一冊。それは、エーリッヒ・フロム著『愛するということ』だ。 さすが半世紀超えのベストセラー! そして親子二代に渡ってこれを読むということは……愛の問題とは、なんと解決しにくい、根の深い問題なのだろうか。 愛する≠恋に落ちる 著者のフロムはドイツの社会心理学、精神分析、哲学の研究者。本書は彼が「愛とは何か」に真っ向から向き合った

      • 機能する文章を書くには? ―『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』(山田ズーニー, 2001)

        ここのところ、山田ズーニーさんの『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』を再読している。 今月、講師を担当する広報関連のレクチャーで「ことば」をテーマにするからだ。改めて読んでみて、この本はやっぱり凄いなあと思う。つい興奮してあちこちに線を引き直してしまう。 本書が一般的な文章術の本と異なるのは、「美しく正しい文章を書く力」ではなく、「目的を達するために機能する文章を書く力」に焦点をあてているところだ。 他者を動かす文章術相手に自分の考えを伝え、理解してもらい、どう行動してほ

        • 魂を売らずに生きるには? ―『生きて行く私』(宇野千代, 1983)

          魂を売らずに生きるには、どうすればいいのか? 楽しい、美しいと思う基準、信じているもの、大切にしていること、自らの身体で感じたこと、考えたこと。――そういった自分の中の譲れない芯を「魂」と呼ぶとして、それを守って生きることは案外難しい。 魂はしばしば、世の中の規範や人間関係、仕事、生活といった圧力に脅かされるからだ。 生活をとるか、魂をとるか日常でときどき「あ、やばいな」という状況に追い込まれることがある。ウィーンウィーンと脳内で警報が鳴り響き、「相手の要望通りの道

        夜の中でも霧の中でも、こころは保てる。 ―『夜と霧 新版』(ヴィクトール・E・フランクル,1977)

        • 人生で一番の難題は?―『愛するということ』(エーリッヒ・フロム, 1959)

        • 機能する文章を書くには? ―『伝わる・揺さぶる! 文章を書く』(山田ズーニー, 2001)

        • 魂を売らずに生きるには? ―『生きて行く私』(宇野千代, 1983)

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