本の読み方

10代のころ、読み始めた本が、途中で読むのが苦痛に感じるようになってしまい、途中で読むのを辞めることがあった。そして、途中で投げ出してしまった自分に軽い自己嫌悪を覚えることすらあった。

何がきっかけであったかは忘れたが、20歳近くになり、”大雑把に読む”(いわゆる「乱読」に当てはまるかはわからない)ということを覚えた。

本を適当にペラペラとめくり、目に留まったところを読む、面白いと思わなければ、またペラペラとめくり、目に留まったところを読む。

何度かページをめくって、面白いところがなければその本は読まない。面白いところがあったら、そこに線を引く。 それでその本はわずかその数行で終わっても良いし、あらためてはじめからじっくり読んでも良い。 あくまでその時の気分に任せる。
、という読み方をするようになった。

真面目な人からすれば、怒られそうな読み方だが、この読み方が自分にとても合っていた。
その後から、新たな本を読み始めることも何のエネルギーも必要となくなり、次々と本を読めるようになった。
もちろん、はじめから最後まで隈なく読んだ本はほんの数%であったが、読み始める本の数が、以前よりは格段に増えたため、その分、通読した本も増えていった。

またこの読み方であれば、普通の人が読むことの少ない難解な哲学書や古典も、ペラペラとめくるように目を通すこともあり、そのうちのいくつかの言葉はわからないなりにも、心に響く名文に出会うこともできた。

私の読み方は決して人に褒められた方法ではないかもしれないが、やはり人にはその人その人の性格との相性というものがあるだろうし、いろんな方法を試していく中で、自分に合った方法を見つけることで、その人にとっての大きなきっかけを生むことがあるのだと思っている。


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