人生に彩りを。金星のお話

金星とは。

地球に最も近い公転軌道を持ち、主に二酸化炭素を主成分とする大気を持つ、太陽系の第二惑星である。地球と金星の公転軌道を一定間隔でプロットして線で結び合わせていくと、その軌道は薔薇の花を浮かび上がらせるそうだ(参考)。占星術上の金星は美と愛の女神ヴィーナスの星であり、牡牛座と天秤座のボスを務めているのだけれど、その星と地球との位置関係が薔薇の形になるとは、なるほど、とても似合うしぴったりだなと思う。最初に金星をヴィーナスの星とした人は、このことを知っていたのだろうか。占星術の上でも金星は、まさに、薔薇のような星だ。

薔薇にもいろいろ種類がある。野生の原種に近い薔薇、八重の華やかな薔薇、色も様々で、なかには蔓薔薇なんてのもある。最初は野に咲く素朴な花だったのが、その美しさから人の目にとまり、品種改良を施され、今では豪華な花の代表格みたいなことになっている。育てるのにかなり手はかかる、しかし手をかければかけただけ、美しく育ってくれる。高嶺の花という言葉は、まさに薔薇のようなモノのことを表すのだろう。手間もコストもかかるけれど、かけるに相応しい美しさを持つ存在だ。ちなみに花そのものだけでなく、薔薇のエッセンシャルオイルも高嶺の花である。アロマテラピーに用いられるオイルの中ではトップクラスのお値段を誇る。小瓶一つで軽く万札が吹っ飛んでしまう代物だ。1kgくらいのオイルをとるのに花が4t~5t程度要るそうなのでそりゃ当然だという話だが、薔薇の香りにしかできない仕事というのが確かに存在する。

占星術上の金星もそんな存在と言える。個人の出生図の上にある金星とは、芸術的センス、喜び、楽しみ、ウキウキすること、快楽を覚えること、飾り付けるときのやり方、等を象徴する。最低限の生存にはあまり関係はないけれど、人生に+αの彩りを与えてくれる、とても重要な星である。

しかしどんな星にもダークサイドはつきもので、人間、金星が過剰になりすぎるとロクなことにならない。金星のダークサイドとして分かりやすいのは、買い物依存とか水商売の人に貢いじゃうアレとか、過食からくる各種の病気とか、あと異性関係の乱脈だろうか。最後のは火星も関係してくることがあるけれど、異性に入れあげて泥沼になるときには結構な確率で金星が絡む。最低限の生存に関係ないからといって金星を無視し続けると、暴走して各種の依存症になるか、そうでなければ鬱状態に陥ったりするのだ。自分の金星にちゃんと『手間を掛けて』やらないと、各種の欲求不満で人生がめちゃくちゃに、なんてことになる。

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