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“妻そして母”ジュノーの話

小惑星ジュノーとは。
火星と木星の公転軌道の間を巡る小惑星の一つである。発見されたのは1804年、その名は元を辿るとギリシア神話の女神ヘラだ。ゼウスの奥様であり、妻や母という存在を司る神様である。……と書いた時点でだいたい予想がつく人も多いだろう。あの浮気者の奥方という時点で気苦労が絶えない神様である。神話の解説本等には気が強すぎるとか嫉妬深いとか書かれてることがあるし、話を読んでもゼウスの浮気相手とその子供に対する行動はちょーっと行きすぎてるような……と思うことあるんだけど、でも正直、あれ五割以上はゼウスの所為じゃないかなって気がしてならない。

諸説あるうちの一説だけれど、ジューンブライドの花嫁は幸せになれるという言い伝えの元は、六月はヘラ様の守護する月だから、だそうだ。ヘラ様ご本人がめちゃくちゃに苦労しまくってるから、人間の花嫁さんもがんばってね的に力を貸してくれるってことだろうか。ヘラ様の結婚生活は夫が浮気者すぎて本当にたいへんなので、その、なんか、ヘラ様のご加護でつつがない結婚生活が送れるというよりは、「大丈夫よ離婚だけはしないから(※何も起こらないとは言ってない)」みたいな方向のご加護なんじゃ。

……というヘラ様の性質から考えると、占星術上でジュノーをどう読むかもほぼ想像できるだろう。ジュノーの象徴する要素とは、“妻であり母である女性の権利”だ。小惑星は場面限定の傾向がある、とは前の記事にも書いたけれど、ジュノーもまさにそうで、妻や母という立場の女性が、妻や母である己を主張するときに、どーん! と大きな役割を果たしてくれる小惑星である。

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