見出し画像

先生? 問題児? キロンのお話

キロンとは。

土星と天王星の間を回る天体の一つで、公転周期はだいたい51年くらい。発見された当初は小惑星の分類だったらしいのだけれど、あとから明るさの変化とか彗星核とかが観測されたため、今では小惑星であり彗星でもある、みたいな分類になっているらしい。そういう訳で、キロンは天文学上での小惑星です、ときっぱり言ってしまうのはちょっと違うのかなーという気はするのだけれど、占星術上では小惑星と扱われているので、この記事でもキロンは小惑星の一つとして話を進めようと思う。

占星術上での小惑星の重み付け、という一点を考えると、まず占星術で小惑星を扱うか否か、というところからして人によって結構違う。いつも必ず読むのは太陽から土星までの七天体だよという人もいれば、太陽から冥王星までの十天体だよという人もいるし、小惑星も入れるけど他の小惑星の方が大事だよねとか、むしろ十天体はそこそこにしておいて小惑星を山ほど突っ込むよ、という人もいる。いろいろだ。

なので先に私のスタンスを書いておくと、どの出生図でも必ず読む天体(と感受点)は太陽系の十天体+キロン+トゥルーリリス+ヘッドとテイル+時刻が分かればAsc/DscとMc/Icである。そう、十天体の次に入れるくらいにキロンを重めに読む方だ。何故ならこのキロンが示す要素は、これからの時代にかなり重要になってくるポイントだから……と、思っている。

キロンの解釈は本当にいろいろある。一番分かりやすいのは『傷と癒やし』というテーマだろうか。公転周期がだいたい51年なので、キロンはその世代に生まれた個々の人が、否応なく背負ってしまう痛みと傷の特徴なのだろうと思う。負った傷をどうするかで人生がだいぶ変わってくる、というのは、ある程度の年月を生きた人なら、何となく分かるだろう。負った傷と、傷をどう癒やすかというテーマを背負った星がキロンだ。

ここから先は

3,559字

¥ 200

期間限定 PayPay支払いすると抽選でお得に!

頂いた投げ銭は、全て生きる足しにします。ありがとうございます。