無題33

ぼくとサンタさん

思考はなまもの。

先々週、すごくつかれたと思いながらお風呂に入ってるときに、ぼくとサンタさんが私の頭のなかで会話をしていて、サンタさんに対するぼくのツッコミがなかなか的を得ているなと思ったんだけど、

全部わすれた。

noteに投稿しようと思って忘れないようにメモしたんだけど、「ぼくとサンタさん」としか書いてなくて肝心の内容を全部わすれた。

たしか、価値観の話をしてたと思う。


でも折角のクリスマスだからクリスマスらしい投稿をしようと思って、今の私の頭のなかで会話をさせてみた。


「ぼくとサンタさん」


ぼく(以下、ぼ)「ねえねえサンタさん」

サンタさん(以下、さ)「なに?」

ぼ「サンタさんのくせに無愛想な返し」

さ「サンタさんだって無愛想なやつもいれば性格が歪んでるやつだっているさ、なに?」

ぼ「サンタさんっているの?」

さ「ここにいますけど」

ぼ「きみ、ほんもののサンタさん?」

さ「...あのね、じゃあ、きみは?きみはほんものの誰なの?そもそもきみは何をもって『ほんもののサンタさん』とするんだい?こんな服着てクリスマスデイにプレゼントくれる人?トナカイにつないだそりに乗って移動しなきゃならない?サンタさんの定義は?」

ぼ「案外めんどくさい人だな。wikipediaによるとね...ん~...ながい。国によってちがうっぽい」

さ「あらゆる概念なんて作り上げられた幻想さ。きみ自身もそうだろう」

ぼ「ところできみは」

さ「『ぼくにプレゼントをくれるかい?』と聞きたいのかい」

ぼ「どうしてそれを」

さ「みんなそんなもんさ。結局のところ肝心なのはサンタさんが実在するかどうかよりもプレゼントがもらえるかもらえないか。プレゼントの有無よりもサンタさんの有無について知りたい者がいるとしたら、その人はきっと熱心なサンタクロース教徒さ」

ぼ「サンタクロース教って実在するの?」

さ「今思いついた。サンタクロースジョークだよ。笑いたまえ。崇めたまえ」

ぼ「なにそれ。神になったつもり?」

さ「うるさいな」

ぼ「それでプレゼントは?」

さ「それが困ってるんだよ」

ぼ「どういうこと?」

さ「プレゼントってどういう子がもらえるか知ってるかい?」

ぼ「いい子」

さ「そうなんだよ」

ぼ「それで?」

さ「困るんだよ」

ぼ「なにが?」

さ「『いい子』ってなんだろう?」

ぼ「うーん。そりゃ、先生の言うこと聞いたりとか、ちゃんと勉強する子とか」

さ「先生の言うこと聞く子はいい子?じゃ、きみは先生が『人を殺せ』と言ったら人を殺す子がいい子だと思うのかい?勉強ってなんだい?学校で習うことが勉強?今じゃゲーマーだって金を稼げる。それなら毎日ゲームすることだって将来のための勉強だって言える」

ぼ「そんな大げさな」

さ「僕はさ、今までは先輩の手伝いとしてプレゼントを渡す仕事しかやってなかったんだけど、今年から独り立ちすることになったわけさ。それで部長に『いい子ってどういう基準で選んだらいいんですか?』って聞いたんだけど『あ~~全然全然。君の裁量でいいから』とか言うんだよ。いくら何でも適当だろ」

ぼ「大変だね。ていうかサンタさんってそういうシステムなんだ」

さ「『いい子』っていうのを辞書で調べたり、自分で考えてみたりしたんだけど、どうにも答えが出ない。考えてるうちに今日になっちゃった」

ぼ「クビ決定だね」

さ「そんな軽く言うなよ。真剣に考えた結果だよ」

ぼ「どっちでもいいよ。プレゼントは?」

さ「あと1週間待って」

ぼ「え?」

さ「考えたんだけど、まあ、結局、みんないい子でいいかなって。それで、ひとりひとりプレゼント考えてると時間がかかるし、直接渡しに行くと交通費もかかるから、来週までに親御さんの口座にお金振り込んでおくから。それ受け取って」

ぼ「お年玉じゃん。あれサンタさんのお金なの?」

さ「少なくともポチ袋代は賄える」

ぼ「ずいぶんケチだな」

さ「しかたないだろ。非営利なんだ。ゆるせ」

ぼ「その服買うほうが高くつかない?」

さ「これがうちの社の制服なんだよ。トレードマークともいう。これじゃないとただの不法侵入者じゃないか」

ぼ「着てても不法侵入に変わりはないけどね」

さ「仕事なんだよ。さ、もう帰るから。表にタクシーを待たせてる」

ぼ「タクシーで来たの?めちゃくちゃ金使ってるじゃん」

さ「このあと会社の打ち上げがあるんだよ。ソリで帰ったら飲酒運転になる」

ぼ「運転してるのトナカイだけどね」

さ「きみは口が達者だな。じゃ、来週もらうポチ袋、大切にしな」

ぼ「ねえねえ」

さ「なんだい?」

ぼ「どうしてぼくのところに来たの?」

さ「きみが『いい子にしていたのでプレゼントをください』と手紙を送ってきたからさ。いい子というのがどういう子か見たかったんだよ」

ぼ「ぼくはいい子だと思う?」

さ「さあ?」

ぼ「適当だな」

さ「いいかい?あらゆる概念は作り上げられた幻想なんだ。きみが自分をいい子だと思えばそれがいい子でいい」

ぼ「ふうん」

さ「じゃあまた来年」

ぼ「クビにならないといいね」

さ「クビになっても収入に変わりはないが、ニートという部類に属するのはいささか不本意だな」

ぼ「ニートだと思わなければニートじゃないんじゃない?」

さ「たしかに」

ぼ「考えすぎなところも、サンタさんのいいところだと思う。打ち上げ楽しんでね」

さ「そう言われたのは初めてかも。きみはゆっくり寝るんだ。はやく、ぐっすり、ねむれるというのは世の中の『いい子』という構成概念の要素のひとつ」

ぼ「きみのまわりくどい話のおかげでぐっすりねむれそう」

さ「性分なんだ。じゃあ、おやすみ」

ぼ「おやすみ」



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ながい。

帰ると言ってからなかなか会話が続いてしまうのはよくある。


当初思いついたのとはだいぶ路線がずれた。

というか、私はイブの夜に何を書いてるんだろう。

私も、ねる。いい子だから。


おやすみなさい。



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