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企業研究してみる #1

#企業研究 #業界研究

テンプレートとかやり方とか知らないけど、自分なりにやってみる。
24年4月5日なので、証券番号2445の企業を分析してみよう。
Google検索してもすぐに出るが。東証の検索システムを使ってみる。

証券番号2445は株式会社タカミヤという会社だ。
かつては2000番台は食品系の会社とか決まっていたが、今はあまり関係がないらしい。

では株式会社タカミヤを検索してみる。
同名の釣具の製造・販売をしている会社があるので注意しつつ、
タカミヤのホームページを探してみよう。

検索トップにヒットするのは、製品紹介ページっぽい。なので会社概要のページに入ることにする。

概要に上場取引所が東証プライムで証券番号2445とあるので、この会社で間違いない。

事業内容は仮設機材の開発、製造、販売及びレンタル・・・とある。
建築現場にある足場や機材の販売や製造をしている会社らしい。

IR情報をさぐりあてよう

次にIR情報を・・・といきたいところだが、その前に二つ確認をしておこう。事業年度と従業員数だ。
ほとんどの日本の会社は4月1日〜翌3月31日だが、全然違う場合もある。
この会社は4月1日〜翌3月31日となる。
従業員数は2023年12月時点で連結1,405人とある。この従業員数はあとで使う。

連結とはグループ会社全体でという意味だ。単体というのはグループ特定の会社一つという意味になる。

ではページ上部のメニューから「株主・投資家情報(IR)」に入っていく。この会社の場合、トップに「IRニュース」という項目がある。ここから「有報」というタグがついているPDFを開いてみる。

ちなみに有報とは有価証券報告書のことだ。似たような書類に「短信」「決算短信」というものがある。有報の方が細かいというもので、どっちもあるなら有報でいいだろう。

ここでさっき確認しておいた事業年度を思いだそう。この会社の事業年度は4月〜翌年3月だ。4月5日の今日時点で2023-2024年の事業年度は終わっている。だけどすぐに年間の数字は出てこない。2023-2024年の通期の数字が出てくるのは、6月ごろだろう。

というわけで、今のところ「2024年3月期第3四半期報告書」が最新の情報といえる。四半期とは年間を4等分した期間のことだ。
「2024年3月期第3四半期報告書」は4月〜12月末までの9ヶ月間の実績報告書のことだ。

有報を読み込む前にやること

有報を読み解く前にかならずやっているポイントを押さえておく。

ポイント1 「単位」

表の一番左の列の中に(百万円)とあるだろ。この行が示す単位のことだ。会社によっては表の右上にあったり、ぜんぜん意味不明なところにあったりする。
単位を押さえておくことは重要だ。
この会社の場合、55期の売上高に「30,686」と書かれている。これは「30,686,000,000」円という意味で、306億8,600万円ということだ。

上場に必要な売上は30億くらいと言われている。またトヨタ自動車とかソフトバンクとかになると、兆単位で話が進んだりする。つまり、上場企業のなかでも規模感は1,000倍くらい違うわけだ。外資が入ってくるともう1桁くらい話が違ってくることもある。

この会社では数百億といった規模感で話が進んでいくことを頭に入れておこう。

ポイント2 「会期」

見ている会期がずれてしまうと問題だ。今回の表だと「回次」のところに、「第55期」「第56期」「第55期」と並んでいる。
今回は最新の「第56期」の部分がメインになっていて、他は比較対象だ。
見たい期間が間に挟まれていることはけっこう多い。注意が必要だ。

今回は56期2023年の話をしていることを頭に入れておこう。

ポイント3 「期間」

期間はつい忘れてしまうことがある。これは社会人になっても、起ることだ。
「さきほどまで、四半期の話をされていましたが、いま通期の話になっていませんか!!??」みたいに怒られる光景はよく見かける。

今回の場合、4月〜12月までの9ヶ月間の数字を追いかけている。
面接なんかで「56期の売上は321億であったと記憶しております・・・・」などと間違った数字を口にしないことだ。
今回の表では12月末時点で約321億で、また3ヶ月も残っている。残りの期間も順調に売上を伸ばしていけば、430億弱くらいにはなるはずだ。100億も違う数字を言われたら、「何を調べてんだ、こいつは?」となりかねない。

また「第3四半期までの話」をしているのか、「第3四半期だけの話」をしているのかも重要だ。「までの話」なら、4月から12月までの9ヶ月間の話だ。「だけの話」なら10月〜12月までの3ヶ月の話となる。

今回は累計なので、「までの話」だ。つまり9ヶ月間の実績ということになる。

ポイントのまとめ

株式会社タカミヤの企業分析をするにあたってのポイントは以下になる。

・100億円単位の規模感
・第56期(2023年シリーズ)をメイン
・第3四半期までの9ヶ月間

このポイントは常に頭に入れておこう。

面接で使えそうなところだけ分析していこう

成長率

成長している企業かどうかをしらべよう。
この会社の場合、55期3Qの売上高(累計)が約306億。
56期3Qの売上高(累計)で約321億だ。15億円ほど増えている。
経常利益も8億も増えている。

ただ必ず経常利益率でも見ておこう。経常利益を売上高で割ればいい。
56期は7.8%、55期よりも2.2%も増えている。他の指標も増えているから、堅調に増収増益になっていると考えられる。

たとえば業界的に経常利益率は5.5%くらいが普通だとする(よく知らないが)。この会社はずっとよい利益をあげているわけだ。

「業界では経常利益率5.5%くらいが普通なのに、御社はなぜ7%以上もの利益をあげられているのでしょうか?」

という質問はどうだろう。「生意気だ!?」と思われだろうか。
ちなみに面接官がその理由を把握していない可能性はある。だとしても「追って理由を連絡します」と言ってくれて、実際に連絡をくれるような会社なら誠実だ。

成長率のトラップ

あと1〜2年は成長率の分析は慎重に行わなければならない。
コロナがあったからだ。
この会社の場合、55期→56期で売上高が約5%成長している。だからこの数字だけを切り取って、

「御社はこれまで堅調に売上を伸ばしてきたと思いますが・・・」

などと口をすべらせないことだ。

今、数字が伸びているのは、コロナからのダメージを回復しつつあるだけという可能性がある。つまり成長しているのではなく、マイナスが0に戻りつつある途中であるだけなのかもしれない。

この会社の場合、同じIR 情報のページの中に「ヒストリカルデータ」と呼ばれる資料がある。

これによると2020年(2019年4月-2020年3月)の売上高は460億となっている。ところが2021年は388億、2022年は398億となっている。コロナがヒットした時期だろう。2023年に418億まで回復し、2024年は430億くらいになるかもしれないというところに来ているわけだ。

つまり2019年の460億には届いていないのだ。コロナがなかったら、今頃500億に到達していたかもしれないと思うと、「堅調に売上を伸ばしてきた」という表現がどれだけ不適切かわかるだろう。まだダメージを回復しきっていないのだ。

企業分析をするときは、しばらくコロナの影響を加味しよう。コロナ前後では世界が全く違うのだ。

長くなってきたんで、次回に持ち越し


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