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BPL-SEASON3-beatmaniaIIDX決勝前日

「光陰矢の如し」
5月 桜の花びらが川を流れ「もうすぐホタルが見られるな」と
目を閉じ馳せていたら、いつの間にか秋の虫たちの合唱が…

この夏を気温以上に熱く盛り上げてくれたBPLS3ーbeatmaniaIIDXーが明日、
東京・品川で集大成を迎える。
【BEMANI PRO LEAGUE】

選手たちの成長
極限の戦い。
1ノーツが分けた悔しさと、喜び…
自分の限界を知った者。
過去と向き合って未来を見出した者。
本当に大切なものに気づいた者。

そして

彼らを支えた人たちの真心。

今日は、選手たちを陰で支えるSTAFFたちの
「画面に映らない真心」をご紹介します。

私の仕事場(実況席)は、選手が戦うステージ、ウェイティングスペース、客席、カメラの順番では最奥、全てを見渡すことのできる一番後方に用意されています。

この場所からは、
出番を待つ選手の表情はもちろん、
彼らを見守り、鼓舞する「チームスタッフ」、
さらにステージ進行に最大限の配慮を見せる「運営スタッフ」の
動きがよく見えるのです。

私が実況で見ているのは、選手の動きやゲーム画面が半分。
もう半分は「会場全体の動き」ということになります。

例えば、点数に何も動きがない場面でスタッフが口元を隠してインカムで話し始めれば、トラブルを予想し展開をイメージしなくてはなりませんし、チームスタッフの目線の先に映る情景を慮ることもあります。

なかでも私が釘付けになったのは、すでにレギュラーステージで
敗退が決まってしまったあるチームスタッフの表情でした。

選手をステージに送り出す際に「最高の笑顔で送り出してあげたい!」
そんな気持ちがあったのか、もしかしたらスタッフ同士で事前にそんな会話があったのか…

カメラがチームを映し出すとき、
少しぎこちない。
けど、真一文字に結ばれた唇を、息が滑り込む程度には開けている…

カメラが離れたとたん
無理やり開けていたのだろう口が、すぐに閉じてしまう。

選手が振り向けば、口角を上げ、
前を向けば閉じる。


何度も、何度も繰り返す。


見ている私の心臓もグニュっと締め付けられて息ができない。

チームオーナーとして、サポートメンバーとして、仲間として、
もしかしたら我が子として
選手を送り出す気持ちなのでしょうか…

こんなとき、私は「結果がすべて」という言葉に
敏感に反応してしまいます。

その「過程がすべて」だと思う。

もしも暗い洞窟にひとりで閉じ込められたら…
なにもすることが無く、半生の想い出を振り返るとき。

なるべく多くの想い出でココロを満たしたい。
暗闇を照らす素敵な想い出。

トロフィーやメダルで自分語りをしても2分が限界。

やっぱり、自分を取り巻く多くのひとたちの物語が
大半を占める気がしてならない。

だから「過程」を大事にしたい。

選手がもしも暗闇に投げ出されたとしても、
きっと希望の光をこの過程で感じることができるんだろうなぁと。

選手を温かく、時に厳しく支えるチームSTAFFの真心を感じた時間でした。


そして「運営スタッフ」
BPLZEROから…
いや、企画の段階だからもっともっと前から

誰一人止まることなく、
時にはプライベートを犠牲にして
風を送り続けている。

イベントは
「誰かが風を起こし」
「周りがその風で波を作り」
「選手や観客がその波に乗る」
ことで、ムーブメントになる、そう思っている。

何もないところに企画という山を作り海を作り、
選手や観客が居心地の良い「大気の流れ」を生んでいく。

仕事だからといえば、そうなのだろうけど

決して簡単なものじゃない。

「大好きな」が語頭につかなければ、
手を抜き、滞り、居心地の悪い空間になってしまう。

そういう意味では、コロナ禍に立ち上がったこの企画は「大好きな」に含まれる「観客の声や表情」が見えない、苦しい船出だったと思う。

そんな時、コロナ禍が明けて初めての「有観客イベント時」

「お客さんの笑顔見れて良かったねぇ」って何気ない会話のなか

「もうね!コレがやりたかったんすよー!!ずっとぉぉ!!!」と、
瞳に魚でも住まわせるつもりなのか…
つぶらな瞳一杯に、かわいいかわいい「お池」を作っていた室長と、

「俺がツイテルダロ」と、いつも以上にハイテンションで声を上ずらせる常務執行役員。

右に左に満面の笑みでMJのスリラーダンスを彷彿させる動きで駆け回る女性。

それに惑わされないよう、抜けそうな穴を必死で埋めていくスコップ男子。

他にもたくさんの汗と息吹で「風」を生み出している、そう思った時間。

「私もこの過程を大事にしたい」



明日はBPLS3ーbeatmaniaIIDXーのファイナル。

選手を陰で支える多くのスタッフたちの顔が垣間見られる機会。

恐らく、イベントを成功に導くためにスタッフは
「#&%)’&(とんでもない!?)表情」をしていると思いますが…

できれば、彼ら彼女らからも「あたたかい風」を感じて頂ければ幸いです。

選手たちが最高のパフォーマンスで望めますように。

関わって頂いた皆様・お客様の最高の想い出になりますように…

私も素敵な空間を実況させていただきます。

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