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青の時代pt.3(1987.8~12)

Blue Period (5)
1987年

8月31日
26~30日まで、劇団「女・友」の芝居を手伝う。
場所は、新宿ゴールデン街、遊歩道にある"SPACE DEN"
O女史演出、音楽担当はSR氏、TAさんがギターを弾いたそうである。

初日搬入、それぞれの仕事をみなテキパキとこなしてる中、僕は何をしたらいいのか、とりあえずは音響機材を運ぶ。
サイケなペイントを施された小劇場は、場所もそうであるが、僕のまったく知らないアングラな世界の忘れ物のように、ひょっこりと遊歩道にある、キャパ100人程度の小屋。
ライトのセッティングやら、舞台セットやら、暗幕を吊ってる人や、ステージを走り回る人、客席から右手に取り付けるという巻貝のオブジェをペイントしてる人もいる。
何か手伝わなければとウロウロするが、芝居の事など何もわからないし、それどころかどんな舞台になるのかさえ知らない。
教えてくれなきゃ動けない、という見事なガキっぷりを演じてしまった。
SR氏に「とにかく見てないで、何か手伝って」と声を掛けられ、舞台上の高台を強固にするため、添え木や釘を、トントンとし、L字でネジで留め、頑丈にしていく。
一緒に作業した役者の人がとてもかわいくて、意識しながらも、そんな素振りをみせないように、黙々と仕事した。
女だけの劇団、美人など一人もいないけれど、一生懸命に打ち込んでいるのが素敵で、魅力的だ。

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