【映画観覧記】『ジョン・ウィック』1~3
『ジョン・ウィック:パラベラム』(John Wick:Chapter 3 - Parabellum)2019
監督:チャド・スタエルスキ
出演:キアヌ・リーヴス、ハル・ベリー、ローレンス・フィッシュバーン、マーク・ダカスコス、ヤヤン・ルヒアン
いやぁ恐れ入りました。
持論として、シリーズ化するならば前作を超えていなければそれは駄作という指針をもって観てます。
なかなかそういかない場合が多く、前作が売れたから次作もやってしまうという暴挙も散見いたします。
「ダイハード」、近年ならば「マッドマックス怒りの~」はその成功例と言えるでしょう。
「サルでも描けるまんが教室」でも指摘される"強い奴のインフレ"をどう処理していくのか。
そこはそれ強ければいいってもんでもないし、あらゆる手段を用いて無敵さを構築していくしかないのです。
さてこのシリーズ、1作目「ジョン・ウィック」が強烈だった。
話は単純明快、犬と車の復讐を遂げる元殺し屋、目新かったのが"コンチネンタル・ホテル"というその筋専用のホテル、
武器調達から死体処理、怪我の治療まですべてをこなしてくれる組織の存在。
こういった発想はなかった。
いわゆる殺し屋をサポートしてくれるサービスの提供。
そこにはややこしいルールがたくさん存在するが、そこがブレーキになり映画を面白くする。
また、圧倒的な強さを誇る主人公、ジョン・ウィックの殺し方がハンパなくエグい。
次から次へと敵を片付けていく様は、見ている者を恍惚へと誘う、
2作目「ジョン・ウィック:チャプター2」
前作で引退を撤回したツケが回ってきて、いろんな筋から依頼が舞い込んで右往左往の図。
彼の過去と絡めながら、なぜアンタはこんなに強いんや!という理由や、背後の組織との兼ね合い、
うまく立ち回ろうと、動けば動くほどからまり、いよいよ万事休す。
そして本編3作目「ジョン・ウィック:パラベラム」
前作のつづきからしっかり始まる。
掟を破ったウィックは追われる身、賞金首かけられ刺客がぞくぞくやってくる。
とにかくもう息つけない、電球に集まってくる虫みたいに敵が襲いかかってくる、
この圧倒的なスピード感、エゲつない殺し合い、敵の種類もどんどん変わっていくので、画面に追いついていくのがやっとという具合だ。
何も考えられない、移動して殺し移動、殺し合い、また移動、落ち着く暇なし。
そんな映画です。
強敵に、寿司屋を営む日本人設定、これはサニー千葉へのレクイエムか!?
「マトリックス」からの盟友モーフィアスにもこちらで逢えます。
嬉しかったのが、その強敵の弟子にヤヤン・ルヒアンさん。
イコ・ウワイス主演「ザ・レイド(2011)」のマッド・ドッグ役。
シラット、マーシャルアーツの使い手、格闘インストラクターでもある彼の凄まじい技が見られる。
相変わらず礼儀正しく、獰猛に、襲い掛かる様が素敵です。
もう難しいことは考えたくない、すべてを委ねたい、
そんな時に最適な映画。(暴力・殺戮シーンが苦手でなければ)
キアヌ・リーヴス、まだまだやれる。
ジョン・ウィックなのか、トーマス・アンダーソンなのか、
いやこれはジョン・ウィックできまりでしょう。
続編「チャプター4」2023年に公開予定!