【映画観覧記】『フェイク・クライム(Henry's Crime)』(2011)
『フェイク・クライム(Henry's Crime)』(2011)
監督: マルコム・ヴェンヴィル
出演: キアヌ・リーブス、ヴェラ・ファーミガ、ジェームズ・カーン
80年代か、ていうくらい何か懐かしさを伴う作品。
主人公のキアヌさん、そのすっとぼけた演技は「マトリックス」や「ジョン・ウィック」ではなかなか出てこない引き出し。
もたもた生きてるから、あれよこれよといううちにドツボにハマっていく。
あまりにも可哀想なので笑っちゃうしかないわけで、
流される人生は苦痛を伴い、沸点を越すと溢れ出す。
敢えてマイナスのカードを集めて一発逆転か!?
相手役のヴェラ・ファーミガさん、少し年増だけど、
つっけんどんな仕草がいい。
ここでチェーホフ「桜の園」の劇中劇、
それもまた古典的でいい。
仲間のおじいちゃんは、名優ジェームズ・カーン、
「ゴッドファーザー」ソニー兄さん、
すっかり老け役だけど流石パンチは鋭いゼ。
僕は俄然推します!
なにかニヤニヤしてしまう佳作。
ハリウッドな大作もいいけれど、こういった小粒でも光る作品にも出て欲しいナ。
キアヌ・リーブスは好きな俳優です。
邦題は時に視聴者を混乱させます。
「フェイク・クライム」だと、あまりにも犯罪に重きをおいてしまっていて
やはり原題のままでいいような気がします。
キアヌ扮するヘンリーのすっとぼけた犯罪(誰も死にません)
それくらいが丁度いい。
お暇な時にでもいかがでしょう?