見出し画像

【鉄日】23/11/07. デスシャドウ号と秋キャンプ。

例えば、自由を満喫しています、と云ってみますが、当然のことながら、
そんなワケないのであります。
きっと人が完全に自由になれるのは、死が訪れこの世界から解放された時なんだろう。
どうしたって生きていくためには、絶えず様々な軋轢やしがらみが供給され、
この世界に関与していく限りそれに付き合って、要領よく太刀振る舞うことを要求される。
ひとつのものから逃れ自由になったとしても、それはカリソメでありマヤカシに過ぎない。
そう言い切ってしまうとなんだか切なく、この世は夢現で、何をやっても藁をも掴む感じで、
そうして虚しいのかも知れない。
束縛されているからこそ、自由を感じられるのです。

デスシャドウ号とキャンプ

そんな他愛もない前置きを差し置いて、今月初めに一年ぶりのソロキャンプへ行ってきました。
向った先は前回と同じく、
麻那姫湖にあるキャンプ場▶︎ http://manahimeko.ono-city.com/
ゲート入場料1000円 + 一泊600円(入場料が倍に値段改定したが、でも安い!)
もうここは5回くらい来てるので常連だ。
平日だったので誰もいない、貸切だ!(夜に1人来たようだが)
お昼過ぎには到着したので、まずは駆けつけ一杯、ビールでCheers!
ゆっくり荷を降ろそう。
いつもは手こずるテントも早いとこ設置、食材は極限までシンプルに、つまり料理なんかしない、家の部屋にいる時と変わらない、お酒のアテがあればいいんです。
でも気分がアガってるのかつい買い過ぎてしまった。
ワイン、バケット、チーズ、生ハム、後はお湯入れたらなんちゃらなインスタントで。


逆さ紅葉

さぁどうしよう、困ったぞ、無限大に時間があるような気になってきて、
缶ビール片手に広い敷地を散歩してみる。ついでに小枝を集めてこよう。
明るい時間は暖かい、ここ数日季節外れの夏日が続いてるんだから。
川原で呆け、川に映る紅葉に時間を忘れ、どうせ誰もいないんだからと雄叫び。


なにかが見えた!

こうして夕刻には定位置をキープし焚き火、毎度のコトながら燃え朽ちていく薪を見てると飽きない。
炎はメラメラ、ワラワラ、モヤモヤ、イソイソ姿を変え、急にブワっと燃え盛って驚かせる。
携帯に入ってる音楽シャッフルしてDJ、炎と星空が偶然のVJ、血中を駆け巡るアルコール、血湧き肉躍る!
野外活動は、とても室内では叶えられないスリリングな冒険を見せてくれる。
用を足しにその場を離れるだけで大冒険だもんな、
懐中電灯で照らし真っ暗な木々を抜けてさ。

夜はやはり寒かった。
これもいつも対策を怠ってしまうが、テント内を暖める方法を見つけなければ。
寝袋にくるまっても足先から冷たさが這い上がってきて凍えてしまうよ。
深夜にたまらず車の中にあるメキシカンラグ取ってきて、ぐるぐるミイラみたいに巻き付けて寝た。

早朝はボロボロ、寒さで冷え切った身体に珈琲をがんがん摂取し、焚き火で暖をとる。
お昼前までにゆっくり片付けて、温泉に立ち寄っていこう。
と、そんな11月キャンプでしたが、前ならあれもこれもと用意して大荷物になってしまうところが今回は最低限で、というか忘れ物が多かった。
(焚き火台の土台は持ってきたけど網無かったり、珈琲豆も忘れたので途中コンビニで簡易ドリップ買ったり)
それでもいつも野外活動は忘れてしまったことを思い出させてくれる。
自分自身にとっての取捨選択を迫られるんだ。
それもまたすぐ忘れちゃうから思い出すために出掛けるのがこの活動の肝。
時々バカなんぢゃないかと思う、山登りとか外で寝るだとか、
考えてみれば何を好んで不自由な環境に身を置くのかという疑問、
でもね、そうしないと普段の安住さを通常な暮らしだと勘違いしてしまう、
そいつが厭なのだ。
不自由さを体感して、その"不"を打ち消して自由になる野外活動なのです。
今季はもう行けないかしら。