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ショーケン・ドラマ「花冷え」のこと。

読売テレビ 2時間ドラマ『花冷え』(1981)

原作: 瀬戸内寂聴 / 脚本: 宮内婦貴子
出演: 岩下志麻、萩原健一、中尾彬、神保美喜 ほか

このドラマも初視聴、数ヶ月前に観たのでやや記憶が薄れつつも、
甘えん坊でダメダメ男をショーケンは演じます。
甘えん坊役といえば、岸惠子主演「約束(1972)」ですよね。
ショーケンを俳優へ目覚めさせたこの映画、
当初は代役であったのに大女優を前に堂々たる演技、
まさに萌芽を見せた切ない話でした。
こちらのドラマもショーケンの甘え上手な面が余すコトなく見られます。
あゝ非道いオトコ、岩下志麻も困惑しながら、どうしても離れられない彼との蜜月を続けていくのです。

原作は寂聴さん、つまりこの作品は彼女自身のお話でもある。
人気作家として自立した道を歩む寂聴さんの、切っても切れないオトコ関係のお話。
出家して尼さんとなりましたが、この頃はイケイケ、W不倫もお手のものです。
ご存じの通り、この作品を切っ掛けにふたりの長い縁は続きます。
あの事件で頼ったのも、そんな縁があってこそだったのですね。
瀬戸内寂聴は、不良が大好きなのです。

先日、中尾彬さんが81歳で亡くなりました。
彼は妻子が居つつも、岩下志麻の住居で不倫関係を続けるズルい男を演じます。
物分かりが良過ぎて、物腰も柔らかく、記念日には実家(女房の元)へ戻る律儀な人。
あゝこちらも厭だ、いやどちらかと言えばショーケンを選択するな、尖ってて何するかわからない危険さを取るよ、
不倫を正当化して二重生活を送ってる小狡さが、やっぱ気持ち悪いからさ。
中尾彬さん、その生ぬるさが、とてもヌルヌルしていて気持ち悪い。
口の周りに糸ひくような粘り気、それを感じさせる粘着質演技。
一番印象深いのは伊丹十三監督「ミンボーの女(1992)」です。
民事介入暴力を描くこの映画で、やんわり最初に切り込んでくるヤクザ役はフルってた。
この人にしかできない気持ち悪さだろう。
まぁその後にやってくる伊東四朗には負けてしまうとこが、彼の限界なのだろうか。
ご冥福をお祈りいたします。

ネット拾いもの

また抜け落ちたピースを拾えました。
有難う。

余談: 小声でお知らせしますが、youtubeで沖直次郎さんがいらっしゃいます。
ショーケン抜け落ちた欠片をアップなさっていて、もう感謝しかありません。
あまり目立ってしまうと削除される危険もあるので、あくまで小声で、謝意を述べさせてもらいます。


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