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【鉄面皮日記】22/11/13. 笑福亭味覚の憂鬱。

いよいよ本日で長きに渡った自宅軟禁生活を終える。
一家全滅でした。
ビールがスルスルと喉を通っていく、喉越しなんてもんじゃあない、何の余韻も残さず通っていくのみ。
何杯でもいけるぞ、なにせ喉を通り過ぎる時に感じる炭酸がピリピリするだけなんだから。
味覚障害、これが後遺症であった。
コロナ本編が呆気なく過ぎ去った後の長いエンドロール、ずっと客席から立てないヤツだ。
味がしない、食感のみ、酸いも甘いも塩っぱさも何も感じない。
嗅覚も死んでいて何の匂いも感じられない。
味覚と聴覚は消失し、残る視覚でその食材の履歴を喚起し、どうやらそれを口に入れているコトを理解する。
珈琲はただの黒い液体であり、ワインは生ぬるく水に溶かした絵の具のようだ。
これは非常に危険である。
どれだけアルコール高濃度の液体を飲もうが、塩分過多の料理を摂ろうが、ましてや腐っていようが爛れていようが、
舌のレーダーがトンチンカンなので、何も分からずに摂取してしまう。
自棄になり、味のしないバドワイザーを胃袋に落としてやる。
昨日の夜はそうやってビールとワインを投下してたら、許容量が分からなくなって身体は酩酊、非常に危険である。
味がしないのだから一番安価の下等酒でいいわけで、メチルアルコールでも摂っておけ、云々。
煙草も当然美味しいわけなく、風味もなにも無いんだから不健康な煙でしかない。

Watch out now!
Beware of darkness.
非常に危険だ。
僕の中のなにかしらが消えてしまったために、均衡を失いそうだ。
しかし為す術もなく、この闇をやり過ごすしかない。
味と匂いが欲しい。