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【鉄面皮日記】22/12/03. 一切合財世も末だ。


12月になって気温が一変、とうとう冬到来、ストーブを出しました。
そして初めてのスノータイヤ交換。
スバル軽トラ(愛称アルカディア号)備え付けのジャッキでエンヤトット、
恥ずかしながら初めてやるのであります。
今まではガススタでお金を支払って済ましていたけれど、軽トラなんだし軽いだろ、そんな軽い気持ちで、天気も良かったしエンヤトット。
何事も初体験は刺激ックスで、固いナットとの格闘(レンチを足踏みして外せた)に一時間を費やしたが、2本目以降は直ぐに慣れ30分で工程終了。
そうなのです。
同じ人間ができる作業を、やれないワケがないのです。
なんなら外科手術だって出来ちゃうのです。
"ブラックジャック"を読んでるので、大まかなら知っています。
人間の身体の内部を知ってさえいれば、切開する勇気さえあればできるんじゃないか、と。
勇気がないからやらないけど、あらゆるコトに免許など要らないか、と。
そんなお墨付きを国家から頂いても、無免許医のBJの方が凄いんだから。
(元々持っていた医師免許は取られちゃったんだけどね)
そうです。
知ってしまえば、できないコトなどひとつもないのです。
知るコトを隠し秘伝にしたり、免許皆伝にしたり、奥義をフリーにしないで独占し、それでお金儲けをするようなコトしか考えない尻の穴の小さな連中の所業です。
企業だって、政治だって、宗教団体だって、開示しないだけでたいしたコトしてない。
知らないけれど、でもねたぶんきっと。

ネット検索は近代の利便性を、存分に味あわせてくれる。
なんだって分からないコトなどないかのように。
もちろん偏りもあるし、検索しても明かされない奥義もあるだろうが、それでもこれだけ手軽になってしまうと拍子抜けしてしまうくらいだ。
いいことなんだかどうだか、だからさそのうち脳に埋め込まれた自動検索機能で、読んでもいない書籍の引用をすらりと発して、相手も同じ機能でさらりと返答して、会話が成立しちゃうような薄っぺらな日常がやってくるのかも知れない。
"攻殻機動隊"の世界だな、それは。
だからそこで怖いのは、オリジナルがなくコピーだけが蔓延する、雰囲気だけのコミュニケーションだろう。
誰も本物を知らない、けれど情報の速度だけ早くて、判別する猶予もなく翻弄される人間、それを捕捉してくれるA.I.
なかなかのディストピアね。

仕事は僕を順調に縛りつけてくれる。
特にこのような労働に従事していると、働いだ分の賃金を得て、消費するだけの生活に埋没していく。
考えるコトは、スケジュールをこなし円滑に(失敗のないよう)回していけばいいだけだ。
新しい提案もなければ、飛び越えるほどの自由度もゆとりもなく、言うなれば忍従を強いられるのみ。
でもそれでいいような気もしている。"家畜農場"ではないが。
散々文句を云っていた事柄も、キャラクターとなり確立されてしまえば、もうそんなキャラなんだからしょーがねぇなぁー、といった塩梅に許容されてしまう性質だから、馴れは恐ろしいものだ。

そして最初に戻り、初体験は刺激ックス!
酸いも甘いも噛み分け、振り出しに戻る。
あの初回の苦味、気持ち良さ、居心地悪さ、殺意にも似た復讐心、知らないという恐怖、親切にされたこと、
一切合切が時間の経過と共に慣れ親しみ従順となっていく。
金さえ貰えりゃあいいんだ、とばかりに。

今日の一曲。肝に銘じよ。
「友川かずき - 一切合財世も末だ」