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教育なんて失敗しないとわからない 〜教員免許更新制度、廃止について〜

これ、日本の教育界において重要な意味を持つ決断だったと思います。 

●教員免許取得は長い道のり
教員免許を取得した人はご存知だと思いますが、教員免許を取るのは大変です。教育実習や介護実習、教職に関わる単位に加えて、教職課程が卒業単位に含まれない大学であれば、追加で40-50単位⁉️くらい取らないといけません。

私の大学は卒業単位に認定されなかなったので、通常の授業に加えて教職に関わるクラスを毎週4,5クラス履修していました。もちろん私は、教員になりたくてそうしていたわけですが、それでも精神的に苦しかったです。さらに、私の通っていた大学では小学校教員の免許が取れなかったので、卒業してから他大学に通い、必要単位を取得しました。

これは私だけが珍しいわけではなく、多くの教師が共通して、このような思いをされて教員免許を取得されていると思います。教員免許取得、難易度は高くありませんが、時間が掛かるし、楽に取得できる方法はないのです。

●力での抑え込みができなくなった今、、、
こういった大変な思いをして取得した免許です。それを10年の更新を受けなかったからといって、失効は困るって思っていました。しかし、この制度を作った理由もよくわかります。近年、教員の資質の低下が顕著となり、様々な不祥事も発覚したり、力での抑え込み(体罰)が出来ない今、教育者としての確かなスキルや能力がより必要となります。そのような時代に合わせた教員を確保するためにも、教員免許更新は一つの案として必要だったのでしょう。

●教員免許更新制度に思うような効果が見られなかった
しかし、いざ更新制度が始まってみると様々な問題が出てきました。自費である、業務が忙しくて時間が取れないなどです。そして教員の資質確保のための効果はほとんどなかったのではないでしょうか。。その結果が今回の更新制廃止に繋がったのでしょう。

●免許更新制度廃止は”素晴らしい決断”
さて、前置きがかなり長くなってしまいましたが、私がまず第一に、このニュースで感じたことは”素晴らしい決断”だったと言うことです。なぜなら、公的機関がこのような二転三転するような決断をすれば、世間や当人たちからはものすごい文句を言われることは避けられません。しかし、教育の世界というのは、”答え”がなく、時に合わせて柔軟に変化させる力も必要だし、時に関わらず備えるべき能力が必要で、そう言った抽象的、不明瞭なものを武器に日々生徒に接しているのです。人間を相手にするということはそういうことなのです。こういった理由により、我々は失敗を冒すのは当たり前ですし、その失敗も実は成功だったかもしれない。そんなよくわからない世界で働いているのです。唯一明確なのは二点、教育はお金では差し測れないことと、命や安全は最優先されることでしょうか。

●教員も文科省を最善を尽くすべき
教員という職業が、そういう性質を持っているわけなので、文科省が決めるやり方も、失敗が許されても良いと思うのです。大切なのは最善を尽くす努力です。だから、今回の教員免許更新制度を廃止することに際し、様々なところから「無責任」「更新をするために支払った授業料を返せ」など、文句が噴出するのは当然です。しかし、最も大切な「生徒のため、より良い教育のため」という点においては、現状における最善を尽くしたのだと思います。

失敗ではなくチャレンジ 成功も失敗 現状維持は衰退
我々教員が失敗や成功を繰り返し、成長していくように行政も同じように色々とチャレンジしてみれば良いのです。過去、ルール、名誉、リスクに囚われ、現状維持を選択すれば間違いなく衰退していきます。現状維持は維持ではなく衰退なのです。こう言ったことを国民全員が理解し、一時的にでも許容してあげられる余裕がないと、日本の教育は成長していきません。それは結局は自分達の子供に関わってくることです。様々な教育についての意見を述べる前に、これらの本質を理解すること、理解させることから始めていく必要があるのではないでしょうか。教育の本質を植え付けるのです。    




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