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#25 ベスト・バイ2022

1.はじめに

 気づけば年も明け、2023年1月も半分以上が過ぎてしまったがやっとこさ重い腰を上げて2022年のベスト・バイ・アイテムを紹介させていただきたい。昨年筆者・吉本伊吹はアメリカ旅行だのと「モノ消費」よりもはるかに大きい「コト消費」をしてしまったわけだが、何も他のものを買っていないというわけではないのでその中でベスト5を上げようと思う。

第5位:COOL GREASE SUPERIORE STANDARD

¥2,200

 グリース(水性ポマード)の最もよく知られたブランドであるクールグリースの上位モデルであるSUPERIOREシリーズの無香料のもの。私は昨年の途中までGATSBYのヘアジャムを使用してきたが、トラッドファッションへの傾倒と共にヘアセットもポマードのようなクラシカルなものを使用したいと考え、香水の匂いに影響を与えない無香料モデルである点に惹かれて購入した。使用感、ホールド力ともにハイクオリティにも拘らず220gで¥2,200という驚異のコストパフォーマンスであることを理由に第5位に見事ランクイン。

第4位:コーデュロイジャケット/BEAMS PLUS

¥46,200

 有楽町と原宿に2店舗を構えるBEAMS PLUSのコーデュロイジャケットは今季FWに購入したアイテムの中でも使用頻度が高く、大変気に入っているため第4位にランクイン。アメリカンな3パッチポケットとフックベント、ボックスシルエットはアメリカントラッドの雰囲気を漂わせ、そのディティールとブラウンの色味、コーデュロイの生地感も合わさって、ジャケットでありながらカジュアルに着ることができる。デニムにもチノパンにも少しかちっとしたスラックスにも合う万能選手でありこれからも長く着ていくであろう1着。

第3位:Winston/Joseph Cheaney and Sons

¥58,300(西武渋谷店セールにて)

 詳しくはnote内でアイテム単独の記事があるためそちらを参照いただきたい。イギリスの由緒正しいブランドでありながら、昔からアメリカへの輸出も行っていたようで、1970年代にアメリカ向け製品で使用されていた木型で作られているアイテムのためジーンズなどにも相性が良く、私のスタイルにもジャストフィット。セミ・ブローグと呼ばれる穴飾りの仕様は、フォーマルになりすぎず、しかし上品さも兼ね備えているというバランス感覚に優れた製品と言えるだろう。使用されている皮革も大変上質であり、そのしなやかさ、キメの細かさは一級品の証である。

第2位:グレート・ギャツビー(スコット・フィッツジェラルド作/村上春樹訳)/中央公論新社

¥1,100

 スコット・フィッツジェラルドによる最大の名作、「グレート・ギャツビー」。その村上春樹による訳書である。私のあこがれる古き良きアメリカの世界を見事に描いた小説であり、また私のこよなく愛する村上春樹の手による訳もその世界観によく合うものである。村上春樹自身が影響を受けたと公言し、「ノルウェイの森」などの著作にも登場する本作は、「狂乱の20年代」のニューヨークの猥雑な人間模様をクールなタッチで描いており、その独特な冷めたような雰囲気は村上春樹が大いに影響を受けたと言われれば納得できるものだ。

第1位:ダブルブレスト・ブレザー/J.Press

¥72,600

 栄えある第1位はJ.Pressのダブルブレスト・ブレザー。アメリカントラッドの雰囲気を醸し出す4ボタンのダブルブレスト自体が今の時代なかなか見つからない中、J.Pressという歴史あるブランドがそのような製品を作っていることに最大限の賛辞を贈りたい。柔らかいサキソニーの生地に高級感のあるWaterbury社製のメタルボタン、ダーツのない緩やかなシルエットに芯地の薄いナチュラルショルダーは完璧と言って問題ないだろう。問題はその価格だが、¥72,600と少々お高め。しかし私のようなトラッド愛好家からしてみればトレンドに乗った一過性のブランドものの値段に比べれば長く着用できるこのような製品にそのような値段が付くのは当然である。

2023年版もお楽しみに!

筆者:吉本伊吹

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