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そこに“いる”幸せ。a.k.a 推しカプの攻めちゃんに受けちゃんの概念を作ってもらった記録。


※注意※
漫画「魔王JUVENILE REMIX」のネタバレを多分に含みます。

前回に引き続きマイナー作品に狂った腐女子が発狂しているだけの記事です。相変わらずの頭おかしい及び腐った発言しかございません。まともな記事ではありませんのでご容赦ください。公式様本当に申し訳ございませんでした。


おれ「そうだ。東京に行こう」


(頭の中で流れ出す♪くっ◯ばれ讀賣♪くっ◯ばれ讀賣♪)

そう思い至ったのは真夏の盛り。残り有給日数の消化先を考えた時に、真っ先に思いついたのは花の都、東京への突発的一人旅でした。もちろんかのトンチキ弾丸列車ブレットトレインのせいで、新幹線での旅しか眼中に無く。気づけば旅行サイトで宿と新幹線をポチッとなし、おれは会社の有給を申請しておりました。

さて、何をしようか。

前回の東京旅行で、基本的に行きたいところは大概行っていたおれです。今回は何を食べようかな、どこに行こうかなと頭を悩ませながら、ネットやらぺけったーの海をいつものように自由気ままにサーフィンしていたおれの眼の前に。

そのレポートは、彗星のごとく現れました。


おれ「ア!!!!(絶句)」


待って。

推しに推しの概念作ってもらえるんですか??

潤也さんに兄貴の概念を作ってもらえるんですか??(この文章は一年前に再燃した挙げ句ドール香水推しカクテルと狂い続けている阿呆が書いています)


十数年前に完結した漫画という限界集落に、干天の慈雨が降り注いだような感覚。


いやこれはやるしかあるまい。潤也さんのご尊顔を拝めるだなんて、もしかしたら今後一度もないかもしれない。供給が無ければ作ればいいっておれの友人も言ってた。なによりおれが「実在する」潤也さんを見たい。浴びたい。潤也さんという人間に会いたい。


おれ「行くか……荻窪という名の天国へ」


そうと決まれば行動あるのみ。

同じく限界集落の民であられるフォロワーさんをお誘いし、二つ返事で快諾いただけた瞬間に、おれはお店の方に欲望丸出しのオファーを送っておりました。こんなニッチな限界集落の民のお願いにも真摯に対応していただいた、お店の皆様には本当に頭が上がりません。本当にありがとうございます。

↓お世話になりましたお店です。圧倒的感謝しかない。


元々、イメージカクテルはこれまでに三回作っていたおれ。毎回毎回高濃度の解釈を浴びせられ「ォァァ……ァァ……(嗚咽)」となっておりましたが、コスプレという要素の加わった今回は完全なる未知数。オーダーシートにそもそもろくに文章を書けるのだろうかと、うっすらとした一抹の不安を覚えつつも、おれはついに弾丸列車に飛び乗り、東京へと向かいました。

同じく限界集落の同好のフォロワーさんと酒を酌み交わしたり、おれを旧きより知る友と人生初の八月の鯨巡礼に臨んだり。東京での時間は瞬く間に過ぎていき、

気がつけば最終日。



おれが潤也さんのご尊顔を拝む日がやってきました。最後にやり残したた観光を済ませて、待ち合わせの場所で今回同行のフォロワーさんと落ち合います。

そこからお店に向うまではお互い遠慮のない、めぐたん先生マニアトークの雨あられ。


この時点でたぶんおれのテンションはどこかおかしかった。全然普通じゃなかった。いつもは壁打ちしてるだけのオタクの話が、リアルに眼の前の同士とできるというだけでドーパミンドバドバです。この後に控えている運命の時間に向けて、静かに、でも着実に、おれたちのボルテージは上がっておりました。魔王Waltzに加えてVFもマチソワも。ずっとめぐたん先生か伊坂大先生の話をしていたおれたちは、多分周囲からは「なんだこの限界集落」と思われていたと思います。(白目)
おれたちは全然普通(通常運転)だよ。


そして、いざ荻窪。


運命のお時間がやって参りました。

おれたちの少し前を歩いていた集団も、どうやらおんなじお店に向かっているようです。開店時間少し前に辿り着くと、先に扉のところに彼女らが辿り着き。

おれ「他界隈の民に潤也さんを浴びせるの、なんか申し訳ないな……」
相方「逆にこの店にいる全員に布教できるチャンスでは??」
おれ「それだ(チョロい)」

など、呑気にそわそわしてたおれたちが迎えた、午後三時


(ガチャリ)
潤也さん(店員さん)「いらっしゃいませー」


おれ「ミ゛(絶命)」
相方「ア゛(絶命)」


先に到着したグループをお迎えしようと、扉からその人が出てきた瞬間に。

あの燃えるような橙朱の髪を見た瞬間に。

おれと相方は、声にならない悲鳴を上げてその場で目を逸らしました。


まって「おれ」
まって「相方」


目の当たりにしたソレのあまりの尊さに。

目の当たりにしたその人のお姿に。


完全に理解が追いつかず、脚は震え、心臓は爆発しそうで。道路を行き交う人々に「なんだこいつら」と奇異の目で見られながら、おれたちは暫く、路上で奇声を発しながら悶絶することしかできませんでした。不審者二人ここにあり。


息などできるわけがない。
心臓が今までで一番うるさい。

おれたちの「推し」が、あの扉の向こうに、いる。


それだけで情緒が一瞬にして壊れたのです。


おれ「手……握っていいですか………(震え声)」
相方「いいよ……(震え声)」


どうにかこうにか息を整え、震えを堪え。
おれたちは潤也さんの待つ、お店へと足を踏み入れます。


おれ「ア…………ァァァ……ァァ………(嗚咽)」
潤也さん「お待ちしておりました(ニッコリ)」
おれ「あ……ありがとう、ござい、ましゅ………(ァァァァァ無理待って尊い無理)」


眼の前でバーテンダーの制服を着て、にっこりと笑うのは確かにおれたちの推しです。春の日だまりのような、優しくて少しバカな、橙色の少年です。ふわふわとした燃えるような色の髪の毛も、おんなじ色をしたぱっきりとした瞳も、可愛らしい笑顔もまるで漫画から抜け出したよう。おれたちの愛した、兄貴の愛したその人が、おれたちの眼の前のカウンター越しに立っているのです。


今日がおれの命日でいいよもう。


そんな思いを堪えながら、震える声を抑えながら。おしぼりを受け取るだけで情緒が爆発しそうになるのを堪えながら、おれはいつものように初めの一杯には、ジェネリック潤也さんこと《グリーン・アラスカ》を注文するのでした。

いつもの。今日も美味しいね。


怪文書オーダーシートを一心不乱に書き進め、相方にドン引きされるほどの量の文章を書き上げるおれの手は、その一瞬だけ止まりました。


おれの眼の前で潤也さんが、シェイカーを華麗にシャカシャカしだしたのです。


おれ「ミ゛(あまりの尊さに呆然)」


写真を撮るのも忘れて、完全にそのお姿に見惚れてしまってたおれ。多分物凄い顔をしてたと思います。眼の前で潤也さんがシェイカー振ってる。可愛い。尊い。全てが愛おしい。カクテルグラスにグリーン・アラスカを注いで、潤也さんがおれに差し出してくださったその瞬間、頭の中には「生きてーてーよかったー♪」と歌が流れておりました。てぇてぇ。あまりにもてぇてぇ。


そんなこんなで、おれも相方もオーダーシートをどうにか書き上げ、提出し。

上がりきってしまったテンションのままに、先程より更にボルテージの上がっためぐたん先生トークを繰り広げつつ、カクテルを作られている推しの姿をカメラに捉えつつ。イメカクが出来上がるまでの時間を過ごしていたおれたちに、潤也さんはついに、兄貴の解釈をお出ししてくれました。


兄貴が二人。

思えば、同じキャラクターのイメージカクテルを、複数人で同時に頼むのは初めてのことです。

様々な先人のレポを読んでいると、同じキャラでも解釈によってお出しされるものは違うというのは書いてありましたが、それを今回おれは初めて体験することになりました。左のが相方の兄貴、右のがおれの兄貴です。


相方「しゅごい……(嗚咽)」
おれ「それな……(嗚咽)」


相方の兄貴は、ジークフリート・ドライ・ジンとクランベリーシロップのカクテル。蓋付きのグラスで自分の考察に耽るなどの内省的な一面を、翼のマドラーで兄貴の代名詞である「鷹」を表現する芸術点の高さです。

ジークフリート・ドライ・ジン、みんな大好き大英雄すまないさんの名前を冠するジンは、これまた彼の背中の弱点にもなった(型月世界では触媒ですね)菩提樹の花の匂いがするようで、「優しい英雄」たる兄貴の在り方に通じるとのことです。そこにジンジャーを加えることで、優しさだけでない強さも滲ませるという、相変わらずの解析度。

それでも兄貴はやっぱり可愛いのだということを、下に含まれたクランベリーのシロップの甘さがきちんと表現。この時点で芸術点も解釈度も素晴らしいとしか言いようがないのですが。


潤也さん「クランベリーの花言葉には『不滅の愛』というものがありましてね(にっこり)」

おれ&相方「ミ゛(絶命)」


推しカクテルは二度刺す。

coup de grâceなさけのいちげきどころか死体蹴りだよという、容赦のない花言葉の一撃に、おれたちは本日何度目かの三途の川を渡ることになりました。


そして、おれの兄貴も勿論劇薬。


光に照らされるおれの兄貴。

相方のものと色彩は同じく、羽の形をしたマドラーも同じで。

グラスは柔らかく波打つような形をしていて、兄貴の柔らかい雰囲気や見た目をイメージされていること。それでも分厚くどっしりとしたロックグラスで、手に持つと物凄く重くて強靭。対決を決意した後の兄貴の強さが、この時点でひしひしと伝わります。

砕いた氷がカクテルには沢山浮かんでおり。


潤也さん「『対決』の中でボロボロになっていくお兄さんをイメージしました」
まって「おれ」


この時点で情緒によろしくない。決起集会じゃんこれ(嗚咽)


上の黒い層は「ブラヴォド」という名前のウオッカがメインで使われていました。

ウオッカという酒はその製法上無味無臭、色も透明というのが基本的な在り様なのですが、このブラヴォドはウオッカらしくない真っ黒な色。複数のハーブを使ってこの色は出されており、過去の経験から「自分の本音を押し殺して生きている」、「本来の色とは違う色に染められていた」兄貴をイメージされているとのこと。元々兄貴が黒髪だし、また世間を飲み込んでいく黒い飛蝗グラスホッパーの姿にも通じますね………全てが尊いのだが(白目)

下の層は赤、相方のとは異なりこちらはザクロのシロップが使われていました。世間に抗い「対決」する、自分の意思を貫き通すことを選んだ兄貴の強さがこのザクロに籠められているとのことですが。


潤也さん「ザクロは時に『人の血肉の味がする』とも言われることも理由の一つです(にっこり)」
おれ「ミ゛(あまりにもあんまりでは??)」


兄貴が流した鼻血じゃねーかこれ。人の心。(褒めてます)


相方のに続いて全く情け容赦を知らない解釈に、おれの情緒はもはやオーバーキル状態です。いやもう全てが尊くて愛おしくてしんどいんですが。最高かよ。

さらに、この解釈の暴力はこれだけに収まらず。


潤也さん「飲み干していただくと、最後に一個、ドレンチェリーが出てくるようにお作りしました」
おれ「はひ………?(情緒が既に目茶苦茶)」


潤也さん「お兄さんが潤也くんに『最期に何か残せた』モノです(いい笑顔)」
おれ「ア゜(爆 発 四 散)」


飲む前からフェイタリティです。合掌。


おれ「殺す気か???(血の涙を流しながら)」

香りはウオッカなので無味無臭。けどよく嗅げば少しだけ漢方薬みたいな匂いがする。これがこのウオッカを黒く染め上げているハーブの匂いなのね。

じょりじょりとした氷の感触が、唇に触れてそれらが溶けていく様が、否応なしに「副作用」でボロボロになっていく兄貴を感じさせる。血を流しながら、足を引きずりながら、群衆を掻き分けて決起集会の場を進んでいく兄貴の姿。もうこの時点で情緒が迷子です。黒い飛蝗に覆い尽くされていく世界の中の一人でありながらも、ウオッカ本来の際立ったアルコールの強さで、しっかりとそれに抗う強さをその味で感じさせてくる兄貴。尊い


だんだんと飲み進めていくうちに、それでも氷は溶けていき、ほぼほぼ無味無臭なウオッカの下から、徐々に滲み出てくるザクロの味。

これが本当にやばかった。兄貴の命の灯火が弱っていく、足取りがふらついていく、頭が霞んでいく、血が流れていく。口の中で本当にあの決起集会が容赦なく再現される様に、内心もう嗚咽が止まりませんでした。なんだこれ新手の拷問か??(褒めてます)

血が濃くなっていく。命が流れていく。

残り少なくなってきたカクテルをマドラーでまぜまぜすると、一気にザクロの甘酸っぱい味が、それまでは比較的大人しかったカクテルに華を添えました。氷も溶け切った兄貴の、最期の命の煌めき。あの鮮烈で衝撃的で、あまりにも唐突な最期のように、口の中にザクロの味が強烈に広がって消えていく。

兄貴の甘酸っぱくて熱い血が、おれの喉奥に呑み込まれて、おれの血肉と同化していく、そんな感覚。


まって「おれ」(嗚咽)


もう心が保たない。

おれは兄貴の血肉を呑んでいるんだ。兄貴が流した血が、おれの中に入っていくんだ。おれという存在をかたちづくるものになっていくんだ。あまりの貴さと、「兄貴の命を喰らう」という背徳感のせいでもうメンタルは無茶苦茶だし、眼の前を見れば潤也さんがいるしで頭の中が大混乱です。


それでもマドラーをかき混ぜていると、スプーンの先が硬いものに触れました。


おれ「ァ!!!(心停止)」


うっすら見えてるの……(嗚咽)

兄貴の置き土産に飲み干す前から触れてしまい、この時点でおれは間違いなく、三途の川を渡りましたどこかの吸血鬼並みに死んでいるおれです。


飲み干すと、潤也さんの言われた通り。
兄貴のココロが現れました。

兄貴の、最期に残したもの。


おれ「ァァ……ァァァァ………(嗚咽)」
潤也さん「ちゃんと食べれますよ、それ」
おれ「ひ………ッ(尊さのあまり言葉が詰まる)いただき……ま、す………(嗚咽)」


砂糖漬けされた、真っ赤で小さな兄貴の魂は。

ザクロのように甘酸っぱくはなく、どこまでも甘くて優しい味がしました。

潤也さんを命尽きても愛した、兄貴の愛情の味がしました。


おれ「兄貴…………(嗚咽)」



楽しい(?)時間は飛ぶように過ぎ去っていきます。


おれたちが悶絶やら死に返りやらを繰り返す間にも、潤也さんはおれたちのヲタ話に時に耳を傾けてくれながら、時にバーテンダーのお仕事をする潤也さんというifのお姿を見せてくれながら、本当に春の日だまりのようにそこに居てくれました。少し話を止めて視線を移せば、そこには確かに潤也さんが「居て」、おれたちに笑顔を投げかけてくれる。 


「そこに“いる”幸せ」。


某競走馬擬人化ゲームの限界ヲタクなあの娘が、サポカで引っ提げてきたフレーズが頭を過ぎります。


おれ「しんどい」
相方「しんどい」


この甘く幸せで残酷な天国に。
いつまでも浸っていられたらいいのにと思いながら、それでも時間はついにラストオーダーです。


潤也さん「せっかくでしたら、全身の写真撮ります?(にこにこ)」
おれ&相方「!!!!お願いしますッ!!!!(全力)」


多分漫画軸だと「能力のない平和な世界線で、何をトチ狂ったか『ドゥーチェ』で短期バイトすることになった潤也さん」みたいなifでないと見れない、バーテンダーの格好をした潤也さん。本編軸では多分見られないであろう、おれたちの夢と執念の結晶。


おれたちの夢の中の存在でしかなかったそのお姿を、眼の前に「いる」そのお姿を、後悔のないようにしっかりとカメラの中にお納めし。おれたちはいよいよ、潤也さんに別れを告げました。


おれ&相方「ありがとう……ございました……」
潤也さん「またお待ちしてますね」


お店の戸口まで、変わらない春の日だまりのような笑顔で、不審者二人を見送ってくれた潤也さん。


お店を出てくるりと振り向けば、潤也さんはまだお店の戸口に立っていて。


潤也さん「じゃあな。気をつけて帰れよ」


そう言うかのように、こく、と可愛らしく首を傾げてくれました。


おれ「ミ゛(絶命)」
相方「ア゛(絶命)」


最後の最後まで心臓に悪い。(歓喜)
おかげで帰り道でも二人並んで、本日何度目かの死を迎える羽目になりました。ほんと何回三途の川を渡ったのかおれは…(白目)


おれ&相方「潤也……さん…………(息も絶え絶え)」


ひとつなぎの大秘宝ワンピースが存在するように。

おれたちの推しカプも、確かにそこに「存在した」。


この経験はおれの中で一生の宝物です。生きてて良かった。オタクであってよかった。潤也さんが実在して、彼から兄貴の解釈をいただけたというこの歓びは、きっと今後のおれを生かしてくれる糧となるとは思います。

それはさておき。


おれ「今度は……逆のパターン、やる……?」
相方「大勝利じゃん」


次は兄貴のコスプレで潤也さんの概念を呑みたいです。(オタクは一向に反省しなかった)



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