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勾配部品の調整

機械部品には先人の知恵が詰まっています。そして、多くのものが標準化されており、それらを組み合わせたり、つなぎ合わせることで機械として機能させています。
例えば、軸と穴の嵌め合いについても用途に合わせて仕様を決めるように規格化されていますが、回転軸の軸と穴の嵌め合いにおいて回転方向へのスベリ(ズレ)を防ぐためにキー溝を加工し、キーをはめ込む構造となる場合がほとんどなのです。そんなキーの中には勾配キーといって勾配をつけることでキーを強固に固定して高速回転や重荷重に適するようにしているものもあります。
勾配やテーパーといった「傾き」をつけることで「くさび」のような働きを利用してしっかり固定することができる。古くから木造建築でも利用されいるこのような「くさび」は先人の知恵に他ならない。
これらの勾配やテーパについて考えるとき、切り離せないのが三角比。もちろん三角関数をつかって求めることもできるのですが、実はそんなに難しく考えなくても大丈夫です。



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