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学校教育法施行規則第172条の2:教育研究活動等の状況についての情報公表まとめ

※この記事は2024年9月現在の情報で構成されています。

学校教育法施行規則第172条の2では、大学が教育や運営に関して情報を公表することが義務付けられています。
大学に関連する、その内容・項目について具体的な指標をまとめてみました。

以下、条文です。

第百七十二条の二 大学は、次に掲げる教育研究活動等の状況についての情報を公表するものとする。
   大学の教育研究上の目的及び第百六十五条の二第一項の規定により定める方針に関すること
   教育研究上の基本組織に関すること
   教育研究実施組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績に関すること
   入学者の数、収容定員及び在学する学生の数、卒業又は修了した者の数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況に関すること
   授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業の計画(大学設置基準第十九条の二第一項(大学院設置基準第十五条において読み替えて準用する場合を含む。)、専門職大学設置基準第十一条第一項、専門職大学院設置基準第六条の三第一項、短期大学設置基準第五条の二第一項及び専門職短期大学設置基準第八条第一項の規定により当該大学が自ら開設したものとみなす授業科目(次号において「連携開設科目」という。)に係るものを含む。)に関すること
   学修の成果に係る評価(連携開設科目に係るものを含む。)及び卒業又は修了の認定に当たつての基準に関すること
   校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること
   授業料、入学料その他の大学が徴収する費用に関すること
   大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援に関すること

・・・・

4 大学は、前各項に規定する事項のほか、教育上の目的に応じ学生が修得すべき知識及び能力に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとする。

学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)令和6年4月1日 施行
学校教育法施行規則の一部を改正する省令(令和五年文部科学省令第四十二号)
(抜粋)


一   大学の教育研究上の目的及び第百六十五条の二第一項の規定により定める方針に関すること	大学の目的
・大学院の目的
・学部、学科または課程等ごとに定めた目的
・研究科または専攻ごとに定めた目的
・卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
・教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
・入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)
・学部学科または課程、研究科、専攻別の名称
二   教育研究上の基本組織に関すること	
・大学組織図
・組織内の役割分担
三   教育研究実施組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績に関すること	
・教員数(男女別・職別・年齢別)
・各教員の専門性
・各教員の担当科目
・各教員が有する学位
・各教員が有する研究業績
・教員組織(役割分担:講座・分野主任一覧など)
四   入学者の数、収容定員及び在学する学生の数、卒業又は修了した者の数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況に関すること	入学者に関する受入方針(アドミッションポリシー)
・入学者数
・入学定員人員(収容定員充足率)
・編入学者数
・在籍者数
・収容定員(収容定員充足率)
・卒業(修了)者数
・その他の学生学生数(研究生、委託研究生、科目等履修生、留学生など)
・就職者数
・その他就職状況(主な就職先など)
・進学者数
そ・の他進学状況(主な進学先など)
五   授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業の計画に関すること	
・教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)
・授業科目(シラバス)
・「実務経験のある教員等による授業科目」の一覧表
・授業の方法(講義、演習、実験、実習、実技など)
・授業の内容
・年間の授業計画
・取得可能な資格一覧
六   学修の成果に係る評価(連携開設科目に係るものを含む。)及び卒業又は修了の認定に当たっての基準に関すること	
・卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)
・学生の学修成果の評価に関する方針(アセスメント・ポリシー)
・単位修得に当たっての評価基準
・卒業又は修了の認定に当たっての認定基準
・必要単位修得数
・取得可能な学位数
七   校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること	校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境
・キャンパスの概要
・課外活動の状況
・課外活動施設
・休息を行う環境
・主な交通手段
八   授業料、入学料その他の大学が徴収する費用に関すること	
・授業料(授業料等納付金)
・入学料(入学者初年度納付金)
・検定料
・寄宿舎や学生寮に関する費用
・その他費用
九   大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援に関すること	
・学生の修学支援
・学生生活に関する支援
・キャリア形成・就職支援
・カウンセリング体制
・留学生支援
・障がいのある学生への支援
・その他学生支援

第百七十二条の二

大学は、条例に入っている項目を教育研究活動等の状況についての情報を公表しなければいけないという内容になっています。
基本的には、大学ホームページでの公開すべき情報だと考えていいと思います。
 

一   大学の教育研究上の目的及び第百六十五条の二第一項の規定により定める方針に関すること

第百六十五条の二は以下のように定められています。

第百六十五条の二 大学は、当該大学、学部又は学科若しくは課程(大学院にあつては、当該大学院、研究科又は専攻)ごとに、その教育上の目的を踏まえて、次に掲げる方針を定めるものとする。
  卒業又は修了の認定に関する方針
  教育課程の編成及び実施に関する方針
  入学者の受入れに関する方針
2 前項第二号に掲げる方針を定めるに当たつては、同項第一号に掲げる方針との一貫性の確保に特に意を用いなければならない。

https://laws.e-gov.go.jp/law/322M40000080011#Mp-Ch_9-Se_4-At_165

こちらでは、以下のような項目を公表する必要があると言われています。

  • 大学の目的

  • 大学院の目的

  • 学部、学科または課程等ごとに定めた目的

  • 研究科または専攻ごとに定めた目的

  • 卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

  • 教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)

  • 入学者の受入れに関する方針(アドミッション・ポリシー)

  • 学部学科または課程、研究科、専攻別の名称

 
三つのポリシーそれぞれについての基本的な考え方は以下のとおり。

ディプロマ・ ポリシー
各大学,学部・学科等の教育理念に基づき,どのような力を身に付けた者に卒業を認定し,学位を授与するのかを定める基本的な方針であり,学生の学修成果の目標ともなるもの。

カリキュラム・ポリシー
ディプロマ・ポリシーの達成のために,どのような教育課程を編成し,どのような教育内容・方法を実施するのかを定める基本的な方針。

アドミッションポリシー
各大学が,当該大学・学部等の教育理念,ディプロマ・ポリシー,カリキュラム・ポリシーに基づく教育内容等を踏まえ,入学者を受け入れるための基本的な方針であり,受け入れる学生に求める学習成果(学力の3要素※)を示すもの。
※(1)知識・技能,(2)思考力・判断力,表現力等の能力,(3)主体性を持って多様な人々と協働して学ぶ態度

https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo4/015/attach/1365326.htm

 

二   教育研究上の基本組織に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 大学組織図

  • 組織内の役割分担

 

三   教育研究実施組織、教員の数並びに各教員が有する学位及び業績に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 教員数(男女別・職別・年齢別)

  • 各教員の専門性

  • 各教員の担当科目

  • 各教員が有する学位

  • 各教員が有する研究業績

  • 教員組織(役割分担:講座・分野主任一覧など)

教授プロフィールなどの掲載がある研究者データベースを使用している場合は掲載があればそれで対応可能のようです。
 

四   入学者の数、収容定員及び在学する学生の数、卒業又は修了した者の数並びに進学者数及び就職者数その他進学及び就職等の状況に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 入学者に関する受入方針(アドミッションポリシー)

  • 入学者数

  • 入学定員人員(収容定員充足率)

  • 編入学者数

  • 在籍者数

  • 収容定員(収容定員充足率)

  • 卒業(修了)者数

  • その他の学生学生数(研究生、委託研究生、科目等履修生、留学生など)

  • 就職者数

  • その他就職状況(主な就職先など)

  • 進学者数

  • その他進学状況(主な進学先など)

以下のような学生状況に関する項目も公表した方がいいとされていますが、条例的には必須というわけではありません。

  • 退学・除籍者数(中退率)

  • 留年者数

  • 社会人学生数

  • 留学生数、派遣・受入学生数

 

五   授業科目、授業の方法及び内容並びに年間の授業の計画に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 教育課程の編成及び実施に関する方針(カリキュラム・ポリシー)

  • 授業科目(シラバス)

    • 「実務経験のある教員等による授業科目」の一覧表

    • 授業の方法(講義、演習、実験、実習、実技など)

    • 授業の内容

    • 年間の授業計画

  • 取得可能な資格一覧

授業科目、方法や内容については、ウェブシラバスを使用している場合、それを掲載することで対応可能。
 

六   学修の成果に係る評価(連携開設科目に係るものを含む。)及び卒業又は修了の認定に当たっての基準に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 卒業の認定に関する方針(ディプロマ・ポリシー)

  • 学生の学修成果の評価に関する方針(アセスメント・ポリシー)

  • 単位修得に当たっての評価基準

  • 卒業又は修了の認定に当たっての認定基準

  • 必要単位修得数

  • 取得可能な学位数

 

七   校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境

  • キャンパスの概要

  • 課外活動の状況

  • 課外活動施設

  • 休息を行う環境

  • 主な交通手段

校地、校舎等の施設及び設備その他の学生の教育研究環境
施設の広さなどの表記が必要です。

キャンパスの概要

各施設の概要の見えるキャンパスマップなどが項目に該当します。
 

八   授業料、入学料その他の大学が徴収する費用に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 授業料(授業料等納付金)

  • 入学料(入学者初年度納付金)

  • 検定料

  • 寄宿舎や学生寮に関する費用

  • その他費用

 

九   大学が行う学生の修学、進路選択及び心身の健康等に係る支援に関すること

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされています。

  • 学生の修学支援

  • 学生生活に関する支援

  • キャリア形成・就職支援(資格取得支援なども含む)

  • カウンセリング体制

  • 留学生支援

  • 障がいのある学生への支援

  • その他学生支援

留学生支援
海外の協定校なども掲載内容に含まれます

4 大学は、前各項に規定する事項のほか、教育上の目的に応じ学生が修得すべき知識及び能力に関する情報を積極的に公表するよう努めるものとする。

こちらでは以下のような項目を公表する必要があるとされていますが、努力義務となっています。

  • カリキュラム

  • 授業の目標、到達目標

・・・

以上が、学校教育法施行規則第172条の2についてのまとめでした。

これらの情報を積極的に公開することで、学生や社会に対して信頼性や透明性を高めています。ホームページ公開の際には、ぜひ参考にしてみてください。


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