子育てってアジャイル
はじめまして、日本IBMの谷生(たにぶ)です。私は普段、アジャイルコンサルタントとして、お客様のアジャイルプロジェクト立ち上げ支援やアジャイル関連研修の企画・講師を行っています。
プライベートでは4歳と1歳の娘を育てているのですが、「子育てってアジャイルだよなぁ」と痛感する日々。そう感じる所以をゆるっとお話ししたいと思います。
子育ての特徴
まず、4年間子育てをして痛感すること。
「要件が不明確」
育児は初めてのことだらけ、時間も労力も見積もれない
やっと慣れてきたお世話が、成長に伴ってすぐ通じなくなり化石化
昨日喜んでたことを今日やると不機嫌
「頻繁な計画変更・優先順位の見直し」
仕事中、子供が体調を崩して保育園から呼び出し。昼ごはん用意しなきゃ、午後の会議休まなきゃ・・
寝かしつけ後やろうと思っていた家事、2時間経ってもまだ寝ないよ
今日は休みだ外出だ!えっ、当日朝に発熱・・
「やることは膨大、時間・体力・気力は限界」
家族が増えると育児が増えて、家事も増える
出産・加齢による体力低下、子どもにエネルギーを吸い取られて気力低下
たまに一念発起して頑張っちゃうと、キャパオーバーで爆発
ウォーターフォールな私
私はもともと計画をきちっと立ててその通りに動きたい、ウォーターフォール型寄りな性格でして、「新規」とか「変化」とかはちょっと苦手。それは、公私に渡って、うまく作用することもあれば裏目に出ることもありましたが、まぁ良し悪しだし仕方ないよねと思って生きてきました。
でも、しばらくして気づきました。
子育てにおいて、その計画性は武器にならないことを。
その柔軟性の欠如は致命的だと。
あぁ、何もかもうまくいかない。絶望。
・・・あれ、待って。
もしかして、子育てってアジャイル向きの案件じゃない?
Do agile, Be agile
そこで、アジャイル開発の知識・経験を生かして、育児に翻弄される日常を見直すことにしました。
計画の詳細化は直近1~2日くらいだけ、それ以降はあえてやらない
不確定要素が多いので、計画するタスクは少なめに、バッファを多めに
予定・やること・買うものは見える化して夫と共有、一人で抱え込まない
家事を自動化・外注化して、育児の付加価値向上
寝かしつけが終わったら、夫とデイリースクラム
週一くらいで、夫とレトロスペクティブ
思い通りにいかなくてもガッカリしない、この案件に変化はつきもの
少しずつではありますが、日々の行動を改善していく(Do agile)ことで、変化の多い状況に柔軟に応じられるマインドセットが備わってきた(Be Agile)ような気がします。こうやって肝っ玉母ちゃんになっていくのでしょうね。
まさか日常にこんなにアジャイルを適用するようになるとは、子供を授かる前は想像もしていませんでした。いざやってみると、システム開発のプロジェクトよりすんなり適用できるような気がします(笑)
育児は初めてのことも多く不安だらけで、育児書や知恵袋などにすがりつくことも多いです。でも、結局は子供と日頃からたくさん接して、ちょっとした異変やニーズに気付き、夫などの協力者と密に連携をとりながらアクションを起こしていくのが一番大事だなと思います。
現場にしか答えはない、スキルは(失敗含め)経験から得ればいい。公私ともにアジャイルを体現していくことで、アジャイルコンサルタントとしての自分の価値を高めていければと思います。
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