PMI-DA勉強会の取り組みと勉強してみた感想

こんにちは、日本IBMの瀬来です。私は入社してから十数年は金融系の大規模プロジェクトに関わっており、どっぷりウォータフォール畑つかっていましたが、数年前にIBM Watosnを使ったソリューションを手掛けたことがきっかけで、アジャイルに出会いました。プロジェクトマネージャーでもあり、アジャイルの価値や原則、マインドセットに共感しつつ、「言うは易く行うは難し」で日々壁にぶつかりながら、奮闘しています。

今回は、2021年に実施したPMI-DA勉強会の取り組みについてご紹介とPMI-DAを勉強してみた感想を共有したいと思います。

PMI-DA勉強会の取り組み

まず、冒頭で自身がプロジェクトマネージャーであると紹介させていただきましたが、プロジェクトマネジメントの環境も世の中の変化とともに日々変わり複雑性も増してきています。そのような背景から、IBMの中でもプロジェクトマネージャーのCapabilityの向上を目的としたタスク活動があります。そのタスク活動の中で、アジャイルをより幅広く学習しスキルアップする目的で、PMI-DAの勉強会を企画しました。

数あるアジャイルのフレームワークや方法論の中で、PMI-DAを選んだ理由としては、以下の点が挙げられます。

  1. もともとIBMにて開発されたフレームワークだったこと(現在はフレームワークではなくツールキットの位置付け)

  2. 2019年にPMI (Project Management Institute) がDAを買収していることから今後のPMBOKの改定にこのDAの要素が多く取り入れられるだろうということ

  3. SCRUMやSAFe等は、既に社内研修が開催されており、学習の機会があったため

企画自体は若手2名が率先して推進してくれ、Kickoffや振返りも含め、約半年間、全13回のセッションが開催されました。
参加者はアジャイルに興味がある人やPMI-ACPを勉強したことのある人を中心に有志を募り、15名前後でスタートしました。DAのハンドブックであるChoose Your WoW!の各章を翻訳するとともに事前学習をし、各回の担当者がその学習内容を共有し、それぞれの理解や疑問点などディスカッションしながら進めるといった形で実施しました。

実際に学習してみて・・・

Choose Your WoW!は、400ページを超えるボリュームがあるので、主に担当した回の「DAの7つの原則」で感じたことを共有したいと思います。

原則の1つに、Choice is Good「選択は善である」というものがあります。ここでは、チーム/組織、扱うテーマといったコンテキストが異なれば、必要な戦略も異なるため、同じフレームワークや決まった方法論ではうまくいかないことがあるということが述べられていました。実際の現場においても、フレームワーク通りに実践しようと思っても、お客様との関係やその他諸事情、背景的なことから、うまく適用できないことが多々あります。DAでは、そのような状況で無理にフレームワークに当てはめるのではなく、状況に応じたプラクティスを選択して使うべきだと言っています。それが、DAがフレームワークではなく包括的なツールキットを提供する所以であることから、特徴的だと感じました。

服を購入する際に当てはめると以下のようなイメージです。
既製品
スクラム、エクストリームプログラミング(XP)、SAFe®などのフレームワークやプラクティス・・・枠組みが決まっている
セミオーダー
DA ・・・いくつかの提供されたパーツがあり、選択し組み合わせて、着心地の良いようにカスタマイズする
オーダーメイド
Spotify®モデル・・・課題を検討し、原則に基づいて新しいプラクティスを作成しトライ&エラーを繰り返し独自の方法を確立する

日本では、DX等のキーワードを元にアジャイルがフォーカスされることが多くなってきましたが、文化的な側面、組織的な側面から、アジャイルを適用することが困難なケースが多々あると思われます。そのような時に、DAであれば、より現実的にアジャイルを進めるための解を見つけ出せるかもしれないと感じます。

DAについては、継続、復習しながら理解の深堀りを進めていきたいと思っています。

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