建築は科学で実学
建築は熱の知識や構造の力学を元に造られ、強さは構造計算を元に造られなければいけません。
私は大工でもありますが、経験と感だけで家を造るのは危険だと考えています。
地震に耐える基準の一つに耐震等級というのがあります。
これには1、2、3の三段階があります。
1と比較すると2は1.25倍3になると1の1.5倍の耐震性があるという事になります。
某大手のハウスメーカーはCMでタレントを使い、耐震等級3相当を実現!などと宣伝しているのを見うけますが、屋内で地盤の強度も一定で雨も風の影響も受けない場所で揺らして震度いくつまで耐えたというのでは、あまり意味がありません。
地盤を調査してその上で補強が必要であれば杭を施したりしていく。
それから建物の構造計算をして初めて大地震にも耐えると言えるのです。
温熱環境も同じで、理論上のUA値や断熱材の種類など、実際に小さいエアコン一つで建物の中が玄関から小屋裏まで全て快適な環境を実現出来なくては住む人にとっては意味がありません。
床下に炭を入れて空気を浄化するというハウスメーカーが地元にあります。
炭はある程度有害な物質を吸着したらそれ以上吸着しない性質があり、それを維持するためには定期的に交換しなくてはいけないのでは?その効果は毎時どの位の有害物質を吸着するのか?などの根拠は全く示されていないのに、そのメーカーさんの建物は安くはありません。
温熱環境もまるで駄目でした。
こういう売るための技術や戦略は見事だと思いますが、私はそれよりも技術者として誇れる家に、住まいとしての最適な環境を造る為に最善を尽くす事が正解であると思います。
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