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うちの子発達障害かも? と思ったら〜早期発見の8つのポイント

子育てをしている中で、子どもの発達が偏っていたり遅れていることに、あれ? もしかしたら? という不安を抱えていませんか。それは、もしかしたら発達障害かもしれません。発達障害は、後天的な病気ではなく、生まれつきの脳の発達が通常と異なるために症状が現れる障害です。

発達障害とは

発達障害には、自閉スペクトラム症(ASD)、学習障害(LD)、注意欠陥・多動性発達障害(ADHD)、トゥレット症候群、吃音などがあり、複数の障害が重なって現れたり、障害の程度や年齢(発達段階)、生活環境などによっても症状は違ってきます。

発達障害をもつ子どもは身近にいることがわかってきています。文部科学省の調査によれば、通常学級に在籍する発達障害の可能性のある子どもは約6.5%、25人ほどのクラスとすれば1人〜2人の割合で在籍していることになります。早めに障害に気づき、適切な療育につなぐことで社会に適応する能力を身につけ、さまざまな能力を伸ばしていくことができます。ここでは、発達障害に気づくためのポイントを見てみましょう。

発達障害に早めに気づくためのポイント

社会で生きていくためには、社会性やコミュニケーションが必要となります。発達障害のある子どもは、それが苦手なため、幼稚園や小学校などの集団に入ると、さまざまな問題や困難に直面することになります。発達障害に早めに気づくためには以下の8つのポイントがあります。

1. 社会・対人関係
・一人遊びが多い、一方的なやりとりが多い
・おとなしすぎる、常に受動的
・大人や、年上の子、または年下の子とは遊べるが、同級生とは遊べない
・保護者への反応が弱い
2. コミュニケーション
・話は上手で難しいことを知っているが、一方的に話すことが多い
・おしゃべりだが、保育士や指導員の指示が伝わりにくい
・話を聞かなければならない場面で離席が多い、聞いていない
3. イマジネーション・想像力
・相手にとって失礼なことや相手が傷つくことを言ってしまう
・友達がふざけてやっていることをとらえ違えて、いじめられたと思ってしまう
・集団で何かしている時にボーッとしていたり、ふらふらと歩いてしまう
・急な予定変更時に混乱してしまう
4. 注意力
・一つのことに没頭すると話しかけても聞いていない
・落ち着きがない、集中力が続かない、ぼんやりしてしまう
・忘れ物が多い、毎日のことなのに支度や片づけができない
5. 感覚
・ざわざわした音に敏感で耳をふさぐ、雷や大きな音が苦手
・靴下をいつも脱いでしまう、同じ洋服でないとダメ、手をつなぎたがらない
・極端な偏食
・揺れているところを極端に怖がる、すき間など狭い空間を好む
6. 運動
・身体がクニャクニャとしていることが多い、床に寝転がることが多い
・極端に不器用、絵やひらがなを書く時に筆圧が弱い、食べこぼしが多い
・運動の調整が苦手で乱暴に思われてしまう、大きすぎる声
7. 学習
・話が流暢で頭の回転が速いことに比べて、作業が極端に遅い
・難しい漢字を読むことができる一方で、簡単なひらがなが書けない
・図鑑や本を好んで読むが、作文を書くことは苦手
8. 情緒・感情
・極端な怖がり
・ささいなことでも注意されるとかっとなりやすい、思い通りにならないとパニックになる。
・一度感情が高まると、なかなか興奮がおさまらない

発達障害の相談窓口

発達障害は外見からはわかりにくく、周りから誤解されてしまうことがあります。発達障害を抱えている子どもたちの行動の背景には、理由や意味があります。ただ叱ったり、言い聞かせるだけでは問題の解決にはなりません。子どもと家族、そして周りの人が特性にあわせた日常生活や過ごし方を工夫することで、持っている力を活かしたり、日常生活の困難を減らすことができます。

うちの子は発達障害? と感じたら、お住まいの市町村の窓口や「発達障害者支援センター」に相談してみましょう。発達障害者支援センターでは、発達障害者の日常生活についての相談支援などを行っているほか、医療、保健、福祉、教育、労働等の各関係機関と連携を図りながら、障害の特性に合わせた支援を提供しています。

全国の発達障害者支援センターの一覧

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参考:
発達障害ってなんだろう(政府広報オンライン)
発達障害の理解のために(厚生労働省)
発達障害について(文部科学省)
発達障害教育推進センター