職場でつらい思いをしている方に伝えたい、それってパワハラでは?
多くのハラスメントの中でも相談件数が増加しているパワーハラスメントは、誰にでも起こりうる身近な問題といえます。しかし、同僚や上司の言動でパワーハラスメントではと感じたとしても「勘違いなのでは? 自分が悪いだけなのでは?」と不安に思ってしまう方もいらっしゃるのではないでしょうか。
厚生労働省によると、「2016年職場のパワーハラスメントに関する実態調査」で過去3年以内にパワーハラスメントを受けたことがあると回答した人は32.5%、都道府県労働局における「いじめ・嫌がらせ」の相談件数も2018年度には8万件を超えるというデータが出ています。ここでは、パワーハラスメントを受けた時の対処方法や相談先についてご紹介していきます。
典型的なパワーハラスメントの種類
1. 身体的な暴力
物を投げつけられる。蹴られたり、殴られるする。椅子や机を蹴飛ばし威嚇される。
2. 精神的な暴力
同僚の目の前で無能扱いするような言葉を受けた。他の職員を宛先に含めてメールで罵倒される。必要以上に長時間にわたり、繰り返し執拗に叱れる。
3. 人間関係の切り離し
挨拶をしても無視される。根拠のない悪い噂を流され会話をしてくれない。理由もなく他の社員との接触や協力依頼を禁じられる。
4. 過大な要求
1人ではできない量の仕事を押し付けられる。業務とは関係のない私用な雑用の処理を強制的に行われる。
5. 過小な要求
開発職として採用されたのに1度もプロジェクトに参加させてもらえず、雑用業務ばかり命じられる。気に入らない労働者に対して嫌がらせをするために仕事を与えない。
6. プライバシーへの侵入
個人所有のスマホを勝手に覗かれる。不在時に机の中のものを勝手に物色される。休みの理由を根掘り葉掘りしつこく聞かれる。
パワーハラスメントを受けたときの対処法
もし、上記の具体例に当てはまると感じたら以下の対処法をとってみましょう。
1. どんなことをされたか記録する
いつどこで誰が何を何のために(5W1H)したのかを記録しましょう。後々の事実確認などで有効です。メモや録音など最適な方法で記録を残すことろおすすめします。
2. 周囲に相談する
パワハラは我慢していても解決しません。それどころかエスカレートする可能性があります。一人で悩まず信頼できる同僚や上司に相談をしましょう。
3. 会社の窓口や人事担当者に相談する
上司に相談できない場合は、人事部や社内相談窓口に相談しましょう。
4. 外部の窓口に相談する
社内に相談窓口がない場合や社内では解決できない場合は外部の相談窓口に相談しましょう。全国の労働力;労働基準監督署にある総合労働相談コーナーは、無料で相談を受け付けており、電話でも相談できます。
総合労働相談コーナー(厚生労働省)
一人で悩まず、まずは相談を
パワーハラスメントを受けていると感じたら、まずは信頼できる同僚や上司に相談してみましょう。時間が経過すると、どんどんハラスメントがエスカレートする可能性もあります。職場の方に相談できない場合は、社内や国の相談窓口に相談してみましょう。「あなたのいばしょ」でも匿名でチャット相談が可能です。相談者のプライバシー保護を配慮した対応を行います。相談することによりあなたの不安が軽減したり、問題の解決に近づくかもしれません。
参考:
職場におけるハラスメントの防止のために(厚生労働省)
職場でつらい思いしていませんか?(厚生労働省)
ハラスメント悩み相談室(厚生労働省)
あかるい職場応援団(厚生労働省雇用環境・均等局)