見出し画像

これって、こころの病気かな? 〜早く気づくために注意したいサイン〜

毎日、楽しくすごしたい。でも、現実は友達とうまくいかなかったり、先生や親とケンカしてしまったり。そんなストレスから気分が落ち込んで元気がなくなったり、イライラして怒りっぽくなったりするのは自然なこと。一方で、こうしたしんどい気持ちを抱えながら過ごし、こころの中につらさが残った状態のままでいることは、身体の調子も悪くなってくることがあります。

そんなときは「こころの病気」のはじまりの可能性も考えられます。こころの病気には様々な種類や症状があって、身体の不調が中心のこともあったり、原因がわからないときはストレスが原因かもしれません。こころの不調に早く気がつくためにも、ここでは注意したいサインやこころの病気の種類にはどのようなものがあるのかみていきましょう。


1. 気分障害·うつ病 (気分が落ち込む)

10~20代に多い気分障害の代表は、気分の落ち込みが数週間以上にわたって続くうつ病とも言われています。うつ病は、脳内の神経伝達物質「セロトニン」「ノルアドレナリン」が減ってしまい、気分が落ち込んで無気力になる病気です。楽しい、うれしいといったポジティブな感情が失われる一方、罪悪感が強くなって、自分は生きている価値のない人間だと思いつめてしまうことも。はじめのうちは、重苦しい気分よりも眠れない、だるい、頭が重いといったからだの症状のほうが目立ちます。

注意したいサイン
・悲しい、憂うつな気分が一日中続く。
・これまで好きだったことに興味がわかない、何をしても楽しくない。
・食欲が減る、あるいは増す。
・眠れない、あるいは寝すぎてだるい。
・イライラする、怒りっぽくなる。
・疲れやすく、何もやる気になれない。
・自分に価値がないように思える。
・集中力がなくなる、物事が決断できない。
・死にたい、消えてしまいたい、いなければよかったと思う。


2. ストレス·不安障害(不安でたまらない)

大事な試験や人前での発表、初対面の人と話すときなどに、不安と緊張でカラダが硬くなったりするのは、ごく当たり前のこと。たいていは多少緊張しつつも、自分なりにやることができます。しかし、心配や不安に思い気持ちがとても強くなって、やらなくてはいけないことが、できなくなることが続くことで、身体に過剰なストレス反応が現れて日常での生活がうまくいかなくなっている場合は「不安障害」という、こころの病気になっている可能性があります。

注意したいサイン
・理由もなく激しい不安に襲われる。
・少しのことでビックリする。心臓がドキドキする。
・めまいがしてふらふらする。
・呼吸が苦しくなったりする。
・吐き気、おなかが苦しくなる。
・人が多くいる場所に行きたくない。
・外出や人に会うことを避ける。
・繰り返し同じことをしてしまう。
・疲れやすく、筋肉が緊張している。


3. 統合失調症(誰もいないのに声が聞こえる)

総合失調症は脳の機能の調整がうまくいかなくなって、幻聴・幻覚や妄想、生活しずらさなどの症状があらわれます。現実と非現実の境目があいまいとなり、考えがまとまらず、順序立てて物事を考えることができなくなります。初期には集中力の低下や無気力、眠れないといったうつ病のようなサインが目立つこともあり、ひとりひとりの症状や経過は異なりますが、なるべく早いうちから適切な治療をうけていくことが重要になります。

注意したいサイン
・実際にはないものを知覚してしまう。
・ほかの人には聞こえない声が聞こえる。
・何でも自分に関係があると思い込む。
・周囲の人が自分を陥れようとしていると思い込む。
・その場の状況に応じた感情が生まれない。
・考えがまとまらず話が途切れたり、脱線したりする。
・意欲がなくなり無気力になる。
・コミュニケーションがうまくできない。
・いつも同じ考えが頭のなかを支配しているように感じる。


こころの悩みの相談先

ひとりで悩んでいるのは、とてもつらいことです。相談することで、第一歩を踏み出すことができるかもしれません。こころの病気は、ありふれた病気でもあります。身体の不調から隠された病気をみつけたり、こころの調子をくずしていることに気づくためにも、まずは親しい友達や家族にいまの自分の気持ちを打ち明けてみてみましょう。病気の場合は早めに専門家に診てもらい適切な治療をうけることが大切です。

1. 地域の保健所や精神保健福祉センター
こころやそれに伴い身体の不調が長く続く、つらくて学校にいけないときは、こころを専門に診てくれる病院に相談しましょう。地域の保健所や精神保健福祉センターには、ソーシャルワーカーや保健師などがいて、生活上のアドバイスをしてくれたり、近くの病院を紹介してくれます。こころの問題について、本人はもちろん、家族など周囲の人も気軽に相談できる公的な窓口です。そのときは両親に相談してから受診しましょう。

全国の精神保健福祉センター一覧


2. チャット相談窓口

誰かに話を聞いてもらって、張りつめたこころをゆるめましょう。「あなたのいばしょ」では匿名でのチャット相談が24時間無料で利用可能です。相談するのは恥ずかしいと感じたりするかもしれません。でも、相談することで、解決の糸口をみつけることができるきっかけになるかもしれません。

あなたのいばしょ


3. 電話相談窓口

誰に相談していいかわからない、友達や家族には相談できないときは、公的な相談窓口を利用してみましょう。地方自治体が運営しているので、相談は無料。秘密も守られます(※通話料がかかる場合があります)

こころの健康相談統一ダイヤル 0570-064-556(おこなおう まもろうよ こころ)