見出し画像

朝、起きられないあなたは「起立性調節障害(OD)」かも?

朝、決まった時間に起きられていますか? どうしても起きられなくて遅刻して恥ずかしい思いをしたり、学校に行けなかったり、家族に怒られて、つらい思いをしていませんか。

その原因のひとつとして考えられるのが、起立性調節障害(OD)という病気です。怠けやさぼりでもないのにもかかわらず、努力が足りないなど誤解を受けることも多く、周囲の間違った認識によって、本人や家族がつらい思いをすることも少なくありません。ここでは、日常生活でみられる起立性調節障害(OD)の症状や、セルフケアを紹介しましょう。

起立性調整障害(OD)とは?

「起立性調節障害(OD:Orthostatic Dysregulation)」は、思春期に発症しやすい自律神経機能不全のひとつです。めまい・立ちくらみ・朝起きられなくなる・腹痛・吐き気・頭痛・乗り物酔いなどの症状があります。

起床時に症状が強く現れるため、朝起きられなくなり、登校できなくなる子どももいます。原因がわからず不安になることで、ますます症状を強く感じます。また、夕方から夜は元気が出てくるため夜更かしになりやすく、これが朝起きられない状態を悪化させ、不登校などの原因となることもあります。

起立性調節障害(OD)はめずらしい病気ではありません。発症の早期から、重症度に合わせた適切な治療とともに、家庭や学校での理解や対応が必要になってきます。

日常生活で見られる起立性調節障害(OD)の症状

多くの子どもが朝の起きにくさや、起きたときのふらつきを経験しています。朝、どうしても起きられないのは、何かしらの病気のサインだったり、成長期の身体のバランスの変化によることがあります。日常生活で見られるODの症状には以下のようなものがあります。

1. 朝起こしてもらっているのに記憶にない
2. 布団から出てもぼーっとして着替えない
3. 午前と午後で反応が異なる
4. 朝気分が悪い、朝ご飯を食べられない
5. だるくて疲れがとれない。回復に時間がかかる
6. 立ちくらみやめまいがある

各症状は変動しやすく、午前中に調子が悪く、午後になると徐々に体調が回復します。夕方から就寝前は、活動的になる場合もあります。また、春や秋など、季節の変わり目に症状が悪化しやすいことが知られています。

自分でできるセルフケア

朝、起きられないのは、夜遅くまでのゲームやスマホの使用など生活習慣の乱れ、気持ちの問題が原因のことも少なくありません。ここでは今日から自分でできるセルフケアをお伝えします。

1.夜更かしをしない規則正しい生活を心がける
2.水分をしっかりとる
3.毎日、15分程度の散歩や軽い運動を行う
4.十分な睡眠時間の確保
5.寝た状態や座った状態から、急に立ち上がらない

一人で悩まず、まずは相談しよう

朝、起きられなくてつらいことが続いていたら、まずは家族、保健室の先生、小児科で相談してみましょう。生活に支障をきたしている場合は診察を受ける必要があります。身体に異常がないかどうかを検査してもらい、必要に応じて、精神科の医師を紹介してもらってもいいでしょう。

また、小児科や耳鼻科などで診断可能です。学校に病気のことを理解してもらえないと感じた場合、医師の診断書を提出するのもひとつの方法です。診断書を学校に提出することで、先生に体調が悪いことが伝わります。

1. チャット相談窓口
病気には様々な種類や症状があります。誰かに話を聞いてもらって、張りつめた心をゆるめましょう。「あなたのいばしょ」では24時間365日、年齢や性別を問わず誰でも無料・匿名でチャット相談ができます。相談することで、解決の糸口を見つけるきっかけになるかもしれません。

あなたのいばしょ

2.  電話相談窓口
こころの問題について、本人はもちろん、家族など周囲の人も気軽に相談できる公的な窓口も利用してみましょう。地方自治体が運営しているので、相談は無料。秘密も守られます(※通話料はかかります)。都道府県・政令指定都市が運営している「心の健康電話相談」などにつながる全国共通の電話番号です。

こころの健康相談統一ダイヤル 
0570-064-556(おこなおう まもろうよ こころ)
相談に対応する曜日・時間は都道府県・政令指定都市によって異なります。相談窓口の受付日時は、以下の表をご覧ください。
こころの健康相談統一ダイヤル一覧

3. 精神保健福祉センター
精神保健福祉センターにはソーシャルワーカーや保健師などがいて、生活上のアドバイスをしてくれたり、近くの病院を紹介してくれます。心の病気や困りごとについて、無料で電話や対面での相談ができます。精神保健福祉士や医師などの専門家が対応し、必要に応じて使える支援などの情報提供もしてくれます。

全国の精神保健福祉センター一覧 

参考:
「子どもの心の診療医」テキスト (厚生労働省)
起立性調節障害ガイドライン(岡山県教育委員会)