AWC(あわしー)

本を読んで紹介したりします。たまに小説も書きます。 https://linktr.ee…

AWC(あわしー)

本を読んで紹介したりします。たまに小説も書きます。 https://linktr.ee/AWC_norich

マガジン

  • ヒノカミ探偵

    毎日更新しています。

  • 読書”完走”日記

  • About Love 照れくさいけど大切なこと一緒に考えよう

    愛ってなんだろうって思ったっていいじゃない。そんなこと?でも大切なこと。って趣旨の心のサプリメント。

  • FOR EXSAMPLE たとえば、こんなの

最近の記事

sequence 2【ひのやまのおおかみ】part1

  アケボノ町と三津岡市内に発生する神かくし事件。  奇妙な化け物に取り憑かれた姉妹。  さらわれた妹の行方。  化け物と敵対する白いオオカミ。    そして−−山で出会った獣耳の不思議な少女の正体。  こんだけたくさんの非日常を突きつけられて、正気でいられる人間がいるだろうか。だから、夜遅くにふらふらおぼつかない足取りで家に帰った俺は、駆けつけていた近所の人たちに抱えられているアカネの姿を見たときに、全てが夢か幻覚なのだと思った。 「あっ!コウイチくんじゃないか!どこに

    • sequence 1 ろじうらのよびごえ part 3

       それからシュウが話したことは確かに不気味だった。 「被害者は現在のところ4人居て、その中の一人女子中学生の話。その女の子には高校生の姉がいて、その姉は妹が戻ってきた後の一連の出来事をツイッターでつぶやいていた」  シュウはスマホを取り出し、画面を眺めながら言った。 「でも今はツイートはなぜだか削除されてるの。ここ一ヶ月つぶやいてもいない。でも…」  そこまで言ってシュウは片目をつむって首を傾げた。こいつは妙にウインクが上手いのだ。ショートカットにした栗毛色の髪が揺れる。小

      • sequence 1 ろじうらのよびごえ part 8

         え?なんか今舌打ちした?  目を白黒させている俺を一瞥すると、白い犬は踵を返して駆け出した。おいおい、待ってくれ…! 「待ってくれ!アカネはどこに?!」 「ちっ、失せろヒトザル」  やっぱりだ。こいつは人語を解するんだ。それにしても、腹の底に響き渡るような重い声だ。犬がしゃべったらこんな感じか?  心底迷惑だ、というように顔を歪め、前に向き直すと白い犬はスピードをあげた。ウサイン・ボルトでギリギリ追いつけるかという速さだ。女子ならギリ勝てるってぐらいの俺の脚力じゃどんど

        • sequence 1 ろじうらのよびごえ part 7

           ガラスのコップを割るような音が耳に刺さり、エントランスを乱暴に押し開けた。俺の声が聞こえていないのか?アカネは何かに操られるように、俺たちの家であるカフェの角を曲がり、隣にある金物屋のコンクリートの壁との隙間にできた路地裏にふらふらと入るところだった。いつの間にか街頭が点いていて、路地裏に立ち込める闇をむしろくっきりと切り取っていた。 「アカネ、戻ってこい」  アカネの入った路地裏は、そう長くはない袋小路だ。闇に紛れて見えないが、確かに、そこにはアカネ以外の”何か”が居

        sequence 2【ひのやまのおおかみ】part1

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        記事

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 6

          「私は大丈夫だよ!コウちゃんこそやっぱなんか変だよ。今日はいろいろあったし、お互いゆっくり休もう」 「そうだな。ごめん」  シュウはまだ何か言いたげだったが、それから何も言わなかった。 自転車で実家まで帰るシュウを見送って、俺はローカル線の三津岡鉄道の新三津岡駅のホームに来た。電車に乗り込み、今日一日の出来事を振り返った。アカネの変わったリクエストのサバ缶、電車で遭遇した大きな獣の影、化け物が関わる行方不明事件。一度にいろいろなことがありすぎて、頭が混乱してしまう。化け物が

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 6

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 5

           「あ、LINEきた。湯島ナツキさん、着いたみたい」  シュウがそう言い、俺とシュウはほぼ同時に入り口の方を見た。シュウがおーいと手を振る先には、市内の別の高校の制服を着た女子がいた。俺は自分の見えたものが信じられなかった。たぶん口を開けて目を見開き、相当間抜けな顔をしていたはずだ。  その女の背後には異様に手足の長い、身長2m以上はあるだろう人型の何かが立っていた。そいつはぴたりと体に合った紺色のスーツを着ているが明らかに人間ではない。スーツの襟元から上の頭のあるはずの

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 5

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 4

           帰りのホームルームが終わり、クラスメイトはそれぞれの運動部や文化部の活動場所に向かうために教室を出て行った。この暑いのに外で走ったりボールを追いかけたりするのはどうしてだろう。気持ちはわかるけど、俺はこんな日はなるべく涼しい場所で音楽とか聴きながらアイスを食べたい。 「コウちゃん、行こ!」 「何時にどこだっけ」  そういえば、詳細を何も聞いてなかった。シュウは通学バッグからオレンジベージュの手帳型ケースを取り出す。こういう時、生真面目にスマホのメモを確認するのはシュウの癖

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 4

          読書”完走”日記#1 『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』

           本が好きで読むのも好きだと言いつつも  なかなか最後まで読むことができない私の読書”完走”日記。  記念すべき第一回はこちらの本です。 光文社新書・樋口耕太郎著 『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』 (初版2020年6月30日・第二版2020年7月10日) (画像をクリックするとAmazonのページに飛びます。)  金融業界に20年務め、沖縄県のリゾートホテルの再建を機に沖縄と関わりを持ち現在は沖縄大学で教鞭をとるという異色の経歴をもつナイチャー(本土人)の著者

          読書”完走”日記#1 『沖縄から貧困がなくならない本当の理由』

          近條愁羽の怖談ノート

          第一話 山の中のスタンドミラー  明保野町(あけぼのちょう)とは国道一号線を挟んで向かい側に広がる小玄町(おぐろちょう)に「八幡山」という山がある。明保野町の秋葉山のように住宅街のど真ん中に位置する里山で、近所の住人からは”裏山”と呼ばれて親しまれている。山頂に公園などもあり、ランナーや高齢者の散歩の道にもなっている。そんな八幡山でも、あまり人が近づかない道というものはある。  会社に出勤する前に八幡山の遊歩道を走ることを日課にしているYさんから聞いた話。  Yさんは、山の

          近條愁羽の怖談ノート

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 2

           俺の家である親父のカフェ『cafe あおむし』は、ローカル線三津岡鉄道の”明保野町”駅から徒歩2分という好立地だ。7時20分に家を出て30分発の電車に乗るのは造作もない。  まあ、この三津岡鉄道は住宅街の側を走ってるんで、ここアケボノ町に住んでる人ほとんどが「駅前」って感じなんだけどね。終点の新三津岡まで3駅、乗車時間たったの5分。地元で99年も続いてるってんだから驚きだよな。来年には100周年なんだって。すごいだろ。  国道1号線沿いの住宅街のすぐ側を走る地元の愛すべき路

          sequence 1 ろじうらのよびごえ part 2

          Sequence 1 - ろじうらのよびごえ Part 1

           俺は睦ノ宮コウイチ。どこにでも居るごく普通の男子高校生だ。  −−と前置きするのは挨拶みたいなもんだよな。  背は低くないとは思うが、運動も好きじゃないんで人並みの体型。顔は…まぁみんなの想像にお任せする。イケメンに想像してくれれば大体合ってるよ?なんてな。  小学校の頃は岩手県某所に住んでいたが、2011年に東海地方のこの街、  −三津岡市明保野町(みつおかし・あけぼのちょう)に引っ越してきた。  岩手県、2011年と聞いてピンとくる人は察しが良いと思う。  PTSD

          Sequence 1 - ろじうらのよびごえ Part 1

          Prologue 「ヒノカミ探偵」、作者まえがき。

           やぁ。  これを読んでるってことはアンタはもしかして霊感がある?  それか、霊感なんか無いけど怖い話とか都市伝説とか、そういうのが好きなクチじゃないか?  俺がこれからしようとする話にはそんな超常のあり得ないもんがわんこそばみたいに次々出てくるし、アンタが(たぶん)聞いたこともないようなオカルティックでディープな、目に見えない世界の仕組みの話も出てくるよ。  俺は霊感なんてなかった(と思ってた)し、正直あんまりそういうのは興味なかった、というか苦手だったんだけどさ。今では

          Prologue 「ヒノカミ探偵」、作者まえがき。

          エターなる。

           初めまして。AWCと申します。  2020年も早いものでもう8月が終わりそうで。  今年は3月あたりから未だにおさまりの気配の見えないコロナ騒ぎが続いておりまして。私としては中の国や米の国の動きが気になるところです。  何を書きましょうかね。  読者の皆様は、お話をつくるのはお好きですか?  私が物語を作る魅力に取り憑かれたのはちょうど小学生の頃だったように思いますね。もうかれこれ20年近く前なんですね。  きっかけは「RPGツクール」でした。プレイステーション

          言葉について

          言葉は箱のようなもの そこにどんな気持ちを詰めるのか 蓋をあける 君の顔を想像しながら 想いを詰めて プレゼントしよう 言葉について、深く考えたことがあるだろうか? ぼくはつねに考えてしまう。  こういう伝えかたはどうだろう  こっちの言葉のほうが良いだろうか  もっと短く、的確に伝えるには 言葉はぼくの感情や思考、策略なんかにいろどられ 目の動きや態度によってもその意味を強められたり弱められたりしながら 君のもとへとどく。 その言葉をどう受け取るかは君次第だ。

          ポイ捨てについて

          最近、街の中にゴミがあふれている。 ぼくの家の周りの散歩道にもゴミがたくさん落ちていて、 毎朝拾っているけど、なくならない。 次から次に新しいゴミが増えている。 発泡酒の空き缶、お菓子の袋 何かを包んでいたプラスチックの容器 この前は赤ちゃんのおむつを拾った。 ゴミを拾っていると、ふと思うことがある。 これを捨てた人はどんな気持ちだったのかなって。 自分が空き缶を投げ捨てたくなる時ってどんな時かなって つらい、悲しい、怒りを感じるとき 無力感、自分のうまくいか

          ポイ捨てについて

          うつについて

          素敵な写真があった。hiroyuki_fさん使わせていただきます。 ありがとうございます。 あれから5年が経った。どうしてぼくは書くのを辞めたのか忘れたし、はたまたどうしてまた書きたくなったのかはわからないけど。 心は存在している。はっきりとわかる。 胸の中か、お腹の中か、頭の中なのかは人ぞれぞれ。 ぼくの場合は胸のなかにあると感じる。みんなはどう? うつについて考えよう。 ぼくの心に穴が空いた。 月並みな表現だけど、ほんとに穴が空いちゃったみたいに感じるんだ。

          うつについて