茨城言友会21年9月度オンライン例会(ダイジェスト)

例会概要

期日:2021年9月19日(日) 13時より開催
参加者:4名
オンライン形式(Zoom利用)

近況報告

・この二ヶ月の間、何かしようとして全言連のZoom例会に申し込んだがすっぽかしてしまった。歯を磨きながら、NHKの『フランケンシュタインの誘惑』のアスペルガー博士が「意思の疎通が取れない」児童を絶滅収容所に送る診断書を書いていた。ドイツ第三帝国時代を弾劾するドイツの姿勢と比較すると日本の姿勢は情けなくなる。
今年の畑の栽培は失敗したが、水耕栽培でサツマイモを栽培すると大きくなった。落花生がぐんぐんと大きくなっている。
(10月に)香川で開催予定の全言連全国大会は進捗状況の確認などを告知する形でうまく行っている。もし関東B大会を何かしらのやる際には参考にしたい。

・足が思うように動けないのは変わらない、字がなかなか上手に書けない。
この前の中部ブロック大会(9月11日開催)の乙武洋匡氏の講演会で「自分を愛する力」というテーマ設定の理由がわからない。氏は「自己肯定感は友人や先生に恵まれたので育まれた」とあるが、もう少し奇異の目で見る人間の悪意に関してはどう見ていたのかを知りたかった。自己肯定感は与えられるものだけではなく、自ら獲得していく部分が大きいのではないか。
講演の際の事前の質問以外にも、当日の講演を聞いた聴衆者の感想をどうフォローするかを配慮した進行を考えるべきでは?

・この前、滋賀県の教育委員会の担当者からメールがあり、場面緘黙・不登校に関するケアに対する情報を提供した。TVのミャンマーに関するニュースを見て、50年ぶりに大学時代の知人を発見して連絡をした。知人も覚えていた。出した本がamazonで80部売れているが、自費出版には費用がかかっている。

・サイトの模写をやっている。完全なリバースエンジニアリングは難しいので、自力の技術でできる「モンキーモデル」を作っているに過ぎないような気がする。この状況下で仙台でも閉店する店が多くなってきて、段々と仕事が減ってきている。場合によっては茨城に戻る可能性もあるかもしれない。

話題提供1:香川全国大会関連

アサーションについて

・吃音当事者で社会福祉士の話を聞くことができるので、福祉の立場で吃音を見た場合どう感じるかに興味がある。
・2日目分科会「アサーションとマインドフルネス」に関していうならば、アサーションを考えるとき、一人一人の吃音者がどれくらい言葉を獲得しているかを把握することが必要ではないか?
・アサーションは黒人社会の中から生まれた技術、人権意識。
・子供にアサーションを教える際には『ドラえもん』の例が用いられる。
・アサーションの前に自分の力で「言葉」を覚える過程が大事。言葉を育てる意識こそ大事。言葉がない限り「思想」は生まれない。
・当事者研究の大切さ、自分の言葉は「思想」の一歩である。

話題提供2:障害者は都市に出るべきか?

地方と都市とで生きやすさは変わるのか?

現在、職業訓練と職探しのために仙台に一人暮らしをしている。

少なくとも、2021年現在の仙台市の福祉に関しては元々の都市基盤が大きいのというのがある上に、60年代後半以降に勃興した革新自治体ムーブメントの中で比較的「うまくいっていた」ということもある関係で障害者福祉に関してはハード面ではうまくいっている傾向が強い。

移動の自由という意味では先進的か?
代表的な例としては、仙台市営地下鉄・市バスの動きが挙げられる。
バリアフリーという言葉があまり浸透していなかった1980年代のうちから「車椅子でも自由に動ける」ようにバリアフリーを推し進めており、地下鉄各線の全駅に車椅子でも使用可能な大型エレベーターが設置されている。
また、2015年の地下鉄東西線開業時には既存地下鉄施設も含めてトイレを使いやすくリニューアルした上で利便性を向上させている。
更に、バリアフリーの動きを進めるために2024年導入予定の地下鉄の新車は更なるバリアフリー化が進めた設計となっており、老朽車の置き換えと合わせた形での全車ノンステップバス化を推し進めていくことが決定された。

障害者の支援・就労の場も「比較的」多い
都市圏では大企業の特例子会社等の就労の場や就労支援等の障害者支援の場も多い。
特例子会社の仕事を大まかに言えば「企業本体から業務の切り出しを行い、まとまった仕事に整形したものを障害者に振り分ける」という形であるが、それ以外にも障害者就職の場所は地方部に比べるとまだ多い部類に入るだろう。
……とはいえ、Covidショックの深刻化に伴う企業本体の疲弊と、それを打破するために行われる(コスト削減も兼ねた)DX化の進捗で障害者の仕事は減ることが予想されるので、結果的に就労の場自体は少なくなるだろうと予測するがどうか。

住み慣れた土地を離れることは「恐怖」なのか?
都市部に「出られない」ことは障害者問題の根底にあるのか?
都市部に出られず、就職に関して「十分な支援」が受けられないまま一生を終える地方部の障害者の方が一般的に多いことを考えると、インフラの充実している都市部に出るということは障害者の「生きる道」としては重要になる。
(都市部に出れば出るほど、当事者のみならず理解者も多くいる)

しかしながら、先日に地方の精神障害者と話をする機会があった。 その際に「一人暮らしの場合、親からの支援を受けられないので地元から出られない」ということで都市部での一人暮らしを躊躇していた。それと同時に「住み慣れた土地を離れるのが怖い」ということを懸念していた。
自分の場合、元が転勤族だったということで住み慣れた土地を離れる、ということに関して特に抵抗がないのだが、少なくとも多くの人にとって「土地から離れる」というのは辛いところなのだろうか? という思いが浮かんでくるのである。

ひょっとしたら、この「土地を離れる恐怖」こそが障害者問題をややこしくしている問題なのだろうか? と考えてしまうのは何故か。

話題提供:質疑

・障害者の都市在住に関しては就職に関してが重要になってくるが、採用の枠が狭まっている
・障害者就労は制度ができている部分はあるが、受け入れる側の感情は今でも抵抗感は高い。制度が根付くまでには長い年月がかかる。障害に対する理解者を見つけていくことも大切。コネベースでの就労は今でも大切になってくる?
・自分が生まれ育った場所から出るのにはエネルギーが必要。周りがサポートしないとやっていけないのが実情。今の福祉の問題点の一つか?
・公共がうまくいっていない場合、自力でどう整理して伝えるかが大切。自分の吃音状況をどう他人に伝えるか。
・関係者の情報を集約して、ネットワークを構築してコンタクトできる機会ができれば?
・自分一人でも「喰っていく」ための資金獲得
・障害者就労は偉い人(トップ)よりも現場に理解がないことが多いので、そこから吃音に理解を求めるべき?
(この辺の問題は根が深いので、早急な解決は難しい?)
・縁や人のとの繋がりという要素は大切、地縁構築のためにはボランティアも行ってみるのはどうか?

話題提供3:Covidショック以降の吃音啓発とは?

言友会の現況と将来展望 

・前と同じような状況では難しいので、来年の春あたりまではZoom例会を継続するべきか。それとは別に講演会をやりたい。講演者は今のうちに練っておきたい。
・Zoomで講演会をやると「どこも内容が似通って」しまう。
どのようなニーズに答えるか、ということと言友会の知名度向上を図るのは両立できる?
・方向性はともかく、昨今の吃音啓発の場面では若い人のエネルギーを感じる。
・年寄りの「上から目線」は若者に負担となる。
若い人に関しては吃音という問題に対して「自立」しようとしている。そのニーズを元に合わせたものを考えるべきでは?
・当事者として社会に訴える活動はできれば多くの人にやってほしい。そのことは社会を良くすることにつながる。そのリソースを無駄にするのはもったいない。
・対面例会の場合は、喋り方からその人の「人となり」を見ることができる。
・言友会関連の情報が「内輪」で回っているのは良くない傾向。こちらから発信するべきでは?
・出口戦略を考えるのは、個々の言友会で考えるべきでは?
(出口戦略を全言連で考えるのは難しい)
・Zoomでは人に対して話しかけにくい部分がある。共通事項がないとさらに話しかけづらい。
三重言友会はそれなりに新しい人が参加している。
各地の言友会からネタを見つけていき、ゆくゆくは他の言友会と合同例会をするのもいいかも?(年内〜来年以降)

次回例会予定

今月は例外的に開催予定日を変更の上で開催します。

10月18日(月)20時〜開催予定
オンライン例会形式(Zoom利用)

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