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『ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~ 』

 kindleのMailによるシェア機能を今さらながら知って、オフロでは、ふだん、あまり読まないような本を読むようにしています。紙ベースの本みたいにドッグイヤーや付箋が使えない不便をおぎなってあまりある機能ですが、唯一、難点なのは、引用箇所の頁指定ができないことでしょうか。これからは、学術論文でも章ぐらいを示すようなことになるんでしょうか。

 シェア機能のMailで自分宛に参考になった箇所をメールできるんですから、まとめる際には本当に便利(kindleの画面を指でなぞって部分が自分宛にメールできます)。

 ということで『ざっくり分かるファイナンス~経営センスを磨くための財務~ 』石野雄一著、光文社新書を読み終わりました。

 ざっくりいってこの本は期待収益率=WACCを評価基準にした企業財務の見方の解説と、キャッシュフローの重要性を強調したという感じでしょうか。

 だから、最も大切な一節は《企業価値を高めるためには-中略-フリーキャッシュフローを極大化して、割引率であるWACCをできるだけ下げる。あとは余計な非事業資産があるなら、それを売却するなりしてキャッシュに変え、再投資に回す、あるいは投資家に還元する》というあたりでしょう。そして、経営者の使命はWACC以上のROIC(投下資本利益率、Return On Invested Capital)を上げることだ、と。

 そして、ファイナンスとは《事業活動を行うためには、何かにお金を投じること(投資)が必要です。この投資に関する意思決定》である、と。

 以下、自分宛にメールした箇所です。

投資の《「見返り」を企業は、配当(インカムゲイン)なり、株価上昇による売買益(キャピタルゲイン)という形で株主に還元しなければなりません》

《ファイナンスとは、ひと言でいうと、「企業価値の最大化」をはかるための意思決定に役立つツール(道具)。その意思決定には、投資・資金調達、配当の三つがあります。いずれも企業の将来を見据えた上で行われるものです》

《会計はあくまでも過去のことを表しているのであって、いまの時点の状態を表すものではない》

《社長さんが使えるお金はどこにあるのか。それは、バランスシート上の流動資産のところにある現金・預金》

《フリーキャッシュフローは、企業が事業活動を行った後に、企業への資金提供者である投資家(株主と債権者)に自由に分配することができるキャッシュフローのことをいいます。この「フリー」は、投資家にとってフリー、つまり「このキャッシュは、もう好きに使っていいですよ」》

《この二つを合わせてプラスになれば、この企業は、投資活動を補ってあまりあるほど営業活動で十分なキャッシュを稼いでいることになりますから、有利子負債の削減や配当、自社株買いなどによって、株主へ還元することもできるわけです》

《「投資活動によるキャッシュフロー」に出てくる有形固定資産を取得するための支出額と減価償却費(第4章で説明します)とを比較することによって、その企業が投資活動に対して積極的かどうかが分かる》

《事業活動を行うためには、何かにお金を投じること(投資)が必要です。この投資に関する意思決定、これがファイナンス》

《投資家でも、成長性を重視する株主と、安定性を重視する債権者という図式が生じること》

《銀行は企業に対して、融資という名の投資をしているわけです。これは預金についても同様で、「預金」=「投資」、つまり預金者は銀行に対して投資をしている》

《リスクを避けることではなく、実際にリスクに見合ったリターンを上げているのか」を考えることです。リスクに見合った、あるいはそれ以上のリターンを上げる》

リスクの本質を最も表しているのは漢字《リスクというのは、危険、つまりデンジャーと、機会、つまりオポチュニティというものを、両方表している》とMBAでも教えられるという

《会計は、企業の「過去」に視点を置いているのに対して、ファイナンスは、「現在から未来」に視点を置いています》

《ファイナンスにおける企業価値、それは「投資家にとっての企業価値」です。しつこくくりかえしますが、投資家とは株主と債権者》

《ファイナンスとは、投資に関する意思決定(投資の決定)と、その投資に必要な資金調達に関する意思決定(資金の調達)と、そして運用して得たお金をどう配分するかという意思決定(配当政策)、これら三つの意思決定に関わるもの》

《βというのは、株式市場全体の変動に対して、その会社の株式がどれだけ連動するかというものを表した数字です(株式市場とまったく同じ値動きをする株式のβを1と考えます)》

《「経常利益」という概念がなぜ欧米にないのか、ということを考えると、負債コストしか反映していない利益など意味がない―理由はそんなところではないかと思います。かつての日本のようにメインバンク制度があって、資金調達の大部分を銀行融資という形で賄っていた時代には、確かに株主資本コストを意識する必要性は少なかった》

《「WACCは、企業の資金調達コストです」》

《経営者の使命とは何か? これについてはいろいろ述べてきましたが、ひと言でいえば、WACC以上のROICを上げる》

《ROICとWACCとの差を、EVAスプレッドと呼びます。このEVAスプレッドをプラスにする、そしてさらに拡大させることが経営者の使命といえます。 ちなみに、このEVAスプレッドに投下資本を掛けることによって、EVA(Economic Value Added)を計算することができます》

《永久に毎年100万円の利息をもらえるといって遠い将来の100万円の価値は、限りなくゼロに近い》

《設備投資というのは、土地建物や機械設備に対する投資のことで、在庫投資よりも、お金になって戻ってくるのに時間がかかります。一方、在庫投資というのは、製品や商品を作るための原材料など在庫に投資するということ》

《企業価値を高めるためにはどうしたらいいのか、これについて考えてみましょう。結論から申し上げますと、フリーキャッシュフローを極大化して、割引率であるWACCをできるだけ下げる。あとは余計な非事業資産があるなら、それを売却するなりしてキャッシュに変え、再投資に回す、あるいは投資家に還元する》

《私が通ったビジネススクールのファイナンスの教授は、よく「在庫は現金だ!」と叫んでいました。たとえば、いままでは商品在庫が1個だったのが10個に増えているということは、その分だけお金が必要になっているということです。したがって、どこかからその分のお金を用立ててこなければいけない、ということになります。このように在庫の増加も、運転資金の増加につながるわけです。  あとは、支払サイト(=支払までの期間)が変わることも、運転資金の増減に影響します》

《運転資金が増えると、フリーキャッシュフローが減少する。これは、企業価値の減少につながります。運転資金が増える理由はいろいろあるのですが、ケースとしては、資産サイドが膨らむ、つまり売上債権や在庫が膨らむことによって増えることが多い》

ゴーン時代の日産では、《NPV法をちょっと変形したものをNPV‐Rと名づけて使用し、数字が、1・5以上を目にしていた。これは言い換えれば、100円という価格を支払うのであれば、それによって手に入れるものの価値、つまり、キャッシュインフローの現在価値が150円以上ないとダメ、ということ》

《プロジェクトの投資判断に使用する割引率(=ハードルレート)の設定には、なかなか難しいものがあります。少なくとも、資金提供者である投資家(株主と債権者)の要求するリターン(=期待収益率=WACC)以上にする必要がある》

《そしてプロジェクトのIRRを計算して、WACCと比べて高ければ投資実行、低ければ投資を見送るわけですが、プロジェクトの利回りが単純に高くても、企業価値に与えるインパクトが小さくては意味がありません》

《収益性の高い企業は負債比率が低い傾向にあります。そういう企業は倒産する可能性が低いので負債の節税効果を活用すべきなのですが、実際には逆のオペレーションが行われているケースが多いが、負債が増えすぎると格付けが下がる》

《事業リスクの高い企業は言い換えれば、事業活動から生み出されるキャッシュフローの変動が大きい会社》

《格付け機関が最も重視するのは債務償還能力です。つまり、その社債を期日までにきちんと返してくれる能力があるかどうか》

《マイクロソフトが二〇〇三年まで無配を貫いた》のは正しい選択だった。


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経済紙の記者をやっておりました http://pata.air-nifty.com/
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