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"Blitzscaling: The Lightning-Fast Path to Building Massively Valuable Companies" Reid Hoffman, Chris Yeh

ジムで筋トレ後の有酸素運動でエアロバイクをこぎながら、英語のサビ落としを目的にAudibleで聞いている本の11冊目。

Blitzscalingは成功したIT企業などが採用した、成長最優先で巨大な市場シェアと高い利益率を達成し、短期間で巨大企業になるための戦略です。第二次大戦のドイツ軍が採用した電撃戦(Blitzkrieg、ブリッツクリーク)を模したもの。

"TRANSACTION MAN: The Rise of the Deal and the Decline of the American Dream"Nicholas Lemannで紹介されていたPayPal、LinkedInの創始者でエンジェル投資家のリード・ホフマン(Reid Hoffman)の本ということで「聴いてみるか」と思ったのですが、正直、それほど面白くはなかったというか、中国のIT企業を礼賛していたりして、此の世の移り変わりのスピードの早さに改めて驚かされます。Chris Yehと共同執筆した本で、スタンフォード大学の授業に基づいています。

なにせ、PayPalはピーク時に1日あたり10%成長していたそうです。つまり、毎週、PayPalはユーザーベースを2倍にした、と。このような成長が1か月続けば、顧客は16倍に増加します。これが電撃的なBlitzscalingによる指数関数的成長です。

Blitzscalingは、急速な成長がもちろん含まれますが、企業は常に持続可能である必要もある、と。さらに、すぐに巨大企業に到達したい場合は、4つの成長要因を最大化する必要があり、製品と市場の適合性と運用の拡張可能性(scalability)という2つの障害もある、というのがサマリーでしょうか。

企業が数か月で1億人のユーザーを獲得すると副作用が発生する可能性があります。そのため、ホフマンは、この成長を生き残り、成功裏に成熟するために必要なことを説明するためにBlitzscalingという言葉をつくった、と。それは指数関数的成長中にも持続可能性を確保しながら、成長するプロセスだ、と。

以下の4つの成長因子をうまく組み合わせると、Blitzscalingにつながる可能性がある、と。

1)ネットワーク効果。ただし、ネットワーク効果は、製品が市場で広く採用されるまで機能しません。
2)市場規模。スタートアップ企業はニッチを選択して支配する必要があります。オンラインでない場合は、すぐに成長の限界に直面します。
3)流通(Distribution)Amazonは米国郵政公社など既存の流通ネットワークを選択したり、PayPalが10ドルのサインアップボーナスを行った、と。
4)粗利益率の高さ。取引後に残っているお金が多いほど、再投資することができます。

ユーザーが何を望んでいるかを推測するのは難しく、リリース後に製品を調整しなければならない可能性は高い。PayPalはコア戦略を4回切り替え、Instagramは画像共有だけに移行しましたが、創設者は進んでそうしたことを行う必要がある、と。

もうひとつの要素は運用の拡張可能性(scalability)。製品をより多くの人々に提供するためにはインフラストラクチャ、従業員、リソースが必要で、最初にこれらの問題に対処する必要がある、と。

サブスク、無料戦略(無料ほど安いものはないわけで)などをつかって、いまやBlitzscalingが可能になった、と。

そして、成長レベルは家族->部族-> 村-> 都市-> 国家という5つの段階があるとか、「顧客は常に正しい」という姿勢は採用すべきではなくカスタマーサービスはできる範囲で行うべきだ、なんていうのも印象的。

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