「図書室のネヴァジスタ」プレイ感想

※滅茶苦茶にネタバレします
※褒めだけではない、not for meだった部分も喋ります
※深いものは特にないです、マジでプレイ感想

〇前提

 エンディングリスト全部埋め終わって、ただボーナストラックは全部は見れていません。かつ設定資料集や他コンテンツも未読状態です。
 なので、ちゃんと全部見てないエアプ状態にあることと、上記にも上げましたがあくまでも筆者個人の感想のようなものであることをご了承ください。
 あとあまりゲーム全般に詳しい訳ではないです。ジャンルが違いますが乙女ゲーというものを「精神に問題を抱えた顔の良い男が沢山出てくるゲーム」だと思っている人間です。いやまぁこれ全然乙女ゲーじゃないんですけど、乙女ゲーっぽいなぁと思ったのは前述の印象のせいです。

 ちなみに書評だとかゲーム評の類は、まず褒めてから最後に問題点を指摘する形式をとるものが多いと思います(今後の開発の参考にという観点だよね)が、逆の形式でやります。つまり最初に不満点をぶちまけてから褒めます。なぜかというと、この文章を読む可能性があるのは、誰のでも構わないから初見の感想を浴びたいよ~というファンの皆さまであって、上げられてから落とすより、落としてから持ち上げた方が気分が良かろうと思うからです。
 よ~しではやってイクゾー(デッデッデデデデッ カーン)

 繰り返すがここから先はネタバレを自重しないぞ!

〇全体

・勢いに乗れる人間には乗りこなせるジェットコースター系思想

 まず個人的な気持ちとして、『清史郎とマッキーが全然分からねぇ』が読後に残っているのが、若干notformeなところかなと思います。他人のことを理解できるなんてことは不可能で、ただのエゴだよ。という点もとてもとてもあるのですが。
 清史郎に関しては、君は何故そこまでのことやらかしちゃったのぉ!?というある意味この作品の”表の黒幕”としての重すぎるやらかしや、個人ルートに食い込むワイン問題など、起こした悲劇や犯罪や問題と悲しみに対する、原因とそれに繋がる思想がどこまでも軽い。その因果関係の繋がらなさにどうしてもバランスが取れず、人間性を取りこぼしてファンタジックな要因として、むしろ物語のいびつさ(物語を初めて、かつハッピーエンドになるための装置としてのキャラ)を一手に請け負っているような印象になるんですよね。
 物語が転がり始めるきっかけとなったとも言える賢太郎ですが、上記の見方で見ると、え?賢太郎ってそんなに悪いことしてなくない? 辻村一家の方がよっぽど邪悪やぞ。古川一家を結果的に追いつめたのは良い行動かと言われれば「うーん……」なのは分かるんですが、でもまぁそういう仕事なんだよなって。でもそうやって考えること自体が”悪い大人になってしまう”ってことかぁ……と思ったり思わなかったり。これがもしも古川くんがまじで悪い仲間と付き合いがあっただけで本人に罪がなければ賢太郎サイテー!!って思えるんですけど、結構普通に悪いことやってるんで古川君……ヤクは駄目だよヤクは。
 まぁ皆さんご存じの通り、この物語が始まったのは清史郎が生まれる前なんですけど……。
 マッキーに関しては、主人公というある意味プレイヤーの目という役割を背負っているわりに、古川くんの話題になると猛然と暴走しだして、完全に「この選択肢を選ぶことでこいつ(マッキー)がなにを言い出すのか分からねぇ!??!?」という恐怖があったのもちょっとある。後述しますが個人ルートのマッキーとメインルートのマッキーが別人のように思えるんですよね。

 ここまで自分で喋っていることを自分で否定しますが。全員の思考と感情が全て分かる必要がないのも分かって、モブ気質が強い人間には理解が出来ないからこその主人公/黒幕なんだとも思えます。つまり私には理解できなくて正しいんじゃないの?と思っている。
 因果関係が綺麗に整っていると、理解が出来るし気持ちがいい。ただ、そういった単純な因果だけではなく、感情によって引き起こされる出来事はただ単純な因果に収まらない。という気持ちはあって、個人的にそういった矛盾や効率の悪さといった部分を埋められるのは、キャラクタの感情であり”生きている人間らしさ”だよなぁと思っています。(これはこの作品だけでなく、全ての創作される物語に対して)なので私が言う「清史郎とマッキーが分からん……」は、キャラが好き嫌いとかの範疇じゃなくて、熱いものに触れたら反射的に手を引く、みたいな人間らしさを感じ取ることが出来なかったが故の、もしかして未知の生物なのでは?という原初の恐怖みたいなものです。そしてそれくらいぶっ飛んだ人物でなければ、黒幕にも主人公にもならない、なれないんだとも思う。なのでマイナスか?と言われると悩みます、癖が強いんじゃぁ!くらいかな。

・悪性人間博覧会またの名を最悪家庭環境詰め合わせ

 この作品、ほぼクソ人間しかいないッピ!!
 いや理解はしている、この話って「まともな大人が存在していれば物語にもならずに収束するはずだった物語」なんですよね。後にも言及しますが、そういう意味で一番正しい救いだなと思ったのは茅ルートのtrueエンドです。大人だろうが子供だろうが、問題を一人で抱え込んで爆発をするな。まぁ和泉ルートと辻村ルートに適用できるか?となると難しい所はあるんですが。
 この後も私は、うわこいつ!!!!こいつ最悪ッピ!!!クソ野郎ッピ!!!って主にサブキャラを評価するんですけど、でもまぁ確かに私自身も「あなたはちゃんとしたまともな大人ですか?」って言われてしまうとぐうの音も出ない。そういう意味では出てくる人間大人も子供も全員子供というか、子供な部分を抱えたまま大人になってしまった人間なんだよなって思うと、滅茶苦茶刺さってしまう。
 でも少なくとも刑事罰相当のことをやらかしている人間は普通に投獄されて欲しい、吾郎お前のことだよ。ちゃんとした始末をつけずに、そういうやつだから仕方がないで流すのはいいことなのか?という風になっちゃうんですよね。そこはちゃんとして欲しかった、子供に見せる大人の正しさを見せたかった。
 ただ主題はそこになくて、「許すことでないと人は先に進めない(過去にとらわれてしまう)」というのの方が重いのは分かりますし、割とこの考え方は好きです。前述した性格の下りも似たようなものなのですが、誰もが正しいことを正しく出来る訳ではないので、なにかを間違った時にどこかで止めないといけないんですよねぇ。それが難しいんですが。
 納得したくなかった部分でもありつつ、けれども、大人になることで子供のころの自分たちが思う正しさが失われてしまうならば……といった清史郎の絶望は、ある意味この世が駄目人間まみれであることで救われている部分もある気がします。つまり子供から見た大人たちも、大人らしく大人になった訳ではなくて、大人であり続ける為に実は努力している。人間そう簡単には変われないですからねぇ。それが呪いでもあり救いでもあり……呪いと救いは表裏一体なんですよね。

〇個別ルート

・白峰ルート

 一番最初にやった個人ルートという影響も多大に大きいと思いますが、物語として一番好きなのが白峰ルートですね。そして一番傷ついたのも白峰ルートですね……。
 メインルートからちょっとボタンが掛け違って、白峰君が自分のトラウマに関する情報を得て動き出したら?といった観点で見れるので、メインifといった様相もあって、そういう意味でも非常によく出来ているように思います。
 英雄になりたかった、という願いに呼応する様に、白峰ルートの結末は勧善懲悪の物語のようにして幕を閉じる。その部分の気持ちよさもありますね。まぁ現実は非情だからこそ勧善懲悪の物語に救いを感じてしまうという部分はあります。英雄、ヒロイックな行為というのは、勇敢さというよりはむしろ優しさである。っていうのは実はよくよく分かるんですよ、ゲームなんてやると特に思います、意図的なズラしが仕込まれていなければ、勇者はクソめんどくさいおつかいクエストをこなし、自分自身の生命を脅かしながらも他人を助ける、そういうルートを選べば、ハッピーエンドになるようになっている。そういう意味では暴力vs人間力の勝負とも言えるかも。個人的に悪者にも事情があったんだ系のお涙頂戴の流れは、嫌いではないですが好きでもない中で、後述しますが神波誠二は割と好きです。あんた可哀想だけど同情しないよ、って和泉ルートで言い放ったマッキーはとても良かった。そういう意味で白峰ルートの神波は純然たる悪の化身でとても良いですね。
 英雄になれなかった、嫌われたくないという保身の優しさしかない、と思っていただろう白峰君に、その優しさによって状況を打開する道が開けるのはとても気持ちが良かった。まとも人間が割と多いのもあるわね。
 聖母の格好でナイフ持ってるスチルが凄く好きで喜びの鳴き声上げちゃった(オタク)

・茅ルート

 前述しましたが、私が一番見たかった救いの形だ!!!ってなったルートでした。
 私も一番最初に踏んだエンディングは皆さまの想像の通り茅・賢太郎感電死(溺死?)ルートですし、あの豹変っぷりを必ず全員見ているところから、どうなるんだろうと思っていたら、出会った最初っからもう壊れかけだったいう衝撃の展開で、そりゃそうだわと納得させられたのは気持ちよかったですね。もう壊れてたんだぁ……(納得)その後にどんだけひでぇことをしても、でもまぁ茅くん壊れてるから……で飲み込めたのもある。
 犬(賢太郎)が早々に帰ってくるという、メイン→白峰と踏んできた人物にとっては割とショッキングというか、このルート!全く違う話なんだ……!というのを、さり気なく踏ませるのが大変面白かった。個人的に一番衝撃だったかもしれない。再序盤で本編が終わってる!ってなって面白かったですね。
 一番見たかった救い、と言ったんですがそれは何かと言えば「特定個人ではない、大勢のちゃんとした大人/周囲に救いを求め、ちゃんとした手続きで医療や公的なサポートを受けること」なんですよ。それぞれ白峰は親のさりげない一言から、茅は兄が見放されるまで救ってくれなかった大人への失望、和泉なんて完全に本人じゃなくて親世代の問題だし、辻村もほぼほぼ親世代が悪い、とかいう、容易に大人に助けを求められない環境/精神状況よりどりみどり、みたいな状況なので、ここまでこじれないと介入できないんだなぁ……という無力感もあるのですが。けじめをつけろ、という気持ちは誰にでもあるんですが、一人でけじめをつけようとしたってうまくはいかないことの方が多くて、それを大人だって分からない場合もある。そういう意味でこのルートでは一人で早々にけじめをつけてしまう清史郎と対照的でもあります。
 一個だけどうしても見たかったな~っていうのがあって、生徒会室の鏡を割る茅くん見たかったなぁ。学園における茅家の呪いの象徴ですし。打破して欲しかった。

・和泉ルート

 神波誠二への復讐の仕方がかっこよすぎ第一位。和泉君が親世代にいたら、もしかすると親世代で終わってくれた物語だったかもしれんなぁと思う。
 きわめて個人的な感想ですが、こういう性的虐待の話は滅茶苦茶に苦手で、和泉本人が自分自身に抱いた嫌悪感が理解できてしまって、そういう意味で話の評価とは別次元でオエッとなってつらい話でした。別に私がそういう被害にあっていたという訳ではないのですが、生理的嫌悪感を想起される話なんですよね。普段二次創作のエロ話は嬉々としてしてるんですけども。それに、個人的に百合薔薇ジャンルであれば近親相姦でもなんでもおいしく頂ける性格をしていて、ヘテロだけ嫌悪感がある、という自分の都合のよさみたいなものをえぐりだされてつらみもあった。隙自語ですね。
 選択肢コラーーーーッ選ばせんなーーーっ!!!と深夜のTLで絶叫した記憶も新しいです、ここだけ既プレイの友人にバッドエンドがどっちか先に訊いた。和泉家は完全被害者の割に、別に神波が背中を押さなくても発生してたかもしれない地獄でつらい、でも不思議と花ちゃんのこと嫌いになれないんですよね。いやまぁいい加減にせぇよとは思うけど。
 ワ!賢太郎壊れちゃった!ってなりながらやりましたが賢太郎(人)(犬)が可愛いですね。和泉君に必要だったのは、邪悪な意図のないというか純粋なというか温もりで、犬が最適、うむ。
 生まれてしまったものはしょうがないだろ、と飲み込んで生きていく。どうあがいても解決できない問題に根を張りながらも、前に進んでいく決意を固める話でつらくも納得感が強い話でした。
 和泉ルートに出てくる獣医、SSRまともな成人男性モブで好き。

・辻村ルート

 つ、辻村家、最っ悪~~~~~!!!!(大声)
 最初やりながら実はちょっと不満だったところがあって、最初に提示された煉慈くんの問題点「人の心が分からない」だったんですけど、いや今までのルートでも十分人の心分かってるじゃん?それに古典なんて圧縮された人の心の塊やぞ??みたいに思って納得がいってなかった。最後半になって、問題点はむしろ「素直に助けを求められない/強さの掲示でしか人と繋がる方法を知らない」が問題の本質なんだとちゃんと提示というか導かれてからは、納得したので問題はなかったです。辻村ルートは半分くらい親世代ルートとも言えて、そういう意味で冒頭に繋がる、いやまじ最悪すぎる辻村家、一も寛子も吾郎もいい加減にしろ。
 辻村一の神波京子との高校生時代の過ちはまぁむしろ被害者なんですが、それ以降性癖歪められちゃった!純粋な女しか無理ッピ!じゃねぇクソ野郎ボケカスがこいつよぉ……となるし、辻村一が積極的に女を口説くタイプではないでしょとなる以上、先生に惚れて先生を口説き落としたのにその先生の息子に手を出す寛子も最悪女過ぎるし、吾郎お前は刑事罰だぞ、なに刑事罰の話をしている時に思いやりが足りないんだよみたいな話題で上書きして被害者面しやがって……。お前言っとくけどネヴァジスタ書く時に登場人物足りないからって煉慈くんのことをストレートに”レンジ”にする時点でお前はセンスがねぇ、そういうところやぞ煉慈くんに文学賞とられたの、話題性が~とかじゃなくてお前の実力不足だボケカスがよ(感想)という。もうちょっと辻村一家への感情的な救いが欲しかった、自首できない理由とか、それがなくても葛藤とかさ……。辻村家唯一の聖人が煉慈くんの実の母で故人っていう悲しさだよ。
 完全な暴力で現状を打開する吾郎ルートは正直結構好きなんですが、家族の絆がある、と神波誠二に言うのは非常に皮肉でいいですね。吾郎お前はポケモンになれ、行けっ吾郎!暴力!
 あとなによりもこのルートは西風の賊の訳文がいい。これが非常に非常に最悪すぎる物語の始まりである過去話の最悪後味を綺麗にしてくれる。長くなるので以下別章で立てます。

・辻村ルートおまけ

 訳文から滲み出る心境の変化が鮮やかでいいねって話

天体観測時辻村訳(本編より引用)
『詫びしく麗しい 秋の調べ
私と共に森に奏でさせる おまえ
烈しいものよ 私の魂となれ
激しいものよ 私となれ
死した私の思想を 朽葉のごとく
天の高原へと 撒き散らし
新たな息吹を 呼び起せよ
そして この詩が持つ魔術で……』


図書室のネヴァジスタ

 ユニバース、宇宙を「天の高原」って訳すの天才が過ぎる。
 この時点ではまだ翻訳途中の直訳調なのもありますが、情景描写重点なんだなぁっていう。

解脱辻村訳(本編より引用)
『私の言葉を 人々の間に!
私の口から 目覚めぬ大地に
予言のラッパを吹きならせ!
おお 西風よ!
今こそ 私が叫ぼう
冬来たりなば春遠からじと!』

図書室のネヴァジスタ

 力強いですね、解脱している。
私が思うに天体観測時辻村先生が後半を訳したなら
『私の言葉を広く報せよ 炉の灰と火の粉の散るように
目を覚ましていない大地へと 私の唇を通り抜け息吹は伝わろう
予言の喇叭は鳴る 嗚呼、風よ
冬が来たというならば、春が遅れようか?』
とかになりそうかなと、

逆にじゃあ前半部分を解脱辻村先生が訳したとしたらどうなるだろうか、と考えれば、
『甘く侘しい秋の音を 私と共に奏でるおまえよ
心に燃ゆる炎よ、私にへと灯れ!
天の高原へ 死した葉が新しい命を生むよう
燃える火の粉と灰を降らせ!』
とかかなぁとおもうんですよね。まぁビックリマーク(エクスクラメーション)の勢いもあるんですけど。楽しいね。

〇全体に関わる人物たち

・マッキーと賢太郎について

 マッキーわかんねぇ~~って再序盤に言いましたが、ある意味シングルコア猪突猛進ボーイであるマッキーが上手く立ち回る為には、問題を一つに絞ってやるといいんだ!ってのを個人ルートで強く思いました。軽く前述しましたが、メインルートと個人ルートでマッキーの印象がものすごく違うんですよ、個人ルートのマッキーは古川君問題をまぁたまに気にはしますが、それよりも今目の前にいる一人の生徒のことを考えることで、わりと正解を引き当てる大人の男になれてる感じがするんですよね。そういう意味では、大人が介入してはメインルートは解決できないんだ。子供と大人になり切れない子供が、自分たちが先に進むことを納得しないといけない物語なんだ。とも思える。
 賢太郎好きです、なぜかってメインに絡む人間たちの中では一番まともなんだよな(消去法)。
 大人になりたくなかった子供が無理矢理大人になった賢太郎と、大人になりたがるマッキー、大人になりたがるってのはつまり子供だってことなんですよね。そういう意味で、子供を引きずってたまに失敗をするけどもそれでも大人になった存在としての主人公なのかなと思う。

・神波誠二について

 許せないけど、可哀想。マッキーが和泉ルートで言った台詞がビタッと個人的にははまりましたね。
 エンディング1と2ですよなにより。友人と通話して喋ったことなんですが、個人的にエンディング2の「ねがい」これはこうなっていればよかったのにというifの”願い”と取るのが一般的であると思うんですけど、個人的にはやり取りがより子供っぽいなと思って、むしろ最悪のループものなんじゃないのっていう感情があります。つまりあの日以前、もっと神波誠二が小さいころからあの二択は日常的に突きつけられていたもので、何度も何度もエンディング2を迎えていたんじゃないのか?という。だからタイトルがひらがななんじゃないの?とも思っている。つまり何度2を選んでも、子供である間中はずっと繰り返しあの質問は神波誠二に提示されて、大人になろうとして独り立ちをしようとした瞬間にエンディング1の”あの日”はやってくる。うーん最悪感想。
 瞠君との関係性も、和泉ルートで割と深めに依存してるんだなぁとなって可哀想。大人になろうとした瞬間に存在を殺されたのは神波誠二なんすよね。ある意味誰よりも最初にネヴァジスタへ旅立っている。瞠くんも親から自分のことを思って名前を与えられたけれども、神波誠二は名前すら自分のためのものではないっていうのがウウウウワー本当に可愛そうだな。でもすっかりいじめが趣味になってるのはお前の性格だし罪やぞ神波誠二。割り振られてる曲が「荒野の果てに」なのが最悪ッピなぁ~。
 この作品だけじゃないけど、オタクコンテンツにおける聖職者、体感8割くらいで悪役なの、深刻な風評被害だよな。

〇好きなbadエンド

 これ案外初期に決まっててメインルートの「幽霊棟の幽霊」ですね。救いはないッピ!ワインでネヴァジスタに行かずに全員が一緒に終わりを迎えるエンドです。多分マッキーも無事ではないだろうし。
 サスペンスみが強くて、精神的な結論としてのエンディングとして好きというよりは、これを踏んでからさらに先に進むとやっぱ面白いねぇってなるというか。バタフライエフェクトとか風が吹けば桶屋が儲かる的な、「沼から死体が見つかって、生徒が五人首を吊った。なぜ?」みたいなラテシンっぽさもあるね。(※ラテシン=論理パズル、ウミガメのスープ問題とか)
 物語が(さらに)動き出すぞ!という時に、ガクッと急停止する重力を感じる圧が好きです。ちなみに私は天邪鬼なので、瞠くんを手懐けていたにも関わらず、下の選択肢からしらみつぶしにした影響でこのエンディングを四回見ました。呪いだッピ!

〇まとめ

 面白かった!ぐだぐだ書きましたが、ぐだぐだ書けるくらいには面白かったです。粗削りな部分もかなりあるんですが、魅力的な物語でした。
 やらしい話ですが値段に対してボリューム感がかなりあるし、恋愛要素の(ほぼ)ない乙女ゲーみたいな、乙女ゲーについてなにも知らないので怒られそうだなこれ。古き良きテキストアドベンチャーみがありますね。
 内容は現代社会みを滲ませてますが。現代社会のグロを滲ませつつ、まんまではない感じがいい、これは二次元だなと思える現実から浮いた設定があって助かった感じがあります。私個人、創作物を介して現実世界を見つめることも好きではあるのですが、これはそういったものというより、現実世界っぽい創作世界を眺めて、その世界とその世界に生きるキャラクタの喜びや悲しみを考えられる。重くなり過ぎず、けれども軽すぎない、適度な感じがしています。

 冒頭にも述べましたが、これはあくまでも私個人の感想ですので、違う!とかそうじゃない!とか、そういうキャラクタや解釈に篤い思いがある方には、浅い!と一蹴される内容もあるかと思います。ご覧いただいた方で、もしもそういった篤い気持ちがある場合、よろしければコメント等で補足して頂けると助かります。


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