この頃の朝の空気は冷気を含んでおり、清々しさとともに秋の到来を感じさせる。今日は一日中雨で、洗濯物も干せず部屋で台風が過ぎ去るのを待っていた。秋晴れの青空を想って、歌詞の中に「空」「Sky」がある曲を選んでみた。聴く時間帯によっては目頭が熱くなるような曲たち。
坂口恭平の書く歌詞には「空」がよく出てくる。
「葉桜」「飛行場」「かみさま」「10年後」「クバナカン」「ドライブスルー」等
ペンでドローイングを描いたり、雨の椅子が倒れたり、Soundcloudに曲を載せていた頃の彼を知っている。だから坂口恭平がモネの画集を手に入れ、ホッパーやセザンヌやモンドリアンの風景画を参考にパステル画を描き始めたとき、ああついに風景画を生み出すのか、その分遠いところへ行ってしまうのだろうと思った。そこに近づきがたい驚きがあったとしても、絵画と音楽は別である。いつも外の世界へ一歩踏み出したくなる曲を作ってくれるのは、坂口恭平の心のキャンバスには自然がそっくりそのまま映るからだろうか。風や水や緑に素直に触れられる言葉の持ち主だと思う。