EURO2024 ベストイレブン&出場国感想
ベストイレブン
システムは4−3−3。
右SBはフランス代表のJules Koundé。
不調なフランス代表の中で安定して良いパフォーマンスを披露していた。守備は勿論攻撃の貢献が多くクロスなどでチャンスを演出していた。敗戦したスペイン戦でも好調のNeco Williamsを封じ込んでいた。オランダ代表のDenzel Dumfriesや特にイングランド代表のKyle Walkerと少し迷った。Kyle Walkerは運動量豊富で特に良い意味派手で目立ちやすくて決勝まで行ったので選出しても良かったが安定感という意味ではJules Koundéの方があったと思うので彼を選んだ。
CB1人目はDeclan Rice。
どうしても選びたかったのでギリCBも出来るとのことで無理矢理捻じ込んだ。正直今シーズンで見せたアーセナルでのパフォーマンスの方が凄くて代表ではイマイチ良さを出しきれていない印象はある。が、全試合出ている変えの効かなさや組み立てにキチンと毎回絡みつつ危ない場面では未然に防ぐカバーリング、そして終盤まで走り切る運動量など素晴らしかったので選んだ。
CBもう1人はAymeric Laporte。
左足からのフィードや縦パスなどは効果的で中東にいるのが勿体無い位全然通用していた。勿論守備も素晴らしい。
左SBはMarc Cucurella
好調のライバルAlejandro Grimaldoを控えに追いやり完全にスタメンを確保。
何と言っても守備が素晴らしい。サイドだけでなく中央に絞り切って守ったりと範囲の広さも良く攻撃でもNico Williamsの邪魔をせずサポートしながらタイミングを見た上がりも良かった。
中盤1人はRodri
絶賛される理由が分かる選手。めちゃくちゃ上手いのに当たり前のようにやるので上手さを良い意味で感じず淡々とプレーする感じもまた良い。
組み立てからパスだけでなく状況を見たポジショニイングや予選では得点が欲しい場面でも得点を決めてくれたし頼りになりまくり。そし守備対応も素晴らしくここを抜かれたり通されたら危険だなという場面でことごとく対応島持っていた点も痺れた。The Spainアンカーという感じ。
次は同じくFabián Ruiz。
特に予選ではこんなに上手い選手なのかと驚いた。見る前のパッとしない印象を見事に打ち砕いた。足元の上手さでパス回しは勿論シュートも際どいのを打ち得点も奪うなど完成度が高かった。
もう1人はToni Kroos
この大会で躍進し内容面で言えばスペインに次ぐ良さだったドイツ代表において間違いなくその要因の1つがこのToni Kroosの復帰だったと思う。
もしToni Kroosがいなかったらここまで内容結果が良くなかったと思えてしまう。文字通り司令塔となりToni Kroosから攻撃が始まりチーム全体が動いていた。
FWの右はLamine Yamal。
文字通り衝撃的。これでまだ16歳は信じられない。ドリブル突破や足の速さはもちろんクロスも精度が高く、今大会でもクロスからの足元がある位正確。
そして何と言っても度肝を抜かれたのはフランス戦のミドル。化け物過ぎる。
真ん中はDani Olmo
これもDeclan Riceと同じでポジション無視の無理矢理ねじ込んだ。ギリギリまでCody Gakpoと迷ってはいたが得点王も取ったし重要な場面での得点だけで無くアシストや組み立てや崩しでの貢献、そしてペドリの怪我で得たチャンスを見事に物にした点も考慮して選出した。一応ポジションはゼロトップで想定。多分やってくれるはず。
左はNeco Williams
スペインの躍進を支えた要因の1つ。両サイドでこれだけキレキレで抜ける選手がいるのは心強い。Lamine Yamalで頭がおかしくなったいるが彼もまだ21歳とバリバリ若手。得点も奪えるし自信を感じる仕掛けは好感が持てる。
この11人以外で追加したかった選手もいてその1人目はBukayo Saka
調子が悪そうだったイングランド攻撃陣で1人だけ危ない動きをしていた選手。
パスを回すだけで中々決定的なシーンを作れない中で彼の右サイドからの仕掛けは数少ない希望でスイス戦では同点弾のミドルも叩き込みチームを救う働き。
もう1人は同じイングランド代表のMarc Guehi
初戦のスタメンを見た時に誰だ?と思うくらい印象は無かったものの、そこから全試合イングランドの試合を見た後でイングランド全選手で一番安定して活躍していたのは彼だったと思う。派手さはないが毎回安定して守備をしていて堅実な対応で貢献していた。
FWの枠はCody Gakpo
正直目立ったFW選手がいない今大会だがその中でも複数得点を奪い活躍していた選手。とは言っても純粋な真ん中のFWでは無く左ウイング。そこから好調さを感じるドリブルのキレでカットインシュートで点を奪っていた。ギリギリまでベストイレブンに入ってはいたが最後の最後で得点王にもなりチームにも貢献していたDani Olmoを選出したのでCody Gakpoは選外に。ただオランダの攻撃を牽引する1人だった。
最後はWilliam Saliba
デシャンの過去の言動でイマイチ信頼されたい無い感じが見受けられていたがこの大会では相手のエースを封じ込めて文字通り守備のリーダーになっていた。
個人的印象に残ったベストイレブン
GKはGianluigi Donnarumma。
Giorgi Mamardashviliと共にビックセーブを連発し最後の砦として立ちはだかった。クロアチア戦ではLuka ModricのPKを阻止するなど決定機も阻止した。
右SBはFerdi Kadıoğlu
無理やりねじ込んだ枠。本来左SBなのだが調べてみると右SBも出来るとのことで右で選出。個人的サプライズ枠。めちゃくちゃ良い選手。守備も体を張って阻止できるし攻撃でもドリブルやクロスで何度も貢献してくれてレベルが高いプレーを毎試合やっていた。トルコ選手で間違いなく1番良かった。
CBはManuel Akanji
正直彼かNathan Akéとも迷ったが競合を差し置いて勝ち上がったスイスを支えたManuel Akanjiを優先して選出した。3バックの真ん中で守備対応は勿論組み立ての場面でも絡んで時には運び出すなど攻守で不可欠な存在。
もう1人はベルギーのWout Faes
初めて見た時に髪型が似すぎていて同僚のArthur Nicolas Theateとずっと間違えていた。特に初戦では圧倒的に相手を封じ込んでいて凄い選手だなと驚いた1人でそれ以降の試合でも堅実な対応で素晴らしかった。
もう1人はRiccardo Calafiori
現代的なものを持ち合わせているCB。多分左SBできそうなので彼も無理矢理左SBで選出。左足からのパスや持ち運びなどはどのクラブも欲しがりそう。今大会で一番名前を売った選手と言っても過言では無い。
中盤の1人目はN’Golo Kanté
サプライズ復帰だが結果チームに欠かせない存在に。守備は衰えなく素晴らしく攻撃でもどんどん絡んでいき相手の深い位置まで入り込むなど積極性も光った。運動量も豊富。
もう1人はVitinha
正直本命のベストイレブンでも選びたいぐらいパフォーマンスが良かった。何度かプレーを見たことはあるがここまで好印象ではなくこの代表での動きは素晴らしかった。何より足元は上手くそれでいて奪われないキープ力もあり組み立ての中心人物。彼とFabián RuizがいるPSGの試合をもう一度見てみたい。
中盤の最後はKevin De Bruyne
ベルギーの攻撃の中心。彼もまた圧倒的。奪われず中からでもドリブルで前進できてそこからパスやシュートなどまさしく脅威。Kevin De Bruyneがいなくなったらベルギー代表は相当厳しいと思う。
FW右はOusmane Dembélé
何度かスタメンを外れており今井t定位置は確保出来てはいなかったが、貴重なドリブラーで出場していれば何度もチャンスを作っていた。性格はともかくドリブルは素晴らしい。
真ん中はBarış Yılmaz
真ん中で出場しながらもサイドに流れる場面が多くそこから仕掛けての突破やサボらずに走れる運動量などチームに1人いれば非常に助かる。得点力もあり攻撃としても優秀。
左はJérémy Doku
彼も衝撃を受けた選手。初めて見たというのもあるがこんなに警戒されていても抜けたりチャンスを作れるのかと思った選手で、彼にボールを渡せば何かやってくれそうな雰囲気は凄い感じた。独りよがりに感じる部分もあるがそれだけ自分のドリブルに自信を持ちまくりで仕掛けまくっていた。
惜しくも選外の選手も何人かいてその1人目がJamal Musiala
ドイツの崩しの重要存在。キレもあって調子も良さそうで得点を奪うなど決定機にもしっかり絡んでいた。
次の選手はNuno Mendes
守備の安定感と時折見せる攻撃参加での貢献など地味ながら凄い良かった。
もう1人はNathan Aké
バランスをとりつつ左足からの正確なパスや状況を見ての攻撃参加でチャンスを作ったりと素晴らしかった。安定感抜群。
もう1人はPierre-Emile Höjbjerg
デンマーク選手は基本全員良かったのだがその中でも真ん中で攻守に貢献し躍進を支えた1人。パスなどでゲームを作りつつ危ない場面では体を張った守備などもっと評価されても良い選手。
最後はLukasz Skorupski
彼は1試合だけしか出ていない。しかも敗退が決まった最終試合のフランス戦でWojciech Szczesnyに変わって出たが今大会でパッと思い出した中で1番GKが活躍し敗戦から救った試合がこのフランス戦だった。
文字通り止めまくりで当初は思いで出場みたいな感じで出番を得られたっぽいのだがここまで見事に防ぎまくって圧倒的な出来だった。
素晴らしい
スペイン
開幕前はベスト8くらいで優勝はしなさそうだなと思っていたらその評価を180度変えた。繋ぎの上手さは勿論あるが、そこに守備の出足の良さと攻撃の速さも加わり非常に面白いチームになっていた。そして最大の強みは何と言っても両翼のLamine YamalとNico Williamsの快速ドリブラーコンビ。お互い調子が良くキレもありどんどん仕掛けて得点を奪ったり演出していた。そこにRodri、Fabián Ruiz、Dani Olmoら足元巧みで攻守に安定感抜群の中盤にAymeric LaporteやMarc Cucurellaなどの最終ラインなど攻守に隙がない陣形。
強いだけでなく試合も面白いのが良い。特に予選のイタリア戦はあまりの強さに衝撃を受けたし、決勝トーナメントのドイツ戦では攻守にお互い激しくベストバウト候補でどの試合も見応えがある。
やっぱりポゼッション主義のチャカチャカサッカーよりはポゼッションもありつつ縦の速さがありドリブルで仕掛けていく展開は面白い。
気になった選手
Aymeric Laporte
サウジに行ってしまったしスタメンどうなの?と思っていたが試合を見ていると出場しているのがわかる選手。守備では地上空中どちらも抑えて、左足からのフィードや持ち上がりなど攻撃にも貢献できる。
Marc Cucurella
予想以上の働きぶりで驚いた選手。特に守備での貢献は素晴らしかった。自分の守る左サイドでの対応は勿論、危ないと分かれば中央などでも躊躇なくチェックしに行ってしっかり潰していた。なんでAlejandro Grimaldoがスタメンでないのかと思っていたが試合を見ていると納得してしまうくらいMarc Cucurellaの動きが良過ぎた。
Rodri
プレーを初めてみたがManchester Cityで不動の位置を築いているのがわかる選手。繋ぎの安定感は勿論状況判断などまさに心臓部。危ない場面もさりげなく回収したりして地味ながら重要な働きを見せてくれた。
Fabián Ruiz
試合を見るまではこれまでのスペイン選手のシャビ、イニエスタらに比べるとかなり地味だなと思って全く期待していなかったが、結果素晴らしい働きぶり。
特に予選では得点を奪うなど繋ぎの部分だけでなく得点にも絡みかなり好調。中盤の安定感も抜群でスタメンが納得の仕事ぶりだった。
Dani Olmo
当初はペドリが出場していて中々スタメンで出れなかったが徐々に出番を増やすと出る度に得点に絡んで存在感を出すとペドリの怪我もあり終盤はスタメンで固定。
何より得点やアシストなどしっかりと結果に絡めるのが大きかった。
Lamine Yamal
衝撃的な選手。速さドリブルのキレ、そしてクロス精度の高さにシュートの上手さは圧倒的。さらに驚きなのがまだ16歳という年齢。すでに世界を見渡しても右サイドの第一人者くらいの存在感はあるしこのスペイン代表でも不可欠な存在になっていた。
Nico Williams
右のLamine Yamalと共に左でキレキレのドリブルでどんどんチャンスを作っていた。スペインはこの両翼が素晴らしかった。イタリア戦では手練れのGiovanni Di Lorenzo相手にチンチンにしていた。
イングランド
最も困惑し最早意味が分からないチーム。初戦から勝利したものの内容が酷くそれ以降も改善する気配が全く無く、決勝トーナメントのスロバキア戦では90分にJude Bellinghamが1点を追いついたのをきっかけに延長の末勝ち越したものの90分までは内容共に酷く負けに相応しく、スイス戦も同じく内容が酷く終盤追い付きPK戦の末勝利となんで勝ち上がれているのかが不思議でしょうがなかった。
全体の動きも悪くHarry Kaneも調子が悪く、Jude Bellinghamも初戦は良かったもののそれ以外は不発でPremier LeagueのMVPであるPhil FodenにBukayo SakaやDeclan Riceなどメンバーは豪華そのものなのに実力を全く発揮できていない感時なのに頑なにスタメンを変えず選手交代も遅いと最悪な印象で、他のCole PalmerやConor Gallagher、Ivan ToneyにJarrod Bowen、Anthony Gordonなどもっと使えよと采配も不満だった。
それなのにスイス戦から3バックに変えてからは動きが改善されてきてオランダ戦ではしっかりハマって終始オランダを圧倒していた。
こんなに内容と結果が両立してないチームはあるのかと逆にすごいなと思ったぐらい。
実際予選突破しても決勝に行くのは200%無理だなと思っていたが結果まさかの準優勝。
実際選手からは監督の信頼しているコメントが多く出ていて少なくともチームの雰囲気や一体感はあったとは思うがそれでもこの結果は全く予想外。
ここまで予想外で困惑したのはカタールW杯の日本並み。
サッカーが分からなくなってきた。
Kyle Walker
右SBと右CBをこなし攻撃での持ち上がりは迫力があった。守備でもアグレッシブで良かった。
Marc Guehi
序盤戦チーム全体がパッとしない中で唯一安定した働きぶりで良かった1人。
守備対応で穴がなく安心して見れた。
Declan Rice
Arsenalほどの破壊力は無いものの起点になり続けてパスを散らしたり味方の攻め上がりの埋め合わせなど攻守に欠かせない存在。
Kobbie Mainoo
序盤戦は控えで出番はなかったが決勝トーナメントに出場機会を得てからはチームに不可欠な存在に。パスでリズムを作り持ち上がりでチャンスを作り出すなど10代とは思えない落ち着きぶりで良かった。
Bukayo Saka
困った時に頼りになる存在。先発している選手の中で1番ドリブルの脅威がありカットインからのシュートや縦に行ってからのクロスなど崩しの重要な存在に。
後は何と言ってもスイス戦の組織を関係なく壊す圧倒的個人技からのシュートはチームを救った。正直あれがなければ負けていたと思うくらい素晴らしかった。
ドイツ
自国開催だったもののここ数年ゴタゴタがありそこまでやれないのではないかなと思っていたので開幕戦見たら予想以上に良くて驚いた。
グループリーグでは2勝1敗と危なげなく突破、続くデンマークにも勝利し優勝が見えたものの次のスペイン戦で 1−2で敗北。しかし内容では負けていなくて惜しい場面もありもう少し運があれば勝てたなと感じる内容だった。
メンバーは基本固定しているが控え選手含めて一体感もあり良いチームに仕上がっていた。開幕前の印象を考えたら個人的には全然良かったと思う。内容面含めるとスペインと対を成して強かった。
Jonathan Tah
Antonio Rüdigerとのコンビは鉄壁。Bayer 04 Leverkusenでの好調さを代表でも引き継いだ。地上空中どちらも無欠だった。
Toni Kroos
ドイツのMVP。ここまでドイツが検討し復活した要因に間違えなくこのToni Kroosの代表復帰がある。文字通り司令塔になりリズムを作るパスを配給しつつ1発で状況を変えるロングパスは圧巻。素晴らしい。この大会で現役引退なのが残念すぎる。
Jamal Musiala
ドイツの崩しのキーマン。間で受けたりドリブルでどんどん切れ込んだりとチームに欠かせない存在だった。
Ilkay Gündogan
トップ下で嫌がる立ち位置でパスを受けたり裏へのパスや持ち上がりなどJamal Musialaとは違うがこちらも崩しのキーマン。守備でのプレスもサボらず素晴らしい。
ジョージア
チームの規模やメンバーを考えると素晴らしい以外の何者でもない。確かにGiorgi MamardashviliとKhvicha Kvaratskheliaと圧倒的なタレントはいるもののそれ以外は全く無名と言っても良い選手陣営。そんな中でポルトガルを撃破して予選突破しスペイン相手に一時はリードするなど驚かせた。
初戦はトルコに 1−3。しかも終盤のCKにGiorgi Mamardashviliが無駄に上がりカウンターを受けて被弾し3点目を奪われるなど得失点と対戦相手を考えても厳しい状態だったにも拘らず、最終戦のポルトガルに対しては相手がターンオーバーをしたことを加味しても勝利したのは素晴らしい。スペイン相手にも善戦したしあわやを期待できた。
戦い方はシンプルな5−3−2でとにかく守る。そして攻撃は基本前のGeorges MikautadzeとKhvicha Kvaratskheliaと素早い攻め上がりでなんとかゴールを奪うサッカー。弱者のサッカーではあるものの全員がしっかり仕事をこなしたのと後ろに最強の盾のGKのGiorgi Mamardashviliと前には最強の槍のKhvicha Kvaratskheliaと攻守に圧倒的キーマンがいたのが大きかった。
気になった選手
Giorgi Mamardashvili
4試合何度もビックセーブを連発しチームを救う存在に。身長も2メートル超えの年齢23歳と非常に楽しみな存在。
Giorgi Kochorashvili
アンカータイプな選手。目立つ存在や圧倒的な仕事をするわけではないものの、守備や落ち着かせるパスなど地味ながら良いプレーが多かった。
Khvicha Kvaratskhelia
大雑把に彼にボールを出せばとりあえず何かしてくれる。自軍からでも相手のゴール前まで持って行けるし何人かは剥がしたり抜いたりしてくれるドリブルは凄い。
Georges Mikautadze
Khvicha Kvaratskheliaの相棒。彼もドリブルで抜いたりとチャンスを作っていたし、PKを主に任せられてしっかり決めていた。所属クラブもフランスのメスで5大リーグにいて、今夏にステップアップの噂がある選手。
スイス
出場国の中でも特に戦術的で組織的だった印象のチーム。
偽SBならぬ偽WBという面白い戦い方をしてベスト4まであと一歩のところまで行った。予選を通じて対戦国がドイツ、イタリア、イングランドと対しても戦績が1勝2分けで敗戦は無く(イングランド戦では引き分けのちPK戦で敗北だが)決勝トーナメントではイタリア相手に2−0と倒したのも素晴らしかった。
もちろんタレントは各所にはいてYann SommerやFabian Schär、Manuel AkanjiにGranit Xhakaなど揃ってはいるものの少し攻撃のタレントが不足してる印象はあり予選突破は出来そうだが勝ち上がりは難しそうだなと思っていたら予想を大きく裏切ってくれた。
組織的でコンパクトなブロックを維持しつつラインの上げ下げもサボらずしっかりしていてクラブチームに近い練度だなと思った。
気になった選手
Manuel Akanji
今大会初めてプレーを見た有名どころの選手でなぜManchester Cityで出場を出ているか分かる選手。足元上手くて詰まったりしたら自ら前に出る推進力もあり攻撃の貢献をしっかりしてくれて、本業の守備でも安定感抜群で素晴らしかった。
Ricardo Rodríguez
正直SBのイメージが強すぎるので主に任されていた左CBは大丈夫なのか?と思っていたが難なくこなしていた。そして機を見た攻め上がりからの持ち味の精度と速さのあるクロスは絶品。ミドルも打てるのもポイント高い。
Ruben Vargas
スイスの躍進の要因の1人。ハイライトは何と言ってもイタリア戦の鋭いシュート。サイドで躍進。
Dan Ndoye
Ruben Vargasと印象が被る選手。だが個人的には彼の方がお気に入り。スピードとドリブルのキレがあり特に予選ではチームを引っ張る活躍をしていた。
Breel Embolo
出始めの頃に期待の若手のトップに並んでた記憶があったがその後は色々伸び悩んでいた印象。しかし今大会では彼の実力の片鱗が見えた。パワーがありボールを収めるポストプレーもこなし足の速さもあるのでフィジカル能力はかなり高かった。それに加えイングランド戦ではしっかりゴールも決めてFWとしての役割も果たしていた。今後に期待。
トルコ
癖の強い選手を揃えていて、会場の雰囲気という意味でも開催国のドイツにトルコ系移民が多く駐在しており応援の勢いも出場国の中でも抜けていた。
正直爆発した試合は会場の雰囲気含めて止められない勢いを感じたが、ポルトガル戦の0−3の敗戦や最終節の荒れに荒れたチェコ戦など流れが悪くなると一気に飲み込まれてしまうなど凄い不安定で博打なチームな印象だった。
ただそこがまた面白くて良くも悪くも魅力のあるチームで見ていて面白かった。
敗れて敗退になったオランダ戦も2−1と逆転された後の終盤の畳み掛けは面白かったしもう少しで得点を奪えそうだった。
主な得点源の1つはセットプレーでオーストリア戦やオランダ戦ではセットプレーから得点を奪えていた。
個人でも顔であるHakan Calhanogluや新進気鋭のArda Gülerとユルディズなど面白いタレントがいるので今後の国際大会でも躍進しそう。
気になった選手
Ferdi Kadıoğlu
今大会衝撃を受けた選手ランキングに確実に入る選手。左SBで本当に文字通り攻守に躍動しまくっていた。守備ではボールを刈り取り攻撃では積極的な攻め上がりで多くのチャンスを作り出していた。全ての試合で目立っていてトルコ選手で圧倒的MVP。
Arda Güler
とんでもない若手枠。初戦で見た時は衝撃。伊達にレアルマドリー所属していない。
サイドを切り裂く系の選手というよりはクロスやパスなどのアシスト系でカットインしてのシュートもあるざっくりイメージダビド・シルバや久保みたいなタイプなのかなと思う。
Barış Yılmaz
個人的にトルコで好きな選手。FWで先発が多かったが良くサイドに流れるのが多く運動量があり上下動をしっかりしてくれてドリブルでの突破や頑張ってボールを収めるなど頑張っていた。個人的トルコ攻撃陣の中でMVPを挙げたい。
期待以上
アルバニア
グループリーグ敗退だが個人的に期待以上。
1戦目のイタリアは開始1分にFederico Dimarcoのお笑いミスで先制するという願ってもない展開だったにも関わらずその後すぐに失点を重ねて、その後の内容も良くなく、期待は全然していなかったのだが、2戦目のクロアチアは見違えるほど良くなって驚いた。守備もしっかり構築してカウンターの威力も良くて結果はドローだが内容で言えばアルバニアの勝利だったと言っても過言ではなかった。
3戦目のスペインは前半守備重視で攻撃の形を中々作れなかったものの、後半はスペイン相手に守りながらもカウンターで惜しい場面も作るなどあと一歩ではあったが結果は0−1で敗戦し敗退決定。
1戦目の酷い内容から2戦目3戦目の後半は見ていて面白かったし、目立った選手はいないものの、試合を見る前の期待値を考えると敗退したものの期待以上の評価をしたい。
デンマーク
守りを固めるのではなくしっかり組み立てていくポゼッション型のチーム。3−5−2が基本型で後ろの3人Joachim Andersen、Andreas Christensen、Jannik Vestergaardが高さもあるしボールを持てる。その前のボランチには組み立て潰しが出来て頼りになるPierre-Emile Höjbjergにパンチのあるミドルもあり、イングランド戦でのミドルシュートは圧巻でSporting CPで守田 英正の同僚でもあるMorten Hjulmand。トップ下には頼りになるChristian Eriksenに前線2人は高さもあるし守備も決して手を抜かないRasmus HöjlundにJonas Windと非常にバランスが良い。惜しくも敗れて敗退になった決勝トーナメントのドイツ戦もほんの僅かでオフサイドで取り消しになったゴールにかわいそうなハンドジャッジなど判定に泣いた印象もある。もう少し見たかったチーム。
気になった選手
Pierre-Emile Höjbjerg
個人的デンマークMVP。気になるところの潰しや組み立てのパスなどチームに欠かせない存在感を発揮。なんでTottenham Hotspurで出れないのか不思議なくらい。
Morten Hjulmand
Rasmus Höjlundとボランチコンビ。イメージとしてはRasmus Höjlundよりもう少し前で攻撃に絡むのかなと思う。ハイライトは何と言ってもイングランド戦でのミドル。ドイツ戦は出場停止で出れず。もし出ていたら結果は変わったのかも。
Christian Eriksen
流石の存在感。崩しのアイデアやラストパスなどは素晴らしい。
Rasmus Höjlund & Jonas Wind
正直この2人はセットの印象。どちらも守備でしっかりハードワークできるし、Rasmus Höjlund191㌢Jonas Wind190㌢とどちらも高い。それにどちらも意外に足が速い。後は得点力があれば完璧。
スロバキア
タレント不足をチームの統率感で補い決勝トーナメントに進んだチーム。
ブロックを形成しつつプレスもしっかりかけてブロックは非常に強固で隙がないチーム
ベルギー相手には 1−0で勝利し内容もプレスをしっかりかけるやり方で統率が取れていた。敗れたウクライナ戦も途中まで内容悪くないし3戦目のルーマニアだけはお互い予選突破の兼ね合いで塩だったものの非常に良いチームという印象だった。
それだけに決勝トーナメントのイングランド戦は悔しすぎる。リードしていて90分のアディショナルタイムまで行っていたのに最後の最後に決められて同点で延長に。
同点弾を決められた時のチーム全体の雰囲気や、もはや体力とエネルギーがないのは見ても明らかで絶対に点を取れるだけの余力はないだろうなと思っていたら、イングランドに勝ち越しを決められて結果巻き返せず敗戦。
攻撃力はないものの組織された守備は見事なので勝ち上がって欲しかった。
気になった選手
Denis Vavro
認知度で言えばコンビを組むMilan Skriniarの方が有名ではあるものの、彼も体を張った守備や空中戦など相手をシャットアウトしていた。地味ながら良い選手。
Stanislav Lobotka
スロバキアで知名度ある選手。アンカーで散らしなど司令塔として文句なし。安定感抜群。
スロベニア
基本は4−4−2でメンバーも固定。全体がコンパクトでハイラインで圧力をかけたり下がってブロックを作るなど守備が組織されていて穴が無い印象。派手さはないもののイングランドやポルトガル相手に引き分けるくらいの実力はあった。
しかし弱点はなんと言っても得点力。グループリーグと決勝トーナメント全てに引き分けてしまうなど得点が遠かった。
守備は守れるも攻撃は基本前2人のBenjamin SeskoとAndraz Sporar目がけてのパスなど捻りがなかった。
しかしこのメンバーで競合相手に引き分けて予選突破しポルトガル相手にPK戦まで行ったし組織的な守備で健闘したので大健闘だった。
気になった選手
Zan Karnicnik
右SBで派手さはないものの安定していたし2戦目のセルビア戦ではゴールも奪ったし十分な活躍。
Vanja Drkusic
個人的スロベニア選手でのMVP。最後の部分で何度も跳ね返しこのチームの強固だった要因の1つだった。
Jaka Bijol
Vanja Drkusicと共にCBのコンビで鉄壁だった。安定していて良かった。
Benjamin Sesko
守備もサボらず機転になったり裏へ抜け出したりなど頑張ってはいたがノーゴール。
特に悔やまれるのがポルトガル戦の時の延長後半でPepeのミスから抜け出してGKのDiogo Costaとの1体1を決められなかった場面。あそこをキッチリ決めて入れば恐らく勝てたと思う。
チームのために体を張って貢献していたが一番大事な得点がなかったのでそこが残念。
ルーマニア
正直予選では全く印象がなくパッとしない印象だった。
初戦こそウクライナ相手に3点は取ったものの、2戦目ベルギーでは内容結果共に完敗、3戦目はスロバキア相手に引き分けで内容もお互い予選突破のために談合試合のような雰囲気で、内容がお世辞にも良いとは言えなかった。
正直彼らが所属していたグループ、ベルギー、スロバキア、ウクライナが今大会で一番レベルが低いグループだなと思っていたので、このグループを1位突破してもそこまで評価できないなと思っていたが、決勝トーナメントのオランダ戦は打って変わり素晴らしい内容。
開始から前へアグレッシブに行きハイラインハイプレスで圧力をかけてオランダを押し込み失点をしても下がることなく前へ人数をかけていて結果は3−0で惨敗だが内容は互角に渡り合っていたといえる。
この試合だけで自分の評価が180度変わった。
弱点は全体のタレント不足。特に攻撃陣は印象的な選手がいなかった。
しかしそのタレント不足を全体の組織力と攻撃に欠ける人数でカバーしたなと特にオランダ戦で感じた。
他の敗退国のスロベニア、スロバキアなど後ろは組織的で守るも攻撃のタレントが今一つな国と良く似て入るものの、その国とは違って前線に人数をかけて全体で撮りに行くぞという気持ちをルーマニアからは感じた。
Florin Niță
全体は通じてセーブが目立っておりルーマニアの選手で1番良かったと思う。負けはしたがオランダ戦がビックセーブも多くて良かった。
Andrei Burcă
Radu Dragusinのイメージが強いルーマニアだが予選では彼の方が個人的には良かったと思う。
オランダ
結構好きなチーム。メンバーも揃ってるし攻撃力もあるので優勝候補の1つと思っていた。オーストリア戦は敗れたり、トルコ戦も先制された後は苦しい展開が続くなどあまり安定してはいなかったもののハマった時の攻撃力はあり複数得点も奪えるし見ていて面白いチームだった。
それだけに敗れた準決勝のイングランド戦は終始守備的だったのが残念。
最後アディショナルタイムで点は取られたものの90分通じての内容も完敗だった。
Bart Verbruggen
良いセーブも何度もありGKとしての仕事は勿論Brighton仕込みの足元の技術を生かして前への縦パスやフィードなど攻撃の貢献も光っていた。
Denzel Dumfries
上下動を繰り返す運動量特に攻撃力は鋭くチャンスを多く作っていた。身長も高いのでセットプレーでもターゲットになれるのも良い。
Virgil van Dijk
オーストリア戦では1人だけラインを上げれれずオフサイドを取れずに失点に絡んではしまったもののそれ以外は流石の出来。特に序盤戦は素晴らしく空中戦は無敵だった。
Nathan Aké
初めて見た選手の1人。基本左CBか左SBで、右のDenzel Dumfriesが高い位置を取るためバランスをとりそこまで上がりはしなかったものの、後ろからの組み立てのパスで起点にもなれたり、チームが詰まったり得点が欲しい場面では前線に上がりチャンスを演出するなど頭が良く攻守で頼りになった。
Tijjani Reijnders
彼も初めて見た選手。特に初戦では最早FWと思うくらい高い位置をとったかと思いきや、それ以降はトップ下やセントラルハーフなど様々なポジションでも仕事をこなした。持ち味は運動量豊富な機動力にパスなどの配給など技術とフィジカルの両面を持ち合わせている選手。
Memphis Depay
主にFWで先発しており、下がって受けたり上背は無いもののキープ力もありボールを収めるなど頑張っていた。
Cody Gakpo
好調をすごい感じた。ポジションは左FWでカットインからのシュートがハマりまくっていて得点もしっかり奪っていた。Liverpoolで見るよりも存在感があった。
Wout Weghorst
主にスーパーサブ的な立ち位置。後半点が欲しい場面で投入されて、高さを生かしたヘディングやフィジカルを生かしたポストプレーなどThe FWな動きっぷり。先発でも良かったと思う。
普通
ベルギー
やや期待はずれ寄りだが、個人的に面白いチームだったし予選は突破しフランス相手に終盤までやり合えたのでやや評価は甘め。
初戦のスロバキア戦は0−1で落として印象は悪かったものの2戦目ルーマニア戦は立て直して勝利。内容も良かったので持ち直したことと内容の良さで期待してしまうほどだった。
しかし3戦目はウクライナと引き分けてしまい、今思うとここで勝ってグループリーグの順位を上げていれば決勝トーナメントでフランスのような強豪と当たらなかったのに…と非常に悔やまれる。
フランス戦は前半は互角な印象でいけそうな雰囲気もあったが後半はずっと押し込まれ、終盤まで耐えるも最後は点を奪われ0−1で敗退。
振り返ると良い時悪い時の波があり安定した戦いができなかった。フォーメーションとスタメンを常に変えていてチームの闘い方を固定できなかったのも大きいのかなと思う。
ただ爆発した時の試合は面白くて特にJérémy Dokuの圧倒的ドリブルやKevin De Bruyneのパスなどタレントは各所に揃っているので今後には期待したい。
気になった選手
Koen Casteels
クルトワの穴をしっかりと埋める活躍。4試合通じて不在を感じさせなかった。
Wout Faes
初めてみたが結構驚いた選手。守備が素晴らしく穴らしい穴がなく完璧に近かった。個人的ベルギーのMVP候補筆頭。
Amadou Onana
中盤で運動量高く守備でしっかり貢献。ほぼ全ての試合に出ていて監督の信頼も感じる。
Kevin De Bruyne
ベルギーの王様。パスや持ち運び、囲まれても前を向いて抜けるドリブルなど素晴らしい。変えの効かない選手。
Jérémy Doku
これまでプレーを見た事なくこの大会で初めて見て衝撃を受けた選手。こんなにドリブルで仕掛けて抜ける選手がいるのかと思った。自軍深い位置でも関係なくドリブルで仕掛けるし、足の速さやキープ力、複数人いても抜けるドリブルなど素晴らしい。
確かに1戦目のスロバキア戦では自軍で無駄に仕掛けたのを奪われ失点して関与したものの、それ以外の試合では彼の仕掛けがチームの攻撃の重要な動きになっていた。
Romelu Lukaku
不運な判定もありノーゴールで終了。守備も緩い時もあるしネタキャラで評価の悪い選手ではあるが個人的には前線で収めてくれるキープ力は素晴らしくそこまで悪くなかったのではと思う。あとは本当に結果だけ。
Leandro Trossard
ベルギーの攻撃陣で希望を感じなかった選手。何回か出場シーンはあったがインパクトは全く無く活躍ができていなかった。
オーストリア
初戦のフランスこそ敗れたものの2戦目のポーランド戦そして3戦目のオランダ戦は3−2で勝利と素晴らしい出来だった。内容も良くて期待できるチームだっただけに、決勝トーナメントのトルコ戦で負けたのは痛かった。決して劣っている訳ではないし勝てない相手では無かったので勝ちたかった。
内容もフランス戦やオランダ戦など競合相手にはラングニック監督の得意なRB流のハイプレス式のアグレッシブサッカーが見れて非常に面白かったのだが、ポーランド戦やトルコ戦など強豪以外の試合だとそのアグレッシブ感が見れずに残念な内容もあり、チームの波があった印象。トルコ戦に出せていれば…。
気になった選手
Marcel Sabitzer
チームのエースな印象がある。全試合に出場し試合終盤も体を張り運動量豊富でチームに貢献。パンチのあるシュートも打てるのが良い。
ポルトガル
個人的にメンバーが揃っていて面白そうだなと感じていたチーム。
予選も早々と1位通過を決めて3戦目のジョージア戦ではターンオーバーでまさかの敗戦はしたものの2勝1敗は悪くないと思う。ただ決勝トーナメントではスロベニア相手にPK戦まで持つれ、その次の対戦相手はフランスと当たり、支配率でも上まったもののチャンスを決めれずPK戦の末に敗退。
予選では得点力は垣間見えたものの決勝トーナメントでは不発で2戦PKまで持つれてしまい得点力不足が露呈した。
特に攻撃ではしっかりとボールを大事に繋ぐポゼッションサッカー。
VitinhaやBruno Fernandes、Bernardo Silvaなどポゼッションに適任した人材もいて、守備ではPepeやRuben DiasにSBにはJoão CanceloやNuno Mendesなどの実力者がいて、サイドではラファエルレオンやFrancisco ConceiçãoにPedro Netoなど控えもいるなど厚みはあったものの最後のストライカーが足りていなかった。
特にCR7は酷くて、はっきり言って置き物に近い。何も出来ずただいるだけに終始していたが影響力が大きすぎて交代させることが出来なかった。これを監督がしっかりと交代するなりスタメンから外すなりすればもしかしたら結果は変わったのかも。
気になった選手
Pepe
41歳らしいが年齢を本当に全く感じられないパフォーマンス。安定感があり最後の部分では毎回立ちはだかった。目立ったミスはスロベニア戦延長のBenjamin Seskoにした対応くらいでそれ以外はパーフェクトだった。
Nuno Mendes
特に初戦や決勝トーナメントのフランス戦では圧倒的な存在感。守備もしっかり対応して攻撃でもオーバーラップや中に切れ込む持ち運びなどが素晴らしかった。
Vitinha
この大会で衝撃を受けた選手の1人。めちゃくちゃ上手い。組み立てに貢献してパスを回してリズムを作り、1番衝撃を受けたのがキープ力。囲まれても奪われないキープ力やいなして前進するドリブルなどは抜けていた。ボールを懐深く収めるので相手は飛び込めない。
CR7
上でも書いたが酷すぎる。何もしていなくて悪い意味でチームに気を使われすぎて全体のブレーキになっていた。FKも外すのに毎回蹴るし、シュートを打ちまくって外すなら兎も角、シュートシーンすらまともになかった。ポルトガルの癌。対比してToni Kroosの引き際の素晴らしさをすごい感じる。
期待外れ
ポーランド
本当に何も印象がないチーム。「お前いたの!?」的な感じのチームで良い部分悪い部分が思い出せないほど地味で良さを出せなかったチーム。レバンドフスキは怪我で2戦目から何とか交代出場したものの,それ以外のメンバーもWojciech SzczesnyやJakub Kiwior,Piotr Zielinski,ピョンテクなど名の知れている選手も出場していたのに勿体無い。2戦目が終わった段階で早くも敗退が決まっていたが、その中で迎えたフランス戦はまさかの 1−1で引き分けと善戦を見せた。守ってからカウンターは割と迫力があり、PKで追いついた80分くらいからは短い時間ながら良いチームに変貌していた。
あの試合を見ると、それを最初の試合からやれよ…と思わずにはいられなかった。
レバンドフスキが復帰したのがデカくて前線で収められるし、もし1戦目から出場していたらまた結果は変わったのかも。
気になった選手
Lukasz Skorupski
1、2試合はWojciech Szczesnyが先発だったが3戦目のフランス戦では先発に。
PKの1失点はしたもののそれ以外はビックセーブを連発。チームの引き分けに貢献し、おそらく彼でなければ負けてたと思わせるくらいセーブを量産していた。
スコットランド
正直勝ち上がって欲しかったチーム。
1戦目のドイツ戦は1−5で虐殺。1戦目はひどいと言うよりかはドイツが強すぎる印象で,個人的に掴まれたのは2戦目のスイス戦1ー1のドローだったが英国式の激しさ全開のタックルなどで勝ちを狙う気持ちを前面に見せてくれて1戦目の敗戦を引きずらずに素晴らしい戦いぶりだった。
特に選手というよりは会場のサポーターの雰囲気が物凄く自国の良いプレーに全力で盛り上げる所は感動。本当にサポーターの力でチーム力に加算されているなと思った。
しかし3戦目のハンガリー戦では相手のブロックを崩せずにチャンスらしいチャンスを全く作れずに2戦目に見せた激しさも見れずに結果敗戦し内容と共に残念な結果に。
特に自分達の流れに乗った時は面白いのだが,特に攻撃陣が不発で勝利なしで幕引き。
Billy GilmourはBrightonの時の良さを出せず,同じくJohn McGinn,Andrew Robertsonらも持ち味を出せなかった。
クロアチア
この期待外れ評価に相応しい国になってしまった。
1戦目のスペイン戦は3−0で虐殺された。ただ内容で言えば予選3試合の中では1番良かった。点を決められるまで流れはクロアチア気味で隙をつかれて失点を重ねてしまった。
1戦目を見た感想は点差ほどの差は無くて弱い印象は無かったので挽回は全然できそうだなと思っていたが、2戦目ではアルバニアに終始やられてしまい内容も良くなかった。そんな中でも一時期は0−1から逆転で2−1になったのに最後に2−2の同点にされて引き分けで終了。内容もそうだが勝ち点と雰囲気でこの試合で終わってしまった。
3戦目は引いた相手のイタリア相手に全く攻撃の形を作れずチャンスらしいチャンスは作れず、さらに後半奪ったPKをLuka Modricが外してしまい嫌な流れだったが、その2次攻撃でLuka Modricが点を決めて1−0でリードしいけそうな流れになったものの後半アディショナルタイムにイタリアが点を決めて 1−1で終了してしまい敗退決定。
1戦目以外内容も酷く主力もMarcelo BrozovicやLuka Modric、Mateo Kovacic含め高齢化が進んでおりこの大会の敗退でクロアチア黄金期の1つの時代が終わったのかと感じてしまった。
気になった選手
Luka Modric
3戦全て出場し年齢を感じない運動量の豊富さで至る所に顔を出す。組み立てで苦戦していると下がってきて捌いたりゴール前に顔を出し得点を狙うなど素晴らしい。
3戦目はまさかのPK失敗もあったがそれを取り返す得点など持っているプレーも見せてくれたがチームを勝利に導くことは出来ず。悲劇の結果に。
セルビア
昔から良い選手が多くて好きな国の1つ。勿論間大会も面白い選手が揃っているので期待していたのだが蓋を開けてみるとそのタレントを全く生かしていなくて失望した。
特に攻撃のアイデアが何1つ感じられずに可能性があるのは前へぶん投げるロングボールぐらいだった。打開策を試合中や次戦に見出せず最下位で敗退決定。絶対監督のストイコビッチ変えた方が良い。
気になった選手
Aleksandar Mitrovic
Dusan Vlahovicを差し置いて試合に出るセルビアのエース。フィジカルが強くて起点にもなれるし空中戦も強く迫力がある。流石セルビア代表最多得点保持者。
ウクライナ
タレントはArtem DovbykやMykhaylo Mudryk、Oleksandr ZinchenkoやミコレンコにAnatoliy TrubinにAndriy Luninなど結構揃っており密かに期待していたのだが内容はどれもパッとせず。2試合目こそ勝利したものの内容は3試合とも良かっただけでなく攻撃で目立った形などを作れなかった。はっきり言うと組み分けされたグループEは一番レベルが低かったがその組みで最下位になるのは援護のしようが無い。
気になった選手
Andriy Lunin
初戦は先発でレアルマドリーでの好調ぶりを見たかったが2失点に関わる出来に。その後の2試合ではAnatoliy Trubinにポジションを奪われた。
Oleksandr Tymchyk
3戦目に対峙したJérémy Doku相手に完封勝利。
Mykola Shaparenko
2戦目では1G1Aで勝利に貢献した。
チェコ
初戦は最後の最後にポルトガルに決められたもののそれまで 1−1でスコアだけ見れば接戦のようだが内容、特に前半は一方的でなんとか耐え抜いていたと言う感じ。
2戦目もジョージア相手にドローと勝点3を欲しい相手にドローと残念な結果で3戦目のトルコ戦は全く期待していなかったが、個人的に一時期は 1番テンションが上がる内容だった。
前半早くに退場者を出し後半に51分には点を決められ0−1と絶望の流れだが、そこからロングボール主体に切り替えて66分に同点に追いつくと、そこからは一人少ないのを感じさせない時間も多く思わず応援してしまったが、アディショナルタイムにカウンターを被弾して 1−2になり試合終了。3試合目以外は微妙だったが3戦目で一瞬盛り返してきてくれた。
気になった選手
Vladimir Coufal
右SBで豊富な運動量で頑張っていた。
ハンガリー
ハンガリーも密かに期待していた国の1つだったが残念な国だった。イメージは守っているだけの印象しかない。Dominik Szoboszlaiのビックネームに加えRoland SallaiやGift OrbanなどBUNDESLIGAで活躍する選手も多かったのにまともな攻撃を見られなかった。
気になった選手
Roland Sallai
ハードワークしながら守備は勿論攻撃でも起点になったりドリブルしたりと攻撃陣を牽引していた。
イタリア
確かに一時期よりはタレント不足は否めないものの、面白いメンバーがいて期待していたチーム。なだけに失望感が凄い。
フォーメーションは4−2−3−1の可変で左SBのFederico Dimarcoが上がり左肩上がりの3バックになるのが特徴的だった印象。
予選の3戦は内容は全然良くなかった。唯一良かった、というかマシだったのは初戦のアルバニア戦。それも開始わずかでFederico Dimarcoのお笑いスローインミスで失点し、その直後にすぐ点を取り逆転はしたものの、内容の割に追加点の3点目が取れずに大丈夫か?と思っていた。
スペイン戦は100歩譲って相手が強すぎたのでしょうがないと割り切っても、クロアチア戦は失点するまでは守備的で見所がなく、失点後は点を取りに行くも取れず最後の最後に決めて、良くも悪くもこの結果で課題が有耶無耶になった印象。
で、スイス戦は相手を全く攻略できずにチャカチャカパス回すだけの酷い内容。
特に攻撃陣は本当に失望。何も出来ていない。存在感皆無。ほんとギリギリ贔屓目で見てFederico Chiesaがわずかに存在感があったがそれでも全然。
スカマッカ、ペッレグリーニ、Davide Frattesiなどがもっとやらないと。小粒間が凄い。
後はパフォーマンスは良くはなかったがGiovanni Di Lorenzoにインテルで優勝に貢献したAlessandro Bastoni、唯一の良かった選手Riccardo CalafioriにFederico Dimarco。中盤にはNicolò BarellaにGKはGianluigi Donnarummaなど後は揃っていたので全線にタレントが出て来ればと思わせる。
気になった選手
Gianluigi Donnarumma
数少ない好プレーが目立った選手。GKとして実力は文句無し。
Riccardo Calafiori
個人的に初めてプレーを見て驚いた選手。イタリア選手の中で 1番良かった。
現代的なCBで守備だけでなく持ち上がりからのパスなど組み立てに貢献してくれる。レフティだし、持ち味が出たのは何と言ってもクロアチア戦で終盤点が欲しい時に勇気を持って持ち上がりザッカーニにパスを出して劇的同点弾が生まれた。素晴らしかった。
決勝トーナメントに出場停止なのが痛かった。もしいたら結果は変わっていたのかも。
フランス
メンバーの豪華さはトップクラス。しかし特に攻撃陣が不発すぎて内容が見応えある場面が少なく塩試合が非常に多かった。
この大会合計4得点しか挙げられず、内訳も流れで取れたのは準決勝のRandal Kolo Muaniの得点だけでそれ以外はPK1点のOG2点で逆にこれで良く勝ち上がれたなと思ってしまう。
前のベストの組み合えわせが決まらず、Randal Kolo MuaniやOusmane Dembélé、Marcus ThuramやAntoine Griezmannなどを試したものの結果ベストな形を見つけられなかった。そして不動のKylian MbappéやAntoine Griezmannが不調だったのが痛かった。
逆に守備ではMike MaignanやWilliam Saliba、Jules Koundéにサプライズで代表復帰したN’Golo Kantéなどは安定感もあり良かったので攻撃陣の出来が良ければ…。
気になった選手
Jules Koundé
CBの選手だと思っており、この大会では右SBで出場していたのでどんな感じかと思っていたがめちゃくちゃ良かった。今大会の右SBでは1番の選手だったと思う。
CBも出来るだけあり守備はしっかりできる。スペイン戦では好調のNico Williamsをしっかり抑えていた。
そして攻撃でもオーバーラップからの精度高めのクロスで惜しい場面を何度も演出していた。
William Saliba
Arsenalの好調を代表でも発揮。Romelu LukakuやCR7など相手のエースをしっかり押さえていて流石の働きぶり。
N’Golo Kanté
サプライズの代表復帰で後半守備固めの場面で使われるのかと思いきやガッツリスタメンで尚且つ攻守に躍動していて不動の存在だった。守備でも要所を潰して攻撃でも運動量豊富でゴール前にどんどん顔を出して特に予選では圧倒的な働きぶりだった。
Ousmane Dembélé
なぜかスタメンで出ない試合も多かったが攻撃陣の中では良い存在でドリブルのキレやクロスにカットインからのシュートなど脅威になっていた。
Adrien Rabiot
地味でとても目立つわけでは無いがすごい気の利くプレーをしてくれて貢献。凄い良い選手だなという印象。
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