【配信レポ】ギリというより普通にアウト
ATTENTION!
この記事は5月20日ハイキック寄席の備忘録です
事細かなネタバレが多分に含まれています
冒頭、善良で気の毒な後夫の皮を被ったバケモノが結婚三年目にして一向に心を開かない息子のナオキに健気に声をかけているシーンから始まり
ああ、そういう設定ね、、と妙にしんみりした気分にさせられたあの頃の私を返してほしい
新山士彦は疑ってかかれ、を家訓にしようと思います
多感な時期に離婚か、あるいは死別か何かしらの事情で父親と別れ、突如現れた義父を反感や困惑から受け入れられない繊細な十代の演技が上手い石井ちゃん。短いセリフにちゃんとバックグラウンドが詰まってて感動
あと、三十五歳でなぜだぼついた学ランが様になるのか普通に教えてほしい
そんなこんなでナオキはフェードアウト
義父が血のつながらない息子との生活への苦悩を吐露するパターンかななどと想像を膨らませつつ、見進めると
息子が消えたのを再三確認するとソファに寝転がり、自らの太腿にスタンガン押し当ててエクスタシーを感じ始める義父
ここからどんどん狂い始める
ネタとはいえ怖い性癖すぎる
まあまあまあ、意表を突かれはしたけど、私は男女の友情とかラジオとかネタ平場問わずさや香の下ネタ大好きマンなので正直絵面めっちゃ笑かしたから、おっ、当たり回じゃー-ん?とか思ってました
まだこのときはね
そして観客もほぼ読めてたであろうお決まりの
案の定最悪の事態が起こるんですよね
そうです、ナオキ君がそんな義父の姿を目撃してしまうんです
義父のアブノーマルな趣味を見てしまった息子、ネタとしておもろくないはずがないんですが、ここから私たちは奇妙な世界へ誘われるわけです
まず、石井ちゃんの顔がコントの顔じゃなさすぎる
ドン引きとか通り越して、義父の行為に恐怖を成してる顔が秀逸すぎる
そして新山さんも、必死に弁解とかじゃなくて言うてることは面白いはずやのにトーンが平坦でめちゃめちゃ怖い
この時点でじわじわと鳥肌が立ってきてたわけですが
ここで義父、とどめの一撃
「見といてくれへん?」
「見られんのが一番好きやねん」
普通に怖すぎる
一気に変な汗かいたし
二人の演技力が高すぎて、この倫理観ぶっ壊れネタのリアリティが以上に上昇していく感じがまあ、よかったといえばよかった、のか……?月並みな表現ですが……
相乗効果で怪演と言わざるを得ないステージ、ここに爆誕
何がやばいって
スタンガンを自〇に使う父親っていう設定だけでもギリセーフのラインやのに、そこを義理の息子に見られた時点でほぼアウトすれすれで
挙句の果てに見物(見物?)を強要し始めるというキショネタなわけです
だいぶ見る人選ぶなー--
或いはA……セクシー動画でもこんなアブノーマルな設定そうそうないやろ、みたいな
漫才みたいに要所要所にがつんと笑わせに来るセリフがあるわけでもなく、始終淡々と新山パパが石井ナオキ君を追い詰めているという流れやのに、本人たちがあり得ない状況をさも当たり前のように馬鹿真面目に演じてるからこそ自然と笑えてくる感じは、石井ちゃんが前話してた理想の岡村さん論に通ずるものがない、とも言いきれないかなと……
彼らの奇行を極限まで好意的に捉えつつ
そんな感じで状況のイントロダクション的な部分が終わって
じゃああとは何してたかって言ったら新山パパは石井ナオキ君にスタンガンを持たせて自分のあれこれを手伝わせるわけです
下ネタ大魔神の私もさすがに初見はほんまに意味分らんすぎて、いつものさや香とテイスト違いすぎて怖すぎてちびるかと思った
何を見せられているのか意味が分からなさすぎて、マジで
そのときの石井ちゃんの表情の参考例としては、マジでミキベースで新山さんに剛速球投げられてたときのあの半泣きプリティフェイスまんまです
終盤なんかはあれをさらにかわいそうにした感じ
奇怪なネタすぎて、三周目くらいでようやく爆笑出来ました
涙出るくらい笑った
最後の最後の伏線回収は見事すぎて配信見ながら騒いでしまったくらいなので、全体通した感想としては結局のところ例に漏れずさすがさや香となるわけですがなにせ中五分が恐ろしすぎるがあまり、配信消えへんかなと勝手に心配してしまうくらいでしたね
個人的にはめっちゃ好きなネタでしたが、さや香ファンの方々の中でも今回のは受け入れられへんかったという意見もちょいちょい見られたりで、全然それも致し方ない内容やったな、と
なにはともあれ、新しいコントという新天地でここまでギリギリのことやってくれるんやという嬉しさが何より先に立ちました
次私が彼らのコントを目に出来る機会はコント大好きライブになると思うので、ますます期待が高まります
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