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そうなんですか?


今は亡き母が癌と診断された時、私と姉は悩んだ。どうやって母に告げようか?

“あっ、癌でしたよ。” 母の主治医は
何事もなかったように告げた。

母も、つられたように、
“あら、そうなんですか?”

このやりとりのお陰で、私たちは、
すっかり肩の荷がおりた。

癌は、遺伝だからな。それから
頭の隅でちらりと思いつつ、
私に限って癌になるわけがない!
そう思っていた。

数年前、その晴天の霹靂が
私に、やって来た時
私の主治医は、
“あーそうですね、癌でしたよ”

“あら、そうなんですか?”
私もつられて答えてしまった。

だからと言って、これからの
日々を理解したわけではない。

手術台で麻酔を打たれた後の
4時間半の空白って、まるで一瞬だ、
寝て起きたら、私の人生の4時間半が
どこかへ消えていた。
その後、何度も手術したけど
その空白の時間は、何度も消えていた。 

5年間、投与されたくすりの
副作用には、本当に参ったな。
体験したことのない痛みとか
身体のバランスの悪さとか
いつまでも治らないキズを、見ては
自分の気持ちがもっと傷つく。

当たり前だけど、やってみなけれは、
わからない。
ひとり、ひとりの立ち上がりかたは違う

今年で術後、8年目。
あっという間に8年。


コキチの得意スタイル

生まれて初めての手術が癌。
そのから8年の間に、5回も手術。
次は、癌ではない。
夜中に、しかも
新年の夜中に道路でこけた。
頬を思い切りうって左肩もどかーんとうった。
情け無いことに、寒い❄️夜
頬にアイスノンは、寒い。
しかしどんどん腫れるので仕方がない。

この時、肩の靱帯を断裂してたらしい。
後日、その靱帯を縫う手術を受ける。

私の手術人生の始まり。
ちっとも可笑しくないけど、
こうやって書くと冷静に笑える。

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